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第4回 システム化基本構想の詳細:(2)重点施策の詳細化

前回は、課題抽出、課題分析を経て、重点施策のテーマを優先順位付けするところまでご説明しました。今回は、テーマ設定した重点施策を詳細化するプロセスについて詳述します。

1. 構造
重点施策はまずテーマごとにいくつかの詳細施策に細分化します。さらに詳細施策は業務施策とシステム施策という2つの側面から作成していきます。

重点施策詳細化の構造
  重点施策(テーマ) 詳細施策1   業務施策①    システム施策①
                    業務施策②    システム施策②
                       業務施策③    システム施策③
                                         詳細施策2
                                         詳細施策3

2.業務施策
業務施策は詳細施策を構成する業務要素を抽出して記述していきます。 詳細施策の記述が、例えば「フォーキャスト入力業務の見直し」だとした場合、「フォーキャストの月次入力から週次入力への変更」とか「営業担当者と部門長による“意思入れ”の業務化」といったような記述レベルになります。

施策の内容は、まだ実行されていない業務や既に業務化されていても、より効率化の必要な業務も含まれてきます。これらの施策項目は、今後のシステム導入に合わせて実施される「業務改革」に引き継がれていきます。

また業務施策の中には、必ずしもシステムの刷新に依存しない施策も含まれます。組織内におけるワークフローの見直しなど、すぐ実行可能なものが中心となります。システムに依存しない施策については、システム導入の開始や稼働を待つ必要がなく導入プロジェクトとは別のプロジェクトに切り出し、即応されることを勧めています。

3.システム施策
システム施策は、システムの稼働による業務施策の実現ということなります。例えば、「複数の営業担当が作成するフォーキャストを週次でシステムに入力」というような記述になります。

一方で、重点施策テーマが「業務系マスタ連携の再設計」といったように、テーマそのものがシステム課題から直接導かれてきた内容になる場合もあります。この場合は、連携対象選定、連携方式の検討といったシステム施策に力点が置かれて詳細化されていきます。詳細化されたシステム化の施策は、システム化を行う際の「機能要件」につながることになります。

以上が、重点施策の詳細化に関する説明となります。

次回はシステム化基本構想の最終工程である「システム化構想書」へのとりまとめ作業について具体的な内容について説明します。

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