資金過不足の対GDP比

D.アトキンソン脇田成が企業の過剰貯蓄を取り上げていたので、内閣府「国民経済計算」で確認する。

+/-(黒字/赤字)は純貸出/純借入(運用/調達)の意味で、利益/損失ではないことに注意。

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この3つを以下の通りに接続。

1955~1979年度:1990年基準(1968SNA)
1980~1993年度:2000年基準(1993SNA)
1994~2019年度:2015年基準(2008SNA)

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MMT的に家計と企業を合わせて「民間」にするとアトキンソンと脇田が指摘する企業の赤字→黒字への転換と家計の黒字の縮小の問題が見えなくなる。

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「政府の赤字は民間の黒字→民間の金不足は政府の赤字が足りないから」なので、財政赤字拡大が日本経済の根治療法になると反緊縮の論者がいるが、長期的には経済成長率が低下するほど政府の赤字と民間の黒字(の対GDP比)は増えている。

アトキンソンが「日本経済の最大の問題は、企業の緊縮戦略にある」「緊縮財政は経済低迷の主因でないので、緊縮財政を止めれば経済が本格的に回復する、とはかぎらない」と言う通りで、企業の資金余剰の縮小が根治療法ということである。

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