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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.6

京都大学のグループが興味深い提案を行っている。過剰なイベント自粛をやめようという呼びかけである。私の知人のコロナウイルスに詳しいウイルス学者がこの提案の立案に関わったようで、それで知った。私の考えているところと一致する部分が多いので紹介する。少し長いが、ロジックもしっかりしており一読に値すると思う。

https://38news.jp/politics/15536?fbclid=IwAR2jLSqFt6c6iWiNX-dGLInKimP2YGUg4jMsXHYr3I78C0frxc_EwFPFtZs

ポイントとなるのは下記の点だ。
上記提案からの抜粋
《急速な感染者・重症者の拡大は医療崩壊を導き得るリスクがあるということを十二分に念頭に置きつつ、「感染による直接被害」と「自粛等による間接被害」の「総和」を最小化することを目指すべきであるという提案です。》

また下記も重要だと考える。私も感染ルートの特定より重症者対応に力を注ぐ段階だと思う。そして的確な国民への説明が必要である。

上記提案からの抜粋
《そもそも感染症対策は、水際対策フェーズから感染者抑制フェーズ、そして重症者・死亡者抑制フェーズへと(そのフェーズで押さえ込めない限りは)段階的に移行していくことが必要となりますが、今日のように感染者数が一定程度拡大してきた状況では、重症者・死亡者抑制フェーズへと少しずつ移行することが求められます。
したがって、今日、地方衛生研究所のリソースは「感染ルートの特定」に大量に投入されてますが、そろそろ、その感染ルートの特定に投入されていたリソースを予防・治療等に振り向けていくことが重要となります。
なお、こうしたウイルス対策は、最善の医学的な対処を効果的に図っていくことが何よりも大切ですが、それと同時に、過剰な不安を最小化するための「リスク・コミュニケーション」、すなわち、的確な国民への説明が不可欠です。
それがなければ、残念ながら感染してしまった方々や、感染者を出してしまった組織に対する不当なバッシングを被る、いわゆる「コロナ・ハラスメント」が生じてしまいます。》

じゃあ我々国民はどうすればいいのか、という具体的な提言も行っている(下記URL)。未知のウイルスが相手であり世界各国の政府や専門家を含め誰にも正解は判らないのだが、我が国の現状(感染爆発が起こっていない、死亡率は今のところ低い)に鑑みて落としどころとして適正かと思う。最も簡単で効果的な感染拡大阻止対策は国民全員に一歩も家から出るな、という命令を出すことだが、いつまでそれを続ければ良いのか不明であり、長期化すれば社会崩壊を招くのは必至である。私は、我が国の専門家委員会に社会学者や心理学者、経済のエキスパートなども加えるべきだと思う。

提言
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2020/03/corona_riskmanagement.pdf
提言の概要版
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2020/03/corona_riskmanagement_summary.pdf

一方で、COVID-19を風邪並みの病気だから恐れるに足りず、という言説を耳にするが、この考えは危険だ。現在患者を抱えている医師から、病態があっという間に悪化して呼吸困難に陥りECMO(心肺補助装置)を使用としたと聞いた。このような肺炎は見たことが無いとも。中国や韓国からのレポートにも同様のことが書かれている。まさに正しく恐れることが必要である。なお、ある大病院の院長は医療崩壊さえ起こらなければ、重症者をケアする体制は万全だと言っていた。侮ってはいけないが、恐怖に駆られる必要も無い。

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