ドルオタがアイナナを経て斉藤壮馬さんに救われたおはなし

4月22日にポカリを飲んだのは初めてかもしれない。
ポカリを飲む行為に特別な意味をつくったのは、少なくとも初めてだ。

これは、ただのアイドルオタクが、斉藤壮馬さんをきっかけに世界が広がったノンフィクションだ。
幾原監督作品くらいしかアニメを見なくなっていた私が、彼にある種「救われた」そして「救われていく」おはなし。

1.若手男性声優の斉藤壮馬さん

斉藤壮馬さんのお名前はみたことがあった。
KING OF PRISM by PrettyRhythm」通称キンプリも友人の勧めでみにいったし、「デート」はシティポップ好きな私のお気に入り。

作詞作曲が声優本人だと知ったときは面白いと感じたが、それだけだった。

退勤してどこでも工事している渋谷駅へ向かう。
フレンズ「夜にダンス」、次に斉藤壮馬「デート」が流れるプレイリスト。
私の日常。一年前の日常。

2.九条天を演じる斉藤壮馬さん

九条天とは、アプリゲーム「アイドリッシュセブン」(以下アイナナ)に登場するアイドルの一人である。
TRIGGERのセンターを務め、「現代の天使」と呼ばれている。

昨年末、Twitterでファンのアツいツイートを拝見しアイナナをはじめた。
当時の認識は「二次元男性アイドルものリズムゲーム」と八乙女楽というキャラクターの字面、2点だけ。

日光浴をしながらアプリを起動する。いつも通り、チュートリアルやって、ガチャ引いて、終わりかなーとのんきに思っていた。

気が付くと部屋は真っ暗で、スマホだけが眩しかった。目に悪い。
もう「二次元男性アイドルものリズムゲーム」なんてよくわからないバイアスはなくなっていた。
ストーリーはもちろん、読み進めていくとキャラクターの魅力にどんどんのめり込んだ。大好きなアイドル達とおんなじ体温を感じた。

その中でも、とくに九条天に惹かれた。

私は小さい頃からアイドルが大好きだ。
親のガラケーにはあやややミニモニを踊る私が残っているだろうし、スマホには自担のうちわと写るプリ画が存在している。
アイドルとともに生きていた自分が、彼の誠実な姿勢や完璧なパフォーマンス(無論それだけではないが)に心惹かれたのは必然だろう。

誰が声をあててるんだっけ。
にわかには信じがたいが、IDOLiSH7もTRIGGERも実在していないらしい。
ルックスにぴったりな甘い声、誠実さを感じるぴりっとした音、本質を覗かせる柔らかい表現。
実在していない完璧な九条天を、より完璧に仕上げている声優がいる。

どきどきしながら検索すると、Googleはサイトを開かずとも教えてくれた。
>CV.斉藤壮馬
何度目ましてかはわからないけれど、斉藤壮馬さんをしっかり認識した瞬間だった。

3.これから知っていく斉藤壮馬さん

正直なところ、九条天(CV.斉藤壮馬)から斉藤壮馬さんへと関心が広がった経緯は覚えていない。
いつのまにか彼のエッセイがAmazonから届いたし、有識者の友人に勧められ初めてBLCDを経験した。
ここ数年私の中でベールに包まれていた「ヒプマイ」もキャラクターの認識はできるようになっていた。

一人に興味を持つと、自分の世界がぶわっと広がる。
この人は何に影響を受けているんだろう、
この本を読んだことがあるんだ、私も読んでみようかな。
中島らもさんの小説が本棚にある世界を、半年前は生きていなかった。

今はすごい時代だ。
YouTubeは高い精度でおすすめの動画をずっと勧めてくれる。
ぼうっとタイムラインを眺めていてもある程度の情報は手に入る。
だからこそ、人の心を動かして、行動させることはもーっとすごいことだ、と思う。

生半可に知ってしまったわたしは、これまでの彼もこれからの彼もずっと知りつづけていくしかないのだ。
素のままでそうしたいのだ。わたしもね。

こちらのnoteを少し前に拝見した。
気持ちがよくわかる。私も声優の推し方がわからない。

元ジャニオタの血が騒いで、
エッセイやブログで挙げていた小説や映画をとりあえずスプレッドシートにぶちこんでいるが、たぶん違う。
でも、斉藤壮馬さんをきっかけに広がった私の世界はきっと楽しい。わくわくしている。

斉藤壮馬さん、お誕生日おめでとうございます!

おまけ.短歌

「あかるい」と「ポカリ」の間は空けたほうが良かったな。
斉藤壮馬さんの文章や歌詞に感じるリズムを意識しました。何卒、お手柔らかに。
これからも健やかに、素敵であかるい出会いがありますように。よく眠れますように。