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「SOGIハラ」を知ろう

こんにちは。プリンセススクゥエアーの笠原です。


「SOGIハラ」という言葉

みなさんは「SOGIハラ」という言葉をご存知ですか?

「SOGI」とはSexual orientation and gender identity(性的指向及び性自認)の略です。つまり、性的指向や性自認を理由にしたハラスメント、LGBTsなどを対象にしたハラスメントをやめよう!という流れの中で出てきた言葉です。

「LGBT」という言葉は誰もが知っている言葉となりましたが、実際には総称であるものの、「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)」以外の性自認、性的指向の方を含まないように見えてしまったり、世の中に知れ渡ったが故に「特殊な人たち」という印象を与えてしまうこともあります。

そこで、「SOGI」という言葉が使われるようになったという経緯があるようです。


SOGIハラの事例


では、SOGIハラとは具体的にどんな行為を指すのでしょうか。事例をあげてみます。

●自分がゲイであるということが知れ渡り、「オカマ」「ゲイきもい」「俺のこと襲わないでくれよ」などと心ない言葉を投げつけられて傷ついた。
●FtM(トランスジェンダー男性)の方に対して、「お前は女じゃないんだから胸を触ってもいいだろ」と体を触られた。
●職場でカミングアウトをしたところ、その事実を全員にばらされてしまった。(アウティング)

これ以外にもたくさん事例はあると思います。

ちなみに私も、過去に、同性である女性とお付き合いをしているとカミングアウトしたら、営業のプロセスを男女の性行為に喩えてきたり、キャバクラに連れて行こうとした上司がいました。今考えてみれば、これもSOGIハラのひとつと言えるかもしれませんね。

ただ、これらに共通するものとしては、「性的指向」「性自認」を理由とした「いやがらせ」「悪意をもった関わり」をきっかけに、「相手が傷つきつらい思いをする」ということには変わりありません。
こういった行為をされた当事者は、職場や学校にいずらくなり、場合によっては辛い思いをした挙句にメンタル不調になったり、死を選んでしまうこともあります。

「SOGIハラ」という言葉ができたことで、今まで見えてこなかったこういう行為が、「当事者を傷つけ、追い込んでしまう、許されない行為だ」と見做されるようになったのはいいことだと思います。


パワハラ防止法とSOGIハラの関係

2020年6月に施行された「パワハラ防止法」ではSOGIハラも「企業が対応しなければいけないハラスメントの一つである」ことが定められています。

「パワハラ」には身体的な攻撃など、6つの項目が定められていますが、そのうちの「精神的な攻撃」に「性的指向や性自認を理由にした攻撃、侮辱」が含まれることになったのです。

これまで以上に、LGBTsも含めたすべての従業員が働きやすい環境が求められるようになってきているということですね。


SOGIハラをしてしまわないために気をつけたいこと

私は、SOGIハラをしないために気をつけたいことは以下の2つだと思っています。

●LGBTsについての正しい知識を得ること。
●相手へのリスペクトを忘れないこと。

まず、「LGBT」という言葉がとても広まった今、たとえば「オカマのことだろ」などと雑に理解している人も多いと思うのです。
しかし、本当は、「性的指向や性自認のあり方は多様であり、生き方も多様である」「他人がとやかく言えるものではないし、重要な個人情報なので安易に人に言ってはいけない」など、もう一歩踏み込んだ理解が必要だと思うのです。そのため、企業ではますます「もう一歩」の理解を深めるための研修が必要になっていくと思います。

また、LGBTsへの偏見をたとえ心の中に持っている人がいたとしても、「これを言ったら失礼かな」ということはきっとわかるのではないかと思うのです。
もしくは、万一そういう言動や行動をしてしまった時に、相手の顔をみて「嫌そうだな」「つらそうだな」と感じたら、きちんと謝る、ということはできるのではないでしょうか。

相手へのリスペクトを忘れず、嫌な気持ちにさせるような関わりをしないよう行動することは、どんなハラスメントを起こさないためにも共通して必要なことだと思います。

お勧めの書籍

また、書籍を通じて、SOGIハラについて学ぶのもいいかもしれませんね。人は「理解できないこと」に対しては誤りを起こしてしまうかもしれませんが、一度腹落ちすれば、そういった行動をしなくなるのではと思います。

こちらの書籍はたくさんの事例が網羅されています。ぜひ目を通してみてください!

世の中にたくさんある差別や偏見が、「SOGIハラ」という言葉の普及によって、少しずつなくなっていくことを祈っています。



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