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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.7

医療機関におけるマスクの不足があちこちから聞こえてくる。医療者のマスクが不足する事態は極めて危険だ。

知っている人も多いと思うがマスクの繊維の隙間はウイルスよりはるかに大きいので、ウイルスの透過を阻止できない。コロナウイルスがピンポン玉くらいの大きさだとすると,マスクの網み目の隙間は 4メートルくらいだ。

実際にはウイルスは唾液などの飛沫もしくは飛沫核(小さな飛沫)に含まれた状態で存在することが多い。飛沫は咳などで一定距離を飛ぶことがあるが、最後には落下する。飛沫核は小さいので空気中を浮遊し、いわゆる空気感染の本体となる。なおコロナウイルスが空気感染するかどうかはまだはっきりしていないが、可能性は示唆されている。

飛沫は大きいのでマスクである程度止められる。飛沫核はウイルスの50倍以上の大きさだが、マスクの隙間よりまだまだ小さい。従って空気中を漂う飛沫核に対する防御手段としてはマスクはほぼ無効である。

さて医療者のマスクは何故必要なのか。それは患者から至近距離でウイルスを含む唾液、鼻汁、血液などの体液飛沫の直撃を受ける可能性があるからだ。それは濃厚感染の原因となる。医師が感染すれば医療崩壊に結びつく。医療者はマスクに加えゴーグルの着用が望ましい。

また不顕感染(感染しているが無症状)している医療者から患者へ唾液飛沫が飛ぶことも防がねばならない。介護従事者もその意味でマスクをした方が良い。

飛沫をマスクで食い止めても、飛沫中のウイルスは繊維の隙間を透過しうるので医療者はマスクを頻回に変える必要がある。3日に一度の交換では意味をなさない。

翻って、一般の人が街の中を歩くときに他の人から至近距離で飛沫を浴びたり浴びせたりする可能性はほとんどない。顔を付き合わせて口喧嘩でもしない限りは。

咳が出る人はマスクをした方が良いが、思い切り咳をすると飛沫の一部はマスクを通過して出るので、マスクをしていても咳をするときは自分の腕に向かって。それが本当の咳エチケット。

私達がマスクを買い占めなければ、頻繁にマスクを変えねばならない医療者に十分なマスクが供給され多くの人を救うことができる。私達は、マスクをするより最も感染の原因となりやすい手指の洗浄消毒に努めることで自分を守れる。

私の所属する大学に、協定校である上海交通大学からマスクが送られてきた。このような厚情を忘れてはならないとつくづく思う。

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