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経済

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2024年2月の記事一覧

日経平均株価は史上最高値を更新したが

日経平均株価が1989年末の過去最高値をついに更新した。 株価水準は同じでも、株式益利回り(PERの逆数)は大きく異なる。約5%はグローバル基準では妥当な水準なので、バブル期と違ってファンダメンタルズ(企業利益)に裏付けられているといえる。 👆自分の周辺ではこのように期待する人は見当たらないが、期待薄なのは👇にあるように、日本経済の構造が金融ビッグバンをはじめとした構造改革によって様変わりしてしまったからである。 企業が変わってしまったことに加えて、人口構造の変化が好景

日本人のコンセプト力

最近、この👇経営学者をよく見かけるが、「東大史上初の経営学博士にして平成生まれの慶大准教授が放つ、渾身の日本企業再生論」と謳う『日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか』を読んだらう~んと思ってしまう内容だったので、二点コメントする。今回は一点目。 岩尾の主張は「日本の弱点は経営技術をコンセプト化しないところ」「できないのではなくやらなかっただけ→意識改革一つで克服可能→just do it」というものだが、問題は「やらなかったのはできないから」という可能性が小さくないことである

株高だがGDPは4位転落

株価指数が過去最高値に迫る一方で、GDPが世界4位に転落したことは、日本政府が1990年代末から続けてきた「企業の稼ぐ力を高めれば日本経済の成長率も上がる」の方針が根本的に誤っていたことを示している。 2023年の実質成長率は日本がドイツよりも高かったが、それでも順位が逆転したのは円安のため。 「企業の稼ぐ力を高める」の奨励は、日本企業による"Japan Passing"⇒生産力の相対的低下⇒円の購買力低下という狙いとは逆の結果を招いてしまった。 万事休す。