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「既婚女性の出産数は減っていない」はデータの誤用~実は減っている

「既婚女性の出産数は減っていない」という分析がデータの誤用によるものであることを示す。 『国勢調査』に、既婚女性が同居している児童数(20歳未満)の分布が分かる統計表がある。25~44歳の既婚女性を取り出し、同居している児童数(子ども数)の分布を、1985年と2015年で比べると<表1>のようになる。 既婚女性の子ども数(結婚した女性が産む子ども数)はほとんど変わっていないようだ。 2015年は同居児は20歳以下だが、1985年は15歳未満なので、そのまま比較できない。

自称独身研究家の間違いだらけの少子化分析

また大手広告代理店の自称独身研究家が間違いだらけの記事を書いているので検証する。 出生の98%弱は嫡出子なので、出生数の減少は3つの要因に分解できる。 ❶出産適齢期の女の減少 ❷未婚率の上昇(既婚率の低下) ❸有配偶出生率の低下(結婚した女が産む子の平均数の減少) このうち❶と❷は自明で、問題は❸の真偽である。 1960年代以降から第2次ベビーブームだった1970年代前半も含め、現在に至るまでの約60年間にわたって、第1子から第3子の構成比はほぼ変わりません。 出生