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経済

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日本が貧乏国に転落したのは日本人がエコノミック・アニマルだから

日本が貧乏になっているという言説が増えている。 実のところ、1人当たり実質GDP成長率は他の主要先進国と比べて低くなかったのだが、賃金が上がらない+円安のために、国民の購買力が相対的に著しく低下している。プラザ合意後によく聞かれるようになった「内外価格差」という言葉も、いつの間にか「高い日本」から「安い日本」の意味に逆転している。 その急速な貧乏化の原因だが、日本を敗戦からわずか23年後(1968年)に世界第二位の経済大国へと成長させ、1979年にはアメリカ人に"Japa

10年遅い「デフレ脱却」表明

インフレは物価の上昇、デフレは下落でそれ以上でも以下でもないのだから、本来なら10年前にはデフレ脱却(持続的な物価下落が止まること)が宣言されているはずだった。 ところがそうはならなかったのは、「デフレ」に物価下落以上の意味を持たせてしまったからで、そのことが経済政策・経済運営を歪める結果を招いている。 デフレの期間は23年ではなく、長めにとっても1999年末~2012年末の13年間だが、2002~2007年には戦後最長の景気拡大を達成し、企業収益も悪化するどころか絶好調

リクスバンク経済学賞受賞者の日本に関するズレた見解

スウェーデンの中央銀行Riksbankがスポンサーの経済学賞の受賞者が日本について見解を示しているが、西洋リベラル特有の偏見に満ちていて、聞く必要がなさそうである。 女のパートタイム労働については👇を。 低出生率についても時代遅れの認識をしている。 ゴールディンが依拠しているのは、「女は家庭」という男女分業の伝統的規範がある社会で女の労働力化を進める→女が家庭と仕事の二重の負担に苦しむ→負担を減らすために子供を減らす(従って、男女平等になると出生率は上がる)という201