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ファクトチェック

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2021年5月の記事一覧

京大土木屋のメチャクチャな日本経済分析

「京都大学教授」の肩書をフル活用してデマを精力的に発信する藤井聡については[ファクトチェック]で何度も取り上げてきたが、この記事は輪をかけて酷い内容である。 3%→5%のわずか2%ポイントの消費税率引き上げで日本経済がメチャクチャになるはずがない。実際、2014年4月の5%→8%は何事もなく乗り切っている。日本の命運を分けたのは、1997年11月4日の三洋証券のデフォルトから始まった金融危機である。 実際に増税したら経済がメチャクチャになった。 日本経済は1年でボロボロ

京大土木屋のデータリテラシー

田原総一朗が「とてもわかりやすく、納得できる説得力」と感じた「様々なデータや資料」は、土木屋がミスリード狙いで作成したものである。 藤井の論法は「日本は諸外国よりも経済の回復・成長が遅い」「その原因は緊縮財政」「積極財政に転換すれば日本経済は必ず復活する」というもので、それを納得させるために見せ方を研究している。 GDPが-10%から+11.1%で元の水準に戻ると「回復度」は111.1%だが、-20%なら125%、-50%なら200%になる。当初の落ち込みが大きいほど大き

コロナショック前後の各国の実質GDPの推移

日本経済のパフォーマンスが諸外国に劣るのは財政支出が足りないから、という情報操作が行われている。 日本はコロナによる経済の落ち込みは比較的軽微だったにも関わらず、先進国で最も回復の速度が鈍い。理由の一つはワクチン接種の遅れだが、米国などが大胆な経済対策を実施しているのに対し日本は残念ながら財政支出の規模で大きく見劣りすることも事実だ。 日本経済の回復の「速度」が鈍いのは落ち込みが比較的軽微だったから。