見出し画像

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21

前回のnoteで、K値による予測から現在の感染拡大は7月12日前後でピークアウトするだろうと述べた。しかし、新規感染者数の増加は止まらず、拡大が続いている。K値による予測が間違っていたのだろうか。結論から言うとK値は誤ってはいない。感染の第4波(3月〜4月を第2波と考える)が来ているのだ。

そのことはK値のプロットから明らかだ(図は中野教授から頂いた)。はっきりと2相になっており、第3波が収束する前に第4波が来ている。このようなことは、新規感染者数を見ていても判らない。K値解析のメリットと言えよう。しかし、ピークアウトすると言ったのにしなかったではないか、という指摘に対してはその通りであると言うしか無い。私の説明が言葉足らずだった。次の波が来なければピークアウトする、と述べるべきであった。K値に罪は無い。

なお、ある波が収束する前に次の波が来た例は過去にもあって、3月の大阪におけるライブハウスクラスターの発生や、4月のアメリカにおける他州への飛び火などがK値プロットから明白に示されている。これらについては以前のnoteでも図を示したが、ここに再掲する。

第4波は恐らく東京から波及したと思われるが、なぜ発生したかは判らない。自粛の解除だけでは無い何か地域的なものがあるかも知れない。原因の究明が待たれる。なお中野教授によれば、この第4波については不定性が高く、K値解析からも、どの程度の大きさになるかまだはっきりしないとのことである。

第4波は感染者数は多いが、重症者と死亡者は今のところ低く抑えられているのが不幸中の幸いだ。SARS-CoV-2については集団免疫が成立しない可能性がでてきており、今後どのように対処していけば良いか冷静に考えなければならない。次のnoteで私なりの考えを述べたいと思う。

ちなみに、私の本業はオートファジーの細胞生物学的研究であり、K値についていかなる組織・団体からも金銭などの利益供与は受けていないことを明言する。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?