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同性カップルが借りられる住宅ローンについて不動産会社が解説します


ここ数年で「住宅ローンを事同性カップルでも利用できるようになりました!」というニュースが相次いでいます。以下はその一例です。

本日はこの「住宅ローン」について、LGBTフレンドリーと言われる弊社の目線から、少し解説してみたいと思います。

住宅ローンの基本と、ペアローン


住宅ローンとは、皆さんもイメージがあるところかと思いますが、「現在の勤め先や年収などを元に、住宅購入のための資金を銀行等の金融機関から借りる」ということです。

住宅は、数千万円から億の単位での買い物となるため、一般的には「コツコツと貯めたお金」だけでは購入ができません。そのため、「勤め先や年収」などをもとに、「この人はきちんとローンを返済できそうな信用できる人か」ということを住宅ローン審査を行う機関が審査します。その結果、住宅を買うための資金を得ることができるのです。

ちなみに、「自分とパートナー」二人で家を買いたいと思った時、よくあるケースが、「二人それぞれにお金を出し合ってローンを返していく」というケースです。当然ながら、一人で支払うよりも、より大きな金額を支払うことができます。

ですので、購入時に「二人で返済します」ということが分かっていれば、金融機関も、「それだったら二人の年収を元にどれだけ借りられるか審査しましょう」ということになります。それが、いわゆる「収入合算」です。

最近は、同性パートナーでも、「収入合算」をして、二人でローンを借りて二人で返していくという方法を選択できるような金融機関が、少しずつ増えてきました。これを「ペアローン」といいます。


住宅ローンを借りるための条件

それでは、なぜ、これまで同性カップルでローンを借りることができにくかったのでしょうか。

それは、「二人が本当に長期的なパートナーシップを組んでいると言えるのか」が金融機関にとってわかりにくく、「本当に一人でローンを組むよりも大きな金額を、この二人に貸してしまってもいいのか」を判断できなかったからです。

そのため、これまで同性カップルは「どちらか片方の名義でローンを組み、書類上は一人でローンを返していることにして、賃貸のような形でもう一人から家賃をもらいながら住んでもらう」ような形を取るケースが多かったと思います。

でも、実際は結婚している夫婦だって、早く離婚してしまう可能性もありますよね。そこを「おかしい」と思った人が声を上げ続け、ようやく少しずつ、同性カップル二人がローンを借りられる環境になってきました。


住宅ローンを借りるための条件

住宅ローンを借りる際には同性カップルが「私たちは生活を共にするパートナーです」と示す必要があります。

条件としては「愛情と信頼に基づく真摯な関係」という文言が入った公正証書(パートナーシップ合意契約書)や、認知症になった時にサポートする立場になることを証明する、任意後見契約を定めた公正証書などを求められる場合が多いです。

パートナーシップ証明書を自治体が発行している場合は、それで代替することもできます。

パートナーシップ合意契約や任意後見契約を公正証書で結ぶ方法はこちらの記事を参照してみてください。

ちなみに、沖縄銀行など、本人確認書類と住民票のみで同居の確認が取れれば、住宅ローンの申し込みを可能としている銀行もあります。
https://www.okinawa-bank.co.jp/news_release/2019012900015/

気づかないうちに条件の緩和や修正が行われているケースもありますので、詳しくは利用したい金融機関のホームページや、不動産会社を通じた問い合わせで確認しましょう。


同性カップルで利用できる住宅ローンを用意している銀行

現在、以下のように多くの銀行で同性カップルで利用できる住宅ローンを用意しています。

メガバンク:みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行
ネット銀行:住信SBI銀行、ソニー銀行、楽天銀行、
地方銀行:千葉銀行、横浜銀行、東日本銀行、滋賀銀行、琉球銀行、沖縄銀行、大垣共立銀行

メガバンクから地域密着型の銀行まで、たくさんの選択肢がありますが、それぞれの銀行で、融資対象の物件や、年収や年齢といった人に対する審査のポイントが違う点に、注意が必要です。
また、同性カップルへの住宅ローン提供の事例がまだ少なく、対応に時間がかかってしまうといったケースもあります
「なじみがある銀行だから…」と安易に決めてしまう前に、詳しい不動産会社さんに聞いてみるなど、十分に注意しましょう。もし不動産会社経由でなく、ご自身でローンの審査を受ける場合も、同性カップルへのローン提供事例があるかどうかなどを問い合わせてみるのもよいかもしれません。

自分に一番合った銀行を選ぶことは、LGBTsの方だけでなく、男女の夫婦・単身の方にも大切です。お一人でローンを組もうと考えているときも、ぜひ相談してくださいね。

こんな形で、Twitterでも住宅ローンに関する情報提供を時々行っています!気になることがあればDMにてご質問にお答えしたり、詳しい担当者をご紹介することもできます。是非フォローしてみてください!



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