見出し画像

【ライター・演者】パチンコ・パチスロ関連の仕事をしたくなったら一度目を通してほしい記事【晒し屋・遊技機開発】

はじめまして。パチスロ中毒者の出口戦略が一切思いつかない放蕩ラザイエフ(@ProdigalRzhyev)です。
今回はパチンコやパチスロ関連の仕事に就くことの是非について、これまで考えていたことをまとめようと思います。

章分けとしてはひとまず以下の4つ。

①ライター(※書籍やWebなどの媒体は問わない)
②演者(媒体系 or その他の集団)
③情報商材系(≒晒し屋。ひとまず広告代理店と仮定します)
④遊技機開発(メーカー)

私自身は「パチスロなんか打ってる暇があったら働けよ!!!」とよく言われますが、自分の場合は経済社会にうまく適応できなかった経緯がありホール通いがなかなか止まらないような背景がございますので、上述のような主張は正論としては理解できてもそのまま飲み込むのはひどく難しいことであると感じます。表には出さないだけで皆いろいろあんだよ。

そこで昨年あたりは「それではパチスロ関連の仕事に就くのはどうだろう?」と考えたわけですが、業界規模や成長性、周囲の人物の動向、自身のスキル等を総合的に勘案した結果「辞めておこう」となりました。
ガワが良くないというハードの要因も当然あるのですが、それ以上に「誰からお金が出てくるの???」の部分で私はつまづきました。その点についてはまとめの章で触れたいと思います。

とりわけライター志望、演者志望の方々にご一読いただけるととても嬉しいです。

①ライター(※書籍やWebなどの媒体は問わない)

パチマガスロマガFREEのバナー(Googleで拾った)。筆者はレビンさんのファンです。

パチンコ・パチスロの仕事で真っ先に思いつくのはライターでしょうか。
自分は雑誌を購入したことが一度もないのですが、パチスロ誌やWeb媒体を含めて、編集部から原稿の発注を貰い、それをライティングする仕事です。

概要については「必勝本WEB TV」の記事が詳しいので、そちらを参照していただければと思います。

■やっぱりスケジュールがキツそう

こちらの記事で紹介されているライターさんは全員が売れっ子であるからか、スケジュールとしては「週に3日から4日は収録で、合間に打ち合わせや原稿書き」「ほとんどが収録で埋まってしまっている」「移動の合間とかに原稿を書いている」といった具合で相当多忙である様子。

実際、嵐さんが出演されている動画では収録が押して飛行機に乗れるかどうか悩んでいるようなシーンも見かけますし、かなりの過密日程で働いていることが推測できます。

ライター陣3名の一週間のスケジュール(記事より引用)。休みは、どこ…?

よくライター職は「自由な時間に働けること」がメリットとされていますが、仕事のスケジュールが非定型的であるがゆえに休みが不規則になりがちな職業でもあります。パチンコ屋の稼働が高くなるのは基本的には休日。もし来店取材もこなすような売れっ子ライターを目指すのであれば、少なくとも土日がほぼ確実に潰れることは覚悟すべきでしょう。

というか、仕事を受けるのであれば土日どころか平日も普通に潰れるような気がします。以前『ノンフィクション』でパチスロライター・マエダさんの回を観たときに、閉店後のホールにお邪魔して動画を収録しているシーンを見かけたことがありました。

「深夜から明け方まで仕事をする」=基本的には翌日の日中も潰れるということ。他人に伝わる文章を書くことがよほど得意であればスケジュール調整も難なくできるのかもしれませんが、いわゆる"自由な働き方"を体現するのは至難の業であるようにしか思えません。

■最上層以外の人は収入が結局よく分からない

なお、収入については必勝本WEB TVの記事だと「稼ぐ人は年収数千万」と言われておりました。誰だろう、木村魚拓さん?1GAMEのてつさん?沖ヒカルさん…?
一方で、ホヤホヤの新人や中堅ライターの収入については特に記載がありませんでした。雑誌どころかWebメディア全般が火を噴いているような昨今ですから「察してくれや」ってことなんでしょうか。

上の層だけ取り上げれば、当然何千万円と稼ぎ出す人もいるのでしょうけど、そもそも遊技人口が減少傾向にあり、またWeb媒体とて収益構造もそれほど安泰とはいえないでしょうから「上の人はメチャ稼ぐけど、中堅より下の人はそれほど稼げない」という構図はありそうです。夢を見る分にはいいけど現実はだいぶシビアなはずで、なんというかその辺りは一般的なライター業とあまり変わらないのだろうなと感じます。

②演者(媒体系 or その他の集団)

