ないないづくし、でも大丈夫!広報のはじめ方~第3回広報LTレポート

軌道に乗り始めた企業が、次の一歩としてはじめる「広報」。ベンチャー企業の広報担当者が、広報の立ち上げから任されることは少なくありません。

今回の広報LT大会では、経験なし、メディアリレーションなし、社内の理解なし、予算なし…そんな「ないないづくし」状態の広報さんを助ける「初代広報のイロハ」を、5名の広報さんに伝授いただきました。

http://prlt.connpass.com/event/40012/

会場は最近ミライナタワーに移転されたジオコードさん。ステキなオフィス、お貸しいただきありがとうございます!

※LT(ライトニングトーク):
5分間程度の短い時間で行われる発表を連続して続けていく形式のプレゼンテーションのこと。「Lightning Talk(s)」の頭文字を取って「LT」と略される。

◆株式会社OKPR  漆畑慶将さん:もし突然、広報担当者に任命されたら ~広報独学のすすめ~

トップバッターは、マスコミ業界をご経験された後、ITベンチャー企業広報にキャリアチェンジされた漆畑さん。広報の最初の一歩は「調べる」に尽きる、というお話をいただきました。

・自社の売上や組織編成を調べ、広報に何が求められているのか認識すること
・他社の広報活動やプレスリリースを調べ、メディアに掲載されやすい内容を分析すること

この2つを平行することで、徐々に企画を生み出せるようになっていくといいます。そして、調べるのと同じくらい大切なのが「アウトプット」。漆畑さんは調べた内容への理解を深めるために、日記やブログを書いてまとめていたそうです。学びを文章に起こすことは、広報に求められる「ストーリーづくり」の訓練にもつながりそうですね。

※資料非公開


◆ギークス株式会社 萩原愛梨さん:はじめてのサービス広報が部内で応援してもらうためにやった3つのこと

広報活動の成功には、社内のメンバーとの協力体制が不可欠。ギークスの萩原さんからは、社内から応援してもらう広報になるヒントを教えていただきました。

萩原さんはサービス広報に配属後、まず自社にどんな広報活動が必要なのかを知るために、全部署に趣課題をヒアリング。こうして各部の課題解決につながる広報企画を立てられ、社内の信頼が集まるようになりました。時には、広報の課題を現場メンバーに「ぶっちゃける」ことでチームワークを築く、なんて場面もあったそう。

さらに、事業部の「業務マニュアル作成」も手がけたという萩原さん。一見広報と関係のない業務に感じられますが、これにより「事業への理解」と「文章力」の2つを身につけられたとのこと。勿論、事業部のメンバーも助かった!と大喜び。これは真似したい取り組みですね。

※資料:http://www.slideshare.net/HagiharaAiri/prlt3


◆株式会社ジオコード 加藤さん:広報九重苦でも大丈夫。メディア露出しやすい企画とは?

「なんでもいいから、とにかく有名にして(予算ないけど)」突然やってきた社長からの驚きのオーダー。こちらに見事応えた加藤さんの取組みも、ご紹介いただきました。

予算がないならメディア露出しかない、そしてとにかく有名になるなら、テレビ露出を狙うしかない!加藤さんは、ニュースバリュー(季節ネタ、政策)と自分たちの会社の強みのひとつである「社内制度」をかけ合わせた「W杯にはサッカー休暇」という広報企画で、数々のテレビ取材を獲得しました。

かけ合わせのコツは「連想ゲーム」。事業から連想されるキーワードをどんどん広げていき、トレンドをかけ合わせて広報企画のアイディアを考えるという手法です。チームでやったらとっても楽しそう!

※資料非公開


◆株式会社レバレジーズ 吉田さん:広報210名からMVPに選ばれた私が新卒1年目の立ち上げ時に毎日やったこと~プレスリリース10本ノック編~

新卒で入社した会社にて、経験のないまま広報の立ち上げを任された本イベント主催者のレバレジーズの吉田。トレーニングの1つとして、あらゆるプレスリリースを1日10本分析する「プレスリリース10本ノック」を自らに課しました。そのやり方と、結果見えてきた「記者に喜ばれるリリース」の極意を紹介しました。

「どんなタイトル?」「どんな画像?」「数字の使い方は…?」入社してから半年、吉田は業種や規模を決めず、あらゆる様々な切り口からプレスリリースを読み込みました。その分析の結果見えてきた、タイトルの作り方や「YTT」という手法を活かし、現在は大手経済紙からプレスリリースきっかけで取材の依頼をいただく、などなど多数の実績を積み上げるほどに。これはお金をかけずに勉強できる手っ取り早い方法ですね!

※資料:
https://speakerdeck.com/harukayoshida/guang-bao-210ming-karamvpnixuan-baretasi-gaxin-zu-1nian-mu-falseli-tishang-geshi-nimei-ri-yatutakoto-puresuririsu10ben-falsetukubian


◆人材会社広報 松尾さん 「記者はいうなれば、片思いの相手」

最後は、「メディアに刺さる話し方」をテーマに元テレビディレクターで現在人材会社の広報を務める松尾さんにお話いただきました。

ご縁を作ってやっと出会えた記者さん、そのアポを成功させるためにやってはいけないは、なんと「商品説明」。
「記者は片思いの相手だと思え」と松尾さん。恋の第一歩といえば「好きな人が大事にしているものを好きになること」。そして、記者が最も大切にしているのは、自身のジャーナリズム精神です。
意中の相手と話すときのように、その点にきちんと意識を置き、まず記者が追っている社会課題への共感を伝えること。それが、ステキな第一印象につながるとアドバイスいただきました。これは広報だけではなく、あらゆる職種、人生シーンで使えるスキルではないでしょうか。

※資料非公開

◆QAタイム

最後に、聴講者が登壇者に自由に質問ができるパネルディスカッションコーナーを設けました。

「媒体へのテレアポのコツは?」、「ストーリーストーリーって連呼されるけどストーリーって何なの?」など、問いに対し、それぞれの経験から回答いただきました。
参加者の質問を聞いていると、業界や規模は違えど、みな似たようなことで悩んでいるのだと気付かされます。闘っているのはひとりじゃない、と勇気をもらえるQ&A大会でした!


◆「第3回広報LT大会」を終えて~編集後記~

今回は「広報歴の浅い方に役立つ」をテーマに登壇者の方にLTをご用意いただきましたが、経験の長さに関係なく響く、いつも留めておきたい信条ばかりでした。
今回のLTから広報として歩み始めた方が、LT登壇者として知見をシェアしてくださる日がすぐに訪れることを祈って!
ご登壇、ご参加いただいたみなさま、誠にありがとうございました。

広報LT大会に関する情報は下記connpassからお知らせしますので、是非チェックしてみてくださいね。
http://prlt.connpass.com/

それではでは、今回は運営のサイボウズ大滝がお届けいたしました~

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