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ゴヌ君がデビューする

区切り。』(2020年10月28日投稿)

↑ 上の記事内のG君ことゴヌ君が6月30日にデビューする。
新人ボーイズグループ発掘のオーディション番組で脱落して以来、約9か月ぶりの快挙だ。
グループ名は、JUST B。6人からなるボーイズグループだ。

デビュー発表からの経緯はまた別記事で詳しく書こうと思うけれど、その発表があったのが5月末で、私を含めゴヌ君のファン達はそれ以来、毎日のように更新される情報に翻弄され、一喜一憂しながら寝不足の日々を過ごしている。

なぜ寝不足かというと、KPOPグループの発表はだいたい真夜中が多いからだ。
たとえば、この6人のメンバー発表。5月24日の真夜中を皮切りに毎日一人ずつ発表されたのだが、そんな時間にそんなワクワクする情報を提供されると当然しばらく眠れない(笑)。そんな日々がとりあえず6日間続くわけだ。私たちは、仕事に家庭に学業にと日々の義務を粛々とこなしながら睡眠時間を削ることになる。(韓国とは13-14時間遅れの時差のある米国東部だとさらに寝不足になったり、真昼間の発表でその後の仕事や家事が手につかない笑)

ゴヌ君が、その才能と実力を正当に評価してくれる事務所から、同じような実力派のメンバー達とデビューして欲しいという願いが、いとも簡単にかなってしまった。あまりにあっさりと実現してしまって、拍子抜けするほどだ。9カ月前、成長の度合いが見られないだの、ステージ上での表情や存在感がないだのと言われ、自信をズタズタに引き裂かれ、見るのも辛いボロボロの表情でオーディション番組を去ったゴヌ君は、その後の9カ月間、どのように過ごしていたのだろう。

私達ゴヌ君ファンの間では、もともと所属していた事務所かその同じ系列の大手事務所からデビューするのではないかと噂していた。といっても、情報は限られており、憶測が憶測を呼び、しまいには何を見てもゴヌ君のデビューにこじつけるファンが続出し、お互いを嘲笑し合う事態にさえなっていた。

結果的には、別の大手傘下の新設事務所から初のグループとしてデビューすることになった。ブラックで評判の芸能事務所にしては珍しく、土曜日は定休日で必ず休む優良企業で(笑)、ファンの間ではこれがすでに笑いのネタとなっている。これまで、メンバーのビハインド動画や歌やダンスのカバー動画がYouTubeのオフィシャルチャンネルに投稿されているが、これがどれもことごとくセンスが良くて、もともと『違いがわかる』ヒトの集団であったゴヌペン(韓国語でファンのことはペンという)達の間ではすこぶる評価が高い。これで、肝心の曲がコケたらどうしようという心配もあったが、それも杞憂に終わった。デビューアルバムに収録された5曲のサンプルを公開したハイライトメドレーの動画では、重厚なロックンロールや本格的なラップなど、様々な音楽の要素をうまくミックスして取り入れた本格派のサウンドを聴くことができる。ディストピア風のトレイラー、赤と黒の衣装、そして制作陣とメンバー達の本気が感じられる曲。すべてのピースは出そろって、あとは6月30日のデビューを楽しみに待つばかりだ。

私は去年のコロナ禍にBTSをきっかけにKPOPにハマった全くの初心者なので、デビュー曲がリリースされたらみんなでストリーミングして再生回数を伸ばさなくてはいけないとか、ツイッターで専用のハッシュタグを使って宣伝しなくちゃいけないとか、複雑で面倒なたくさんの決まりごとに打ちのめされかけている。デビューCDも販売元ごとに異なる特典の違いに踊らされ、計5枚も買ってしまったのは本当は恥ずかしくて内緒にしたい。別のグループのファンが特典欲しさにCDを20枚も買ったという話を聞いて心底バカにしていたが、今はそんな過去の自分を恥じて深く反省中だ。

そんな風に睡眠不足と何だか訳の分からないルールに頭を悩ましつつも、『推し事(こんな言葉も今回初めて知った)』は楽しい。新しいコンテンツが発表されるたびに、同じファン同士であーでもないこーでもないとコメントし、一喜一憂し、ゴヌ君から何の音沙汰もない9カ月間のあいだ、ツイッター上で月に2回の応援イベントを地味に開催しながら、ひたすら支え合い待っていた日々を懐かしんでは涙ぐみ、私の心はフル回転だ。

何よりも、オーディション番組を脱落した頃には、心身ともにすっかり消耗した姿でステージ上のガラス戸の向こうに消えて行ったゴヌ君が、自信を取り戻し、よりいっそう強くなって私たちの元に戻って来てくれた。毎日のように投稿される動画の中の、仲間と一緒にいるのが幸せそうで、文字通りキラキラ輝いていて、デビューが近づくにつれどんどん垢抜けて美しくかっこよくなっていくその姿を見守るのは幸せだ。番組中、ゴヌ君は歌とダンスの上手さだけではなく、その芯の強さと仲間に対する公平さ、仲間を思いやる心の温かさで皆の精神的な支柱となっていたが、その姿は今回のグループの中でも健在のようだ。

上の記事で、『どんな形なのかは分からないけれど、私にもG(ゴヌ)君にも輝ける場所と納得のいく形はあるはずだ』と書いた。私の場合は、依然として同じ花屋で仕事を続けており、デザインも職場の雰囲気も相変わらず自分としては納得が行っていないが、その中でも自分らしさを加え、何事にも誠実にコツコツと対応していくことでようやく自分の居場所を確立できたような気がする。私が根気よく面倒を見てきた新人たちも職場の一員として実力を発揮できるようになって来たし、苦手なことは苦手なままだけれど、それも得意なことと相殺できればいいと思えるようになった。お客様のご意向が上手くくみ取れて喜んでいただけた時はやりがいを感じるし、私は花屋で働くことの意味はこれなんだと実感している。もし他に花の仕事を見つけるとしたら、別の花屋での仕事を見つけることではなく、自宅で花を教えたり、オンラインで作品を販売したりすることかなとアイデアもいくつか浮かんでいる。そんなことを考えているうちに、クビになった花屋のことも、オーディション番組からデビューした人気グループのこともほとんど気にならなくなった。解雇も脱落もできれば経験したくないことだけれど、こうした挫折を経験したからこそ得られるものは大きいと思うし、そこから自分なりに這い上がった強みはこれからの人生に必ず活かされると思う。

デビュー2日前に公開されたMVティザー動画では、まっすぐ前を見据えた強いまなざしで観る者を虜にしながら、ゴヌ君はメンバー達と息の合ったダンスを披露した。上手い。全員上手い。キレがあるだとか、振りが揃っているだとかの次元を超えた上手さだ。恐らくこのグループは、一般受けのするアイドルは目指していないと思う。国内市場を軽視しているわけではないと思うけれど、海外市場により重きを置いた戦略なのかもしれない。大手事務所の所属ではないからハンディは大きい。数と知名度では絶対に負ける。どんな戦略かはまだ分からない。でも、どんな時も周りの雑音に左右されず、自分たちの音楽をひたすら追求していってほしい。才能と努力で培ったハイレベルの歌とダンスとラップ、そしてすでに伝わって来るメンバー達の優しく温かい人柄とチームワークの良さで、必ず成功すると信じているから。

ゴヌ君とメンバー達の未来に幸あれ。全力で応援していきます。


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