次に演者(媒体系 or その他の集団)について考えてみましょう。

■媒体系の演者(スロパチステーション、1GAME、頂チャンネルなど)

まずは媒体系の演者について。
先の章で取り上げたように、ライターが演者を務めている場合がありますが、今は逆にYouTubeやSNSを拠点として演者業を中心に活動している人たちがいます。
有名どころだとスロパチステーションのいそまる・よしき・れんじろうがそう。頂チャンネルのsasuke&ガイモン、1GAMEやGooパチの方々も該当するかと思います。

スロパチステーションから引用。よしきもそうだが機種の挙動や版権のインプット量が凄い。

いま挙げた面々は、ライターのように実際に台をしばきながら機種の解説もしてくれるけど、どちらかといえば店舗からは"お店の盛り上げ役"として期待されている面が大きいように思います。

自分はここ十数年における風営法改正の経緯を熟知しているわけではないですし、正直どういったビジネスモデルなのかはよう知らんのですが、こうした有名どころの演者が来る場合は実質的にイベント=還元日の告知として扱われている(もしくはタッグを組んでいる)印象です。

■来店演者は絶対にいなくならない

一方で、「来店演者は必要かどうか」といった話題は毎月のようにTLに上がってきます。

個人的には「需要がある限り、絶対にいなくならない」がまず間違いない答えだと考えています。

もちろん演者にもピンからキリまでありまして、
来客数を確実に増やせる人とまったく増やせない人、容姿端麗な人から覆面で活動している人、やたらとバストや太ももを強調するしか能がねえ人、台や版権の知識で真っ当に勝負している人、「朝の一万円はご挨拶」と言わんばかりな豪胆な立ち回りで熱烈なファンを抱える人など様々なバリエーションが存在します。

また誰とは申し上げませんが「コイツはぜんぜん集客できとらんな」もしくは「さては引き子を用意したな?」「店舗から厚めの情報貰って複数人で動いてるだろ…」と疑われるような、挙動が怪しすぎる人物も多数おります。

ユーザーからの支持が厚い人に薄い人、そもそも認知されていない人など本当にいろいろな人がいますが、個人的には下流で淘汰が発生する可能性はあっても絶対数自体は徐々に増加すると見込んでいます。

理由は「演者がデジタルに管理できる広告媒体であるから」です。

来店演者はそもそも紙媒体とは異なり人間そのものですから、来店前~来店後に客と直接的・間接的にコミュニケーションを取ることができます。
また現在は各種SNSでの動画再生数や投稿に、インプレッション数やエンゲージメント率、離脱率等の広告指標を設けることができます。

つまるところ、ホールから広告代理店から見て、
演者とは「デジタルに管理可能な人間チラシ」なのです。

AIに生成させた「パチンコ屋の広告チラシと身体が融合してしまったインフルエンサー」。

ホールが還元日の告知をするにせよ騎士団からぶっこ抜くためにせよ、いまやチラシよりも演者の方が圧倒的に使い勝手が良いはず。
契約形態もほとんどが固定給ではなく完全出来高制の業務委託でしょうから、「人間チラシ」は広告代理店にとってはいくら手元にあっても困らないカードなのではないでしょうか。

そして、数字を出せる人間はまだマシな扱いを受けることができますが、基本的には不安的な形態の中で、みんなボロボロになりながら業務を遂行していると思った方がいいように思います。

実際、去年の秋にボロボロになって腰の手術をした人がいたでしょ。軽めの言及に留めますが、契約形態や業界内の序列から、彼のように死ぬ気で頑張らないと生活が成り立たないような状況に陥りやすいのだと思います。

「人間チラシ」が楽な道であるかどうかは"推して知るべし"です。

③情報商材系(≒晒し屋。ひとまず広告代理店と仮定します)

次に検討したいのが情報商材系の広告代理店。いわゆる「晒し屋」と呼ばれる人たちです。

「▲▲日は〇〇(機種名)が全!?」
「△△店には3台並びが多数で☆☆(機種名)が1/2で56に!?🌟🌈」

などなど、お店の名前を不自然に混ぜ込んだツイートを毎日のように投稿していたり、現地にいないと閲覧できないはずの出玉データを連日のごとくキャプチャでまとめたりするアカウントのことを指します。

↑「晒し屋」のパターンについてはこちらの記事もどうぞ。

広告代理店の名前や売上高がオモテに出てこないので業界のパワーバランスについてはよく分かりません。当てずっぽうで言うんですけど、いろいろと買収したっぽいDMM傘下の会社?部署?がいまは最大手なんでしょうか? まあ、ちょっとよく分かんないので本当に推測ですけど。

