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自己責任と騙す側

よくある話で「騙された!騙した奴をなんとかしろ!」という側と、「騙される方が悪い!ちゃんと確認しろ!」という側が水掛け論で言い争うやつ、僕の目から見れば「どっちもどっち」だ。

語弊を恐れずに端的に言い表せば「どっちも悪い」という事が言えると考えている。
もちろん、端から他人を騙して金銭その他を搾取しようとする輩はゴミクズで、もう地獄の業火に焼かれてしまえば良いと思っているが、だからと言って騙された方は無実の赤子のような存在なのだろうか?と言われるとそうでもないはずだ。
確かに耳障りの良い言葉を並べられて、時にはおだてられ、時には接待などを受けていかにももっともらしい理論を振りかざされた後に投資契約を結んだり、商品の購入に至ったりしている事だろうから、その過程で「それが真実であると思い込んだ自分は正義だと言えるのか?」という疑問が湧く。

繰り返しになるが、騙す側の奴は地獄の業火に焼かれてくれ。
その上で、騙された!と主張する人達も自らの行為が全て正しかったと胸を貼って肯定出来るのだろうか。
投資契約や商品購入に至るまでのプロセスで、理論の正当性や実効性の検証、その話を持ち掛けてきた詐欺師どものバックグラウンドの確認や、口コミなどの調査は十分に行ってきただろうか。

ほとんどのケースで、それらは行われていない。

そして、もしそれらをすべて完璧に行っていて「俺はやれる事はやった。なので俺は純粋に騙されただけだ!」と自己を完璧だと肯定出来る方がいたとしたら、「それで最後にそれでいいと判断したんですよね?」と一言尋ねたい。
騙されたと主張する方も、最終的には自分の判断で言われるがままに投資契約や商品の購入という「決断」を行っており、全く身に覚えがない訳じゃないはずなんだが、それがいざ詐欺であったとどこかで断罪されると「騙された!」と狼狽し、被害者である事を声高に叫び出す。

しかし、もし契約した投資商品のプロジェクトが「失敗」に終わっていたら?購入した商品が購入後に想定していなかった事で「壊れた」ら?
同じように「騙された!」と叫ぶ人は激減する事だろう。

ちなみに、これを利用してクレームを回避しようとする詐欺師ども(特に暗号通貨関連)が少なからずいるので、これらも地獄の業火に焼かれてくれ。

話を元に戻すと、確かに結果的に詐欺の被害に遭ってしまったので被害者である事は間違いないとしても、自らが決断したという事実が無かった事にして120%相手が悪いと騒ぎ立てるのは、やや知性に欠ける行為ではないか、という事だ。
自らがその話・商品に大いに魅力を感じて契約・購入の決断をした、この事実は揺るがない事であり、その点について自己反省を全く行わずに騙された事だけを主張するのではなく、詐欺被害で被った損害については賠償を求めつつ、同じような話に再度引っかからないように注意を行う事、そして周りにそのような話に引っかかりそうな人がいたら自身の体験談をもって警告のする事が大事なのではないだろうか。(しつこいが、騙す側の奴は地獄の業火に焼かれてくれ。)


突然この話に至ったのは、僕の友人が唐突に「とある美少女インフルエンサーが、実は中年のオジサンが加工アプリで女性のふりをしていた。騙された!」と言ってきたからだ。
この話を聞いて普通の人はどういうリアクションをするものