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WBCマイアミ観戦記 2023/03/20 日本vsメキシコ

日本との時差はほぼ昼夜逆転で業務メールが寝る間に飛んでくるところが少ししんどい。とはいえ久々のベッド就寝にて体調回復したのでマイアミ市内に観光に行ってみました。市内中心部Goverment Center周辺はいかにも文教地区という感じで高層ビルの立ち並ぶ都会。この日は月曜朝なのでど平日のはずですが街にそんなに人はいなかった。みんなオフィスの中にいたのかな…?


マイアミなので海沿いの観覧車とかショッピング施設を訪れてみました。こちらも月曜朝なので日本人が少しいるばかり。店の人に"BASEBALL?"と聞かれて無視したのは申し訳ないと思ってます。2-3時間で観光終わったのでホテルに一時帰投、翌朝の飛行機のチェックインと深夜の食糧確保が目的でした。今回マイアミで予約したホテルは空港近くどころか空港施設内のMiami Airport Hotel。内装は日本のビジネスホテルと同等、MIA Moverとのアクセスも良く拠点としては申し分なかったです。マイアミに来る際の常宿としたい、次あるのかどうかはさて置いて。


開場前のローンデポパーク周りは前日とは一転、日本人だらけ。侍ジャパンユニの他にもNPBユニで来ていた人達も少なからず。そして彼らを目当てにした日本マスコミも盛況。アメリカ在住ならまだしも日本から来るとなると相当な気合が必要なわけでそんな日本人が球場埋めるくらいにいることに驚きました。荷物検査が前日より厳し目だったのは前夜のグランド乱入騒動のためか?タオルを開いて見せるように指示されたのが印象的です。グッズショップには大量の大谷/ダルビッシュ/鈴木誠也Tシャツが売られておりこれらは国内未販売なので土産に購入した人も多そうです。


入場するとちょうど大谷の打撃練習、ライト上段にポンポン放り込む大谷と打球を待ち構えるライトの客たち、グランド内には見たことないくらいの報道陣や関係者が控えていました。座席は内野のベンチ上、日本であればとても金出せないくらいの良い席。実はWBCチケット発売直後に完売となったことに焦りリセールサイトで購入した座席。$3ケタが表示されてた気がするが怖いので日本円換算はしていません。よって"なんかめっちゃ高い席"です。

そしてこの日は前夜控えていた(※アメリカキューバの客層にびびっていた)スタジアムでのホットドッグを初体験!とにかくデカい、齧り付くことを想定していない、それが良い。日本の球場の惣菜パンの延長みたいなホットドッグとは一味も二味も違いました、その分高いけど。メジャーの球場はケチャップ・マヨネーズ・マスタードエリアがさも当然の如く存在していました。


松坂大輔氏の始球式でいよいよ始まるWBC2023米国での初戦、先発を任されたのは佐々木朗希。振り返れば2月の石垣キャンプからWBC球での練習を重ねてきた彼にとっても集大成としての登板です。メキシコ1番のアロザレーナへいきなり100mph、MLBのスタジアムのマウンドで佐々木朗希のフォームや圧倒的な直球が見れることに興奮が収まりません。別に彼の古参オタクを名乗る気もないが(それが許されるのは大船渡時代から追っかけてる人ぐらい)ロッテ入団以降何度か近くで見てきた選手がMLBスタジアムのマウンドに立ち世界的な選手を前にいつものフォームで投げ込む姿には相当な昂りを覚えました。 MLB実績者が名を連ねるメキシコ相手に1回を難なく抑え実力を示します。



試合開始時には半分くらいの入りも徐々に増えてきたのは平日だからか、そして1塁側を中心にメキシコサポが声を上げ続けます。日本もレフトスタンド立ち見席に応援団とトランペットを揃えたものの多勢に無勢、個人個人が好きに騒ぐラテンアメリカの雰囲気に打ち勝つことは難しくメキシコ好機には一層歓声が高まります。

4回、ここまで好投続けた佐々木朗希も打順一巡で速球にアジャストされたか連打を許します。ウリアスの打球は左翼席一直線、先制3ランを被弾。彼の直球は球筋も綺麗であるが故タイミングさえ合えば痛打の可能性もありそれがここで出てしまいました。ローンデポパークはメキシコサポの熱狂の坩堝と化します。5回からはNPB最高投手・山本由伸へスイッチし、これ以上の失点を食い止め好機を待ちます。しかし日本の好機を次々に摘み取ったのがレフトに立つアロザレーナ、2020WSでも圧倒的な活躍を見せた彼はWBCでも一層活躍が見られMVP候補の1人。岡本のホームラン性の打球をジャンプの最高点でフェンス越えさせず掴み、ドヤ顔。その後も好機でアロザレーナに飛ぶを繰り返しヒートアップするメキシカン、場内の空気感も終盤まで劣勢一方でした。


日本は佐々木朗希→山本由伸のリレーで失点を3点に留めながら7回1・2塁。4番・吉田正尚の打球は一瞬凡フライかと錯覚するくらい高く上がりそのまま放物線はポール際のインフィールドに落下する同点ホームラン!動画撮っていたことも忘れ周囲の日本人とハイタッチの嵐。ハードに当たりすぎて右手首ちょっと怪我したけど気になるはずもない、タイゲームです。

しかし次の8回表にはバードゥーゴのタイムリーでメキシコ勝ち越し、更に連打続き頼みの綱の山本由伸すらも降板、湯浅にスイッチ。パレデスにもタイムリー浴びるも6点目はレフト・吉田正尚からの返球良く阻止します。8回裏には代打・山川の犠牲フライで1点返すもタイには届かず。このあたりあまりのシーソーゲームっぷりに自身の熱量計が振り切れたのか頭がぼーっとしており記憶が薄かったりします。9回表の大勢はシーズン同様の大城とのコンビ、少し浮き足立つ様子も見られながら1イニングを抑え最終イニングを迎えます。源田の背走キャッチも平然と見てしまったがあのプレーとんでもないですね。

9回裏、ノーアウトから先頭の大谷が2ベースで出るとヘルメット飛ばし駆け抜け2塁上で咆哮。続く吉田正尚は四球で出塁し代走に周東が入ります。ここで5番・村上。この日も日本ラウンドでの不調は解消されないままであったものの、もしあるならばここしかない場面。先週東京ドームにて、長蛇の列に並び入るも大半売り切れる中で棚に残っていた村上宗隆のタオル、そんなことがもしあれば物語としては出来すぎだなと思いながら購入してマイアミ行きのトランクにも持ってきていたタオルを左打席に向けて掲げました。そのシーンを肉眼で焼き付けようと動画は残していません。3球目、村上がジャストミートした打球はセンター方向へ大きく伸び、外野手を超えていくことを確信。内野方面を見ると大谷のすぐ後ろに周東が迫り3塁ベースを次々蹴り、眼下にはベンチを飛び出し腕を回す日本ナイン、勝った。周東のホームインと共に準々決勝は逆転サヨナラで日本が制しました。野球版「マイアミの奇跡」成る。ご存知の通りローンデポパークは1996年五輪での日本vsブラジルが行われたマイアミオレンジボウルのその地に建つという奇遇もありました。


スタンドはもはや興奮の坩堝、自らも飛び跳ね足元にモバイルバッテリーがあることを忘れていました(踏み潰しました)。日本人ともアメリカ人ともハイタッチしたし後方の日本人は号泣していたし、何人かの記念写真に収まったし(すみません)場外でも讃えあう日本・メキシコの人々。人生最高の試合と呼ぶに相応しい試合でした。これを超える試合をすぐに見たいとも思わない、決勝を見ずして帰国したのは僅か1日でこの最高の記憶を上書かれたくないみたいな気持ちもあったからです、実際決勝はもっと劇的になりましたね。



このままこの興奮のローンデポパークに長く居続けたかったものの時間は既に23:00過ぎ、今度こそは詐欺タクされるわけには行かないのでMetroRailのCivicCenter駅へ。ローンデポから少し離れると試合終了直後なのにやはり人少なくなんだかマイアミの普通の月曜の夜。列車は20分来ないしなぜか列車に住んでるおっさんいたしなんなんだ。このまま空港併設のホテルに戻り、翌朝早朝のシカゴ行きを乗り逃さないための絶対に眠れない戦いを続けるのでした。

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