■ステマの罰則強化で、投稿にPRタグが付くようになった

近頃、投稿に#PRタグを付けるようになったSNSアカウントを複数見かけますが、あれはおそらく令和5年10月の景表法改正によってステルスマーケティングの罰則が強化されたことに由来するはずです。

そもそも風営法の広告規制では著しく射幸心をそそるおそれのある行為は禁止されているはずですが、おそらくステマを摘発された際の罰則の方が強力であるため(景表法第36条:2年以下の懲役または300万円以下の罰金)、広告代理店としては規制に抵触しないギリギリを攻めつつPRタグを付けてリスク回避しているのでしょう。みんな頑張ってんだねえ。

『パチンコ広告宣伝ガイドライン』でウルトラアッチッチが言及されているの、笑った。

■リスクは広告代理店だけが負えばいい。あとみんなは手を出すのは止めたらいいよ

「ステマなんかに手を出すんじゃねえよ!」と喝破したいところではありますが、正論は一旦措きます。

個人的には、これまでステマの片棒を担がされていたであろう人たちの投稿に#PRタグが付いた点、また景表法の罰則規定で投稿者(インフルエンサー)には罰則が与えられないことが明確になった点が良かったと感じています。構図としてはおそらくどのアカウントも広告代理店>>>個人でしょうし、規制が入ったことで少し健康的な状態になったと言えるのではないでしょうか。

ただ個人的には、確たるビジネスモデルやお金の流れが存在していることはもはや明らかだとしても決して職業として目指すべきものではないと考えています。
理由は内情が不透明すぎるし、正直合法的なやり方には見えない(脱法寄り)だから。

こちらも先ほどの「演者=人間チラシ」と同様にWebマーケティングが可能であることから、今後も手を変え品を変え新たなアカウントが登場するかと思います。
なり手募集の窓口も広いかとは思うのですが、正直「パチスロ関連の仕事で金を稼ぐ!」の中では最後の手段だと思います。

いま知人から「こんな仕事があってさ~」と誘われている人については、「法の隙間の闇の中に足を踏み入れる行為」であることは覚えておいていただきたいところです。

あ、ちなみにDMMさん?がステルスマーケティングに手を染めているとは一切言っていないですね。自分は本当に、どこの企業がどんな事業をやっているのかも一切分からないので。

「さらしや太郎」の投稿wwwwww

ただもう一回言うんですけど『ウルトラアッチッチ』というフレーズが業界が作ったガイドラインの禁止事例として挙げられているのは笑いました。あれ一体どこの企業が運営してんだろうねえ。

④遊技機開発(メーカー)

ところでサミーの「開発ボイス」は革命的なオウンドメディア。

思いついた順序で章分けしたのでここまで触れてきませんでしたが、遊技機開発は"パチスロで金を稼ぐ手段"の中でも真っ当なやり方であるように思います。

とはいえ、メーカーだって普通の会社です。
メーカー間の競争は激化する一方ですし、商品開発(機種)には好不調の波があります。そもそもパチンコ・パチスロは人間をいかに型にハメるか、失礼、魅了させるかを追究する科学技術のもとに成り立っているのですから、当然プログラミングやデザインのような工学的な知識も必要となるでしょう。

部署内での人間関係に圧迫される日々や、厳しい納期に追われて疲弊することも少なくはないはず。いまやどのメーカーに在籍することになったとて、決して楽ではない展望が待ち構えていることは想像に難くありません。

■開発がキツいと思わない人だけが適応できるのではないか

先日、2005年頃に撮影されたパチンコの開発現場を追いかけた特集VTRがYouTubeにアップロードされているのを観ました。
京楽産業の「初代ウルトラセブン」の企画開発フローを追いかけたもので、正直映像を観ていると胃がキューっと絞られるような感覚に陥ります。

いまから20年前の映像ですから、現場の労働環境は大きく変わっているものかとは思いますが、企画開発の流れ自体は不変かとも思います。企画職や開発職を志望している人は一度目を通してみると良いかもしれません。

↑ちなみにマルハン市原店の店長(当時)だった内藤裕人さんは、この撮影の約10年後には現在営業本部の遊技機戦略部次長というポジションに就いたようです。ホール店長の出世コースなんかもそれはそれで興味があるな…。

TLにはパチンコの実機開発に携わっている人がいますし、遊技機系のフォントの作り方を教えてくれるYouTuberも何名か知っていますが、その全員が少なくとも自分の目から見て高い技術の持ち主なので「やっぱ現役の社員ってすげえな…」という感想です。

ホールで台に向かい合うとき、自分はほぼすべての大当たり演出に感心しながら打っているわけですけど、やっぱりああいうのを作る人たちって並大抵の積み立てでやってないよね。すげえよ、みんな。本当にすげえよ…。

↑遊技機の映像作りを教えてくれるぶちゃ(@buchanori)さん。俺もこんなギラギラした文字と画面が作れるようになりたい…。

まとめ:誰からお金を貰えば納得できる?

