見出し画像

16歳の愛犬がリンパ腫になりました③~マットレスを購入した話~

愛犬の名前は「れお」。そのダンディな佇まいから愛称は「れお氏」。茶色と黒色の混じった胡麻柴でした。
生後数か月で後ろ足3箇所を骨折した状態で公園に捨てられていた元保護犬。同居人が管理センターのHPを見て一目惚れし、我が家にやって来た犬です。

これは、れお氏がリンパ腫と診断されて亡くなるまでの僅か1ヶ月間の介護記録です。

介護福祉士の資格を持つ介護のプロである私が、経験をフルに生かして介護にあたりました。少しでも、リンパ腫を発症した愛犬を持つ方の手助けになれば良いと思っています。

診断後、最初にやった事

「この先、少しずつ弱っていくと思います」

獣医さんの言葉を聞きながら、私は考えていました。

(そっか、だんだん寝たきりになっていくんだ…)

病状悪化に伴い、怠さや痛みの為に寝る時間が長くなるのは当然の事です。

そもそも、病気じゃなくても老犬は良く寝ます。れお氏も1日18時間くらいは寝てたかな?特に前庭疾患発症後は、起きていても横になっている時間が多くなりました。

寝る時間が長くなると何が怖いって、「褥瘡」です。介護士の私は褥瘡の恐怖を嫌と言うほど知っています。これまで以上に「褥瘡予防」しなきゃ!!と思ったワケです。

これまでは普通のペット用ベッドに子供用のお昼寝マットのようなモノを敷いていましたが、体圧が集中していてちょっと気にはなっていたのです。

(寝たきりになっても心地良く眠れるマットレスを買おう!)

そう思った私と同居人は、すぐにマットレス探しを始めました。

褥瘡とは?昔は床ずれって言ったよね

「褥瘡」という単語もすっかり一般的になりましたが、昔は「床ずれ」って言われてましたよね。専門用語で統一しようと思ったのかね?誰がこんな漢字書けるねん…。

寝たきりになると自力で寝返りをうったり、体勢を変えたり出来なくなるので、圧迫されている部分の血流が滞ってしまいます。これを放っておくと、細胞が炎症を起こして皮膚がただれたり、最悪の場合は細胞の壊死が起こってしまいます。

健康な人は同じ姿勢を長時間続けても合間で伸びをしたり、体勢をちょっと変えてみたりと自分で楽な姿勢に変えられます。でも、寝たきりや病気の人は自力でそれが出来ないので、人の手が必要なんですね。

介護施設では介護士が「体位交換」というものをします。数時間毎に体の向きを変えたりクッションなどで工夫して、同じ場所が圧迫されないように除圧するんです。

以前は2時間ごとの体交が主流だったようですが、今はマットレスの進化もあり睡眠優先という事で夜中は3時間ごとがほとんどかな。

褥瘡のやっかいな点は「一度出来たらなかなか治らない」「何度も繰り返す」です。

これ、ホントやっかいですわ。

何故治らないかと言うと、そもそも褥瘡が出来る人って十分な栄養を摂れてない事が多いので、傷の治りが遅いんです。それに、年を取ると細胞の再生速度が遅いですよね。ほら、若い子は傷が出来ても放っておけば治るけど、年取るといつまでも傷口がグジグジしてたりするでしょう。あれです。

それと、褥瘡の出来やすい場所って変わらないので、いつも同じところが圧迫されちゃう。一度治っても、皮膚が薄くなってたりして再発し易いんですよね。

だから、褥瘡は「絶対に作らないように予防する」

これが重要なんです。

動物にも褥瘡が出来る?

イエス。大いにイエスです。

よくシニア犬の毛が一部分だけ薄くなってきたりしますよね?あれのひどいバージョンと考えて下さい。毛が薄い部分は、褥瘡になりやすいので要注意ですよ。

最近はペットも高齢化してきて、褥瘡の出来るペットが増えてきているようです。

全身が毛に覆われているペットの褥瘡処置は大変です。はやり「褥瘡を作らない」のが一番ですが、出来てしまった場合も出来るだけ早期に処置するのが悪化を防ぐポイントなのです。

