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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.5

医療崩壊を起こしているイタリアにおける死者が1,000人を超えた。スペインでも患者数が急増し医療体制の維持が危ぶまれている。イランの状況も心配だ。WHOがここにきて漸くパンデミック(世界的大流行)を宣言した。パンデミックは、誰の目にも既に明らかであったが。

フォローして下さっている皆さんには耳たこだと思うが、日本についての私の現状認識の要点を再度記す。
1) 感染拡大の完全阻止は不可能。
2)しかし感染拡大のスピードを減じることは可能。
3)それによって医療崩壊を防ぎ、重症者の救命を行う。
4)2には各個人の手洗い消毒などの意識的行動が最重要。
5) 見えない病原体相手の長期戦には、冷静な対処と心のゆとりと他者への思いやりが必須。
6)4と5の実施によって過剰反応を排し、経済への打撃を可能な限り減らす。

我が国における感染者数が少ないのは検査数自体が少ないためで他国と比較できないが、死亡者数が少ないのは恐らく事実で注目に値する。医療崩壊が起こっておらず、かつ日本の医療技術と体制の水準が高いことも要因に挙げられよう。

この医療技術に関しある重要な情報がニュースで流された。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200313/k10012328541000.html

COVID-19は肺炎が重篤化すると死に至る。肺胞細胞が死ぬため酸素を体内に取り入れられなくなり、人工呼吸器でも救えなくなる(イタリアではこの人工呼吸器さえ不足している)。しかし高度医療技術であるECMO(心肺補助装置)を使うことで、日本では重篤な患者23人のうち12人が回復に向かっているという。

ECMOは、心臓外科手術時に一時的に呼吸と血液循環を代替するために開発された生命維持装置である人工心肺に似た装置だ。肺機能が停止しても、免疫によってウイルスが排除されるまでの時間を持ち堪えることができる。日本では現在1400台以上が稼働している。待機台数が約1200台。

COVID-19対策の一環として、日本救急医学会がECMOを中心とした重症管理の助言を医師に行う電話相談窓口も開設した。折角沢山あるECMOが活用されなければ意味が無い。ECMOが全国で効果的にCORVID-19重症患者に適用される体制作りが進められることに期待したい。場合によってはECMOを扱うことのできる臨床工学技士の養成促進が必要かもしれない。

救命率の上昇は患者さん個人や家族の幸福はもとより、国民の恐怖や不安を減らすことができるという点で大きな意味を持つ。日本には重症者をケアし救える入院体制と高度な技術があると信じることができれば、見えない敵と戦う闇の中の光明となる。

感染拡大のスピードを遅らせ、重症者には高度医療技術を投入して救命する。そうやって時間を稼いでいる間に、ワクチンを含む治療法の研究開発を急ぐ。このシナリオしか対ウイルス戦争に勝利する道は無い。問題は経済的破綻をいかに回避するかだ。

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