ここまで「ライター」「演者」「情報商材系」「遊技機開発」と、パチンコ・パチスロに関わる4つの職業を検討してきました。

■自分の答え「ホールからお金が出る以上は無理」

こういうのを自分のアカウントでやりたくないわけよ。

職業の是非について自分が導き出した結論から述べると、「誰からお金が出てくるの???」を突き詰めた結果「基本はホールからだな」という答えに落ち着いたため、自分はすべての道を諦めました。

ちょっと前まで可能性があったのは、ライターでしょうか…? いや、素養があったかと言われると言葉に詰まりますが。

ただ、仮に何かしらの技術でお金を貰えるような状況ができたとして、広告主としてのホールからお金をもらうのは自分はイヤだなと感じました。別に需要が発生していない状態でこれを言うのもなんですけど、少なくとも自分はすごくイヤ。

特に「仕事を始めたばかりのときは自分が苦手なグループからもお金を貰うことも十分起きうる」というのが圧倒的にイヤだなと思いました。だって爺とか庭からもお金が出てくるんでしょ。嫌すぎるだろ。自分はそこが割り切れませんでした。精神衛生的に無理。

情報商材なんか始めたら、どんな顔して常連と会えばいいんだよ。

遊技機開発については、実は職探しをしていた時期に検討したことがあったのですが技術的な下地がほぼないため諦めました。自分は商業デザインの実務経験もないし、プログラミングはExcelのマクロやPower Queryが限界って感じです。組み込みエンジニアとかはもう間違いなく無理。エフェクト制作もハードルが高いと感じました。

情報商材系は当然ですが無理です。一応、アンチステマ勢ですし…。
自分の場合は「倫理的に無理」が先立ちますが、性格的に嘘付くのが苦手、というのも一応あります。文面だと取り繕えることはあっても基本的に顔にすべて出るので。
自分は麻雀をやらないのですが、その理由は「当たり牌が顔に出るから」です。似たような理由で人狼も嫌いです。たぶんですけど「きみ、代理店から金貰ってるでしょ」って現地で聞かれたら素直に「はい」って答えると思います。もうステマが成立せんのよ。

■パチンコもスロットも、結局は「堕落した遊技」ではないか

あとは上記の職種すべてに言えることですが、その営みが「パチンコ・スロット業界の遊技人口を増やす」ことに繋がるのもなんだかなと思うわけです。

個人としてはなんかもうのめりにのめり込みまくってますけど、いちおう別の理念を持って生きているからね。スロットにのめり込む人間、別に増やしたかあないですよ。まあ、みんなで並び打ちするのすごく楽しいけど…。

YouTube『【※提言※】パチプロ生活者へ ~ パチプロは辛く虚しい・・・《しのけん編》』より。東大を中退してパチプロになった田山幸憲氏がよく口にしていた言葉らしい。

娯楽としてのパチンコが社会的な意義を持たないとは決して言いませんが、それでもパチンコやスロットは脱-社会的な行為だと思います。

ロジェ・カイヨワを引くなら、結局はどこまで行っても「堕落した遊技」でしかなくて、本来的な遊びからはかけ離れた、人間社会や文化の発展に寄与しない程度のレクリエーションであるように思えてなりません。

まあ、だからこそパチンコ・スロットは楽しいんでしょうけどね。
朝の9時にコンビニでカツサンドとコーヒーを買って、白い息を吐きながら見慣れた顔が全部そろっていることを嬉しく思う。並んでいる人数よりも大きな数の番号を引いて抽選機とスタッフに悪態を付く。店内に入るのを待つあいだ、これから働きに出かけるであろう土木工事のおっちゃんに運転席の窓から「カスだな!」と罵声を浴びせられて、友人とケラケラ笑う。
そしてなんと言っても、レバーを叩いている間はパチンコ屋は僕たちを追い出さない(出禁になる奴もいるけど)。

こうした一連の営み、愛おしいとは思いませんか。思わない? あっそう。

↑上のパラグラフが好きな方、是非こちらも読んでください。

ただ「どんなに社会から痛めつけられて放逐されても、それでも俺は社会と一緒にいたいよ。むしろハグルマになりたいよ」というのが私の願いですので、自身は他の分野で生き抜く道を模索したいと思います。

今日もいったん寝て起きたら、気合いを入れてExcelを叩く所存です。
ああ、咲かすか枯らすか今、燃えるように陽が沈む、歯車が回る…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?