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ワインに感じる女性性

毎日晩酌するくらいお酒好きなのだが、若い頃はビール中心で、ある程度歳を重ねてから、ワインや日本酒を普通に嗜むようになってきた。若い当時は美味しいワインや日本酒が手に入りにくかったというのもあるが、ワインを飲むようになったきっかけは、アメリカ西海岸に出張があった時に出かけた、あるワイナリー。ナパバレーにはたくさんのワイナリーが道路沿いにあって、ワインの事もよく知らなかったのだが、そこの綺麗に整備された門がまえに引かれて中に入ってみた。

ワイナリーツアーに参加したのだが、ワイン初心者の自分にとっては初めての事ばかりで、ブドウ畑の見学から始まり、樽熟成、ボトル熟成など、ワインの出来る過程を順番に見せてくれた。最後は、試飲があって、テイスティングの仕方を初めてでもわかるように細かく説明してくれた。そこで味わったワインは、それまで日本で飲んだどのワインよりも美味しく、また、そこに訪れるまでに立ち寄った他のワイナリーに比べても、美味しく感じられた。

今では日本でも有名なワイナリーになってるが、当時はほとんど知られてなく、ワインもそんなに出回ってなかったのではないかと思う。

その後、たくさんのワインを日本で飲んで、だんだん味が分かるようになってきて、醸造の事やテイスティングの事も勉強していると、ワインの味わいを女性に例えるようになってきた。
エレガントで若々しく少し甘い香りのするピノ・ノワールは、口に含むと思いがけない酸味がやってきて、見かけの柔らかさに隠された少しツンとした性格が感じられるので、年端も行かない若い淑女。香りも味わいも熟成感たっぷりで、余韻も程よいボルドーは、若い男子を惑わす貴婦人とか。香り、舌先の味わい、喉越しで酔わせるワインは、そのフルーティーな味覚によって、何か妖しい女性に惑わされるような感じがすることがある。

そういう気持ちでワインボトルのコルクを抜く作業を進めていると、まるで、女性の足の間に割って入ってお近づきになるというようなセクシーな感覚が、湧いてきたりもする。ワインショップでのテイスティングとかに参加して味わい方の作法とか習ってると、コルクを抜く時の外側の包みは、口のところだけ丁寧に取って、全部剥がすのはマナー違反だと教えてくれるところもあったのだが、それも、女性性を感じさせてくれるボトルを丁寧に扱うという意味で、一つの儀式的な意味合いも含めて納得していた。

ところがである。昨年行きつけになった角打ちのあるワインショップのマスターは、フランス三つ星でも修行した、料理にもワインにも造詣の深い方なのだが、コルクを抜く際にその外側の包みを、グリグリと引っ張って、一気に全て剥がしてしまうのである。
それを初めて見た時は、顔には出さなかったがかなり仰天した。まるで、女性の衣服をスカートの裾から上に持ち上げて、素っ裸にしているような印象を受けた。
その豪快な包みの剥がし方を想像だにもしなかった自分にとっては、そのマスターが、女性との関係も豪快なんだろうなと思ったりした。

それ以降、自宅でワインを飲むときは、自分でもグリグリーのスパッという感じでボトルから包みを剥がして、女性を素っ裸にするような感覚に酔いしれながら、このワインはどんな花園を見せてくれるのだろうかと密かにニンマリするようになった。

セクシーコメント32
”今日のワインと君とで、セクシーな夜を演出しようね♡ 3P になったりして♡”

#セクシャルなひらめきで潤いのある生活を


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