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PieceCHECK(2023-82) 1925年 京都帝國大学 円に内接する三角形の面積

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【お知らせ】数III「積分法(グラフ編)」リリース!(23/12/13)

ほぼ全分野の執筆が完了しました。本シリーズで体系的に高校数学を学べます!!

今回の問題

YouTube動画をUPしました。今回は、1925年の京都帝國大学から、三角形の面積に関する問題です。当時の京大(帝國大学)は、サムネにある通り、なんと問題文が英語!!

※動画内では和訳した問題文を掲載してあります。
思考時間は約20分、目標解答時間はそこから約20分弱です。初見ならじっくり考えてみましょう。

解説・原則など

約100年前の京大(当時は帝國大学)の問題です。原文は英語でえ?と思ったかもですが、もちろん数学の問題。内容自体も有名な問題ではあります。

個々の解法の詳細については動画  or 本記事最下部の画像 を見てください。

最初に方針を立てるのが難しいですね。3つが同時に好き勝手動くのは様子をつかみにくいので、基本的に1つずつ動かします。

2文字が動く→1文字固定(予選決勝)法

詳細は拙著シリーズ『Principle Piece 数学Ⅰ~2次関数~』p.100

しかし、1点を固定しても2点が動くので、とりあえず2点とも固定してみようということです。そのときの座標の置き方がポイント円を原点中心におくのはいいと思いますが、AとBをx軸に関して対称においても、一般性を失わないということです。

ABの位置、すなわちy軸との距離を固定すれば、当然Cは左端にあるときに最大です。あとはこの最大値どうして決勝戦を戦います。

解1は座標を媒介変数で置く方法で、$${(1+\cos \theta )\sin \theta }$$の最大値に帰着されます。最大値をもとめる方法は全部で3つ。

解1-1はそのまま数IIIの知識で微分するだけ。
解1-2は2乗すると$${\cos \theta }$$の4次式になることを利用。
解1-3は発想よりですが、相加平均相乗平均を使うことも可能。

解2は「t」を導入して座標をおく方法。当たり前ですが、結果は、解1-2,1-3のように$${\cos \theta =t}$$とおいたものと同じになります。よって、解1と同じように、

解2-1:数IIIでそのまま微分
解2-2:2乗して微分
解2-3:相加平均相乗平均を使う

が考えられます。

解3は三角関数の知識をがっつり用いる方法。三角比の面積公式や正弦定理を用いると、$${S=2R\sin A \sin B \sin C}$$となりますので、

$${A+B+C=\pi 、A>0、B>0、C>0}$$において
$${\sin A \sin B \sin C}$$が最大値になるとき

に帰着されます。これについても解法が2つあります。

解3-1では、和積公式を駆使する方法。内角の$${\sin ,\cos}$$の和や積は、この方法が有効です。

内角の三角関数の和と積は入れ替え可能

詳細は拙著シリーズ『Principle Piece 数学Ⅱ~三角関数~』p.113

さらに1文字固定をすることで、解1のときと同じ式に帰着されます。

最後の解3-2は、凸不等式を活用します。これを使って減点されないかどうかは、正直分かりませんが、超難関大では知っていると見通しの立つ問題もたまにありますのでぜひチェックしておきましょう。
拙著シリーズでも、『Principle Piece 数学Ⅲ~微分法2~』pp.64~70でがっつり扱ってます)

1.解けた人・・・今後の勉強はじっくり演習をしましょう。

2.解けなくて原則を知っていた人・・・拙著『Principle Piece』シリーズで該当するページを熟読し(詳細が書いてあります)、入試演習用の問題集で思考時間を長くする演習をしましょう。

3.解けなくて原則も知らなかった人・・・原則集めからやる必要があります。拙著『Principle Piece』シリーズのような原則習得タイプの問題集で演習しましょう。

関連する拙著『Principle Piece』シリーズ

Principle Piece シリーズは、出来あがった答案からは見えない部分を「Principle(原則)」を紹介しながら解説していくことで、「なぜそれが思い浮かぶのか」「なぜ解答の1行目がそれになるのか」が分かることを意識して書き上げた参考書です。

大手ネットショップBASEでも、デジタルコンテンツとして販売しています。

解答

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