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これだけはやっておこう!デザインカンプ入稿までの大事なポイント〜カラー編〜

色彩は印象をつくっている

私たちの生活は色に囲まれていますよね。目に入ってくるものの色は、思った以上にこちらに何かを語っています。赤一つとってみても、人によって、全く違った感情を引き起こします。情熱や活力、または怒りなど…まったく印象が変わってくるのです。


例えばあなたが名刺のデザインをするとします。
あなたはどんな印象を与えたいですか?
信頼でしょうか?安心でしょうか?
上手に色が再現された名刺は、まさに顔。色は、その顔にいわば表情をつけてくれたり、伝えるべきメッセージを効果的に伝える媒介の役割をしてくれたりするのです。

世の中に、色を持ったものは溢れていますが、印刷という工程を経たものが多いと思うので、印刷物の入稿の際、知っておくと違うというポイントをご紹介していきたいと思います。

カラーモードって何?

カラーモードとは


さて、まずはカラーモードについてご紹介します。
カラーモードとは、色彩を指定するときに使うもので、RGBカラーモードCMYKカラーモードの2種類があります。

では、RGBとは何でしょう。
R=レッド(赤色)、G=グリーン(緑色)、B=ブルー(青色)のスポットライトを思い描いてください。

赤のスポットライトと青のスポットライトが重なるとマゼンタになり、そこに緑色のスポットライトが加わると、白になります。このようにRGBモードでは、各色を重ねるごとに明度が上がり、白に近づくので加法混色と言われています。

一方、CMYKカラーモードとは何でしょう。
C=シアン(空色)、M=マゼンタ(ピンク色)、Y=イエロー(黄色)の3色のペンキを思い浮かべてみてください。

絵の具でもインキでも同じです。シアンとマゼンタの絵の具やペンキ、インキなどを混ぜ合わせたとき、紫になりますよね。ここに、イエローを混ぜたらどうでしょう。黒に近くなっていきますよね。

この色の作り方は、各色を重ねるごとに明度が下がり、黒に近づくので減法混色と言われています。
ちなみにCMYKカラーモードは、黒の深みをきれいに出すことができるという利点もありますので、覚えておきましょう。

あと、もうお分かりの方も多いかもしれませんが、RGBカラーモードは光の三原色ですので、ディスプレイに表示されるもののカラーモードで、CMYKカラーモードはインキを使う印刷物に最適のカラーモードなのです。


印刷時の注意点をつかんでおこう

カラーモードについて基本をつかんだところで、いざ入稿するときに気をつけたいのが、お使いのソフトでCMYKカラーモードを選ばれているかです。

もともと作ったデータがRGBで設定されている場合、CMYKカラーに設定し直すと、ちょっと暗くてくすんで見えることがあるかもしれません。これはRGBカラーの方が、色の表現範囲が広いために起こることです。

また、RGBで黒い文字のカラーを設定した時に、CMYKの4色を掛け合わせた色合いになるので、滲んだように見える場合もありますので、あらかじめ文字が多い場合はCMYKで作成しておくとよいですね。


情報を目に入りやすくする配色って何?

印刷されたテキストと背景色の関係が明確になり、 情報がよく伝わるようにするためには、そのカラーコントラストに気をつけて配色することが必要です。

ではカラーコントラストとは何かというと、異なる色同士の対比から生じるもので、その差が大きければ大きいほど、配色にメリハリがつくということを知っておいてください。視認性や可読性を高めるためには、いくつか工夫があります。

色の明るさでできること

はじめにご紹介するのは、明るい色と暗い色を組み合わせたり、色の明るさを利用したりして、コントラストを作る工夫です。ちなみに色の明るさを示すときには、明度という尺度を使います。

ちなみに、白が一番明度の高い色で、黒が一番明度の低い色で、また赤、青、緑など、色味のある有彩色にも、黒、灰、白など、色味のない無彩色にも明度があります。この明度が高い色と低い色を組み合わせると、コントラストを作ることができるのです。

色味でできること

もう一つできるのが、赤と緑など、対照的な色味の組み合わせでコントラストを作る工夫です。この場合に使われるのが、色相という色味の系統です。色相は違いに繋がりがあり、色相環という輪に配置されています。



例えば、色相環の中で向かい合いの位置にある色相を補色といいます。この補色の組み合わせは色の関係として反対側に位置するため、対照的でビビッドに見えますが、色同士がハレーションを起こすこともあります。どちらかの色の明るさを調整することや境界線に黒や白などを挟むことで、これは解消します。

色を使わないでできること

また、色のみに頼らず、テキストの大きさ、太さや配置などのコントラストでも視認性や可読性を上げることができます。大切な情報のみをボールドにしたり、フォントサイズを上げたりすることで、視認性をより上げる工夫もできます。

まとめ

ここまで、印刷物を入稿するときに押さえておくと良いポイントについて紹介いたしました。まとめると、

・カラーは印象を決める大事なポイント

・CMYKカラーモードに設定し、データ作成

・明るさ、色味を反映した配色とフォントの工夫

の以上です。

印刷物のカラーの世界、意外と深いですよね。ここの基本を押さえていただくと納得できる仕上がりを期待できるかもしれません。ぜひ参考にご活用くださいね。