ペットの褥瘡を防ぐために

褥瘡予防に有効なのは「体位交換」だと思います。数時間おきに体をひっくり返して向きを変えるヤツです。

れお氏も前庭疾患発症前後から、3時間ごとに体交をしていました。

決して寝たきりではなかったのですが、一度寝入ると朝まで何時間も同じ体勢で微動だにしない事が増えていたんです。そうすると、朝起きてからのダメージが大きくて…。しばらく筋肉と関節が固まって、上手く歩けないんですよね。それに、足の踵部分の毛も薄くなり始めていました。

こういった事があり、数か月前から私が体交をするように…。目覚ましをセットして、夜中に起きるのはなかなかしんどかったのですが、れお様の為ですから…。それに、シニアになってからは夜中にトイレに起きる事も多かったので、人間の睡眠不足は仕方なしです。

ー犬の体交を始めて私が思った事-

動物の体交って難しいです。バリエーションが2パターンしかないんだもの。右向きか左向きの2択のみ。

「人間も同じじゃん」って思うかもしれないけど、人の場合は右向きでも「ガッツリ右向き」とか「クッションによしかかった浅い右向き」とか出来るんです。

状態によっては右のみしか向けないとかあるだろうし…。いやー、そうなったら体交だけでの褥瘡予防はかなり厳しいですね。

マットレスを考える

マットレスは随分と進化しています。これで寝ていれば褥瘡にならないと言うワケではありませんが、体圧が分散されるように作られたマットレスを使用する事で、かなりの効果が期待できます。

ペットの世界でも、褥瘡予防マットレスというのが販売されています。ペットも高齢化して、ホントにいろんな介護グッズが充実しているんですよね。

で、褥瘡予防マットレスですが色んな種類があって迷いますよね。値段もピンキリで何が違うのやら…?

低反発は体を包み込んで寝心地が良さそうだけど、蒸れそうだし自力で動くのが難しそう。高反発はある程度の固さがあるので、れお氏みたいにまだ自力で起き上がりが出来る犬には良さげ。

色々と調べた結果、我が家が選んだのはユニ・チャームから出ているペットproというマットレスでした。

画像1


介護用品と言えばユニ・チャームでしょ!って言うくらい有名ですが、ペット用品も色々と開発しています。

このマットはブレスエアーという耐久性に優れたクッション材を使用しています。フィット層とサポート層の2層構造で通気性もよく、体圧分散にも優れているそうです。汚れてもシャワーでジャーっと洗えるしなかなか良さげ。

うん、これが良さそう。という訳で早速購入を決めました。

ちなみに、このマットは動物病院専売品と言うことで動物病院経由で注文してもらうか、サイトで購入後にかかりつけ医へ確認の電話が入るかするようです。

そしてお値段は中~大型犬用で税込2,5000円位です。チーン。同居人がカード払いでw

高いですけど、褥瘡リスクを少しでも回避出来るのなら仕方ない出費だと思います。

ウチの王様には、最期まで出来るだけ快適に過ごしてもらいたいものね。

ユニ・チャームペットpro実際の使用感

ありがたい事に注文から3,4日で到着しました。

最初の感想は…「軽っ!そして薄っ!」

特殊素材のため、滅茶苦茶軽いです。何というか、細いプラスチックの糸が複雑に絡み合ったような形状です。絡み合ったと言っても、モチャモチャした感じではなくスカスカな感じなので通気性はとても良さそう。付属のカバーもメッシュです。

それと、思ったていたより厚みが無かったです。「上に乗った時に底付きしないかなー」と乗ってみたところ…。50キロ近い人間が乗っても床を感じないよ。スゴイ!!逆に高さがないので、万が一マットから落ちても安心です。

実際にれお氏を寝かせてみました。

めちゃくちゃ熟睡。

この頃には数時間で目を覚ます事が多かったのですが、ぐっすりと8時間位寝ていました。

まじかーー、もっと早く買ってあげれば良かったん。やっぱりマットレスって大事です。

体が変に沈み込むこともなく、丁度いい感じなので体交もし易いです。

このマットレス、寝たきりじゃなくても睡眠時間の長いシニアや、体が不自由でいつも同じ体位でしか眠れない子にもおススメします。

と言うワケで、来たる近い将来の寝たきり生活に備えてマットレスを買い替えた私達でした。

次回は、病気になってからの歩行状況などを書く予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?