1000日後に受験するということ

私の通っていた高校はいわゆる「自称進学校」と呼ばれる学校の1つであった。

入学してすぐの学年集会で言われた一言。
「君たちは晴れてこの高校に入学し、受験までおよそ1000日を数えることになります。君たちは1000日後、大学入試を受けるのです。」

中学を卒業し、まだ受験の何たるかも知らない私たちに向けられた先生からの一言は、受験からおよそ10年が過ぎた今の私にいまだ心に残っている。

受験勉強を、早く始めるに越したことはない。
越したことはないが、遅く始めても特段問題もないと思う。
目的もないまま取り組むことができる人間なんて、稀なのだ。言われるからやる。やりたくないから、やらない。その繰り返しで1000日はあっという間に過ぎていく。

遅く始めても問題ない、というのは大学に合格することを目的とした場合に適する回答である。受かりたい大学が決まっているのであれば、自分の学力と合格ラインとのギャップについては把握する必要があるし、そのギャップを埋めるためにはどれだけの時間がかかるかは逆算する必要がある。(もちろん思ったように学力があがるとも限らないことは要注意)

1000日という単位をこんなにも意識して過ごすことがこの先の人生であるかは分からない。それでも、1000日でこれだけの学習ができるのだという経験の1つになったことは間違いない。

とは言え、その後4年を過ごす大学で受験勉強ほどの勉学に励むことはできなかったが…。

受験を迎えるまでの1000日を3つに区切るのが、学年というシステム。
1年生、2年生、そして3年生と学年により勉強の取り組み時間に差が出ることは初めから分かっていたので、2年生ではできる限りに高校生のうちにしたいことを詰め込む時間とした。

・友達と東京にでかける
・好きなアーティストのコンサートに行く
・カウントダウンライブに行く
・家族旅行に行く

今思えば大人になってから、いくらでもできることではあったがあの頃は、高校生の時に行うことに意義を見出していたように思う。
そして、学校という環境から解放される時間を望んでいたのだと思う。

3年生になってから、どれだけの時間を受験勉強に費やせたのか、正確には思い出すことができない。ただ、あの勉強量をもう一度することだけは嫌だと思うほどには勉強したのだと思う。

これから受験にのぞむという子がもしこのノートにたどり着いているのであれば、受験までの時間がどんな時間なのかを考えてみるもの面白いと思う。

しがない社会人が学生時代の方へ言えることは、学生時代にしたいと思ったことは勉強をさぼってでもしたほうがいい。ただ、バランスは必要になる。受かるということを目的にするのであれば、受かるだけを勉強すればいい。それ以外の時間は、部活でも恋愛でもしたいことに費やすことをおすすめしたい。

なんで大学に行くのか分からない、なんで勉強してるのか分からない。
そんなの大学に受かっても分からなかったけど、卒業して、社会人になって初めて大学で得られたものを少しだけ理解できるようになったし、高校の時の勉強で培った集中力は仕事をするうえでも役に立っている。

世迷い事でした。

#受験 #日記#思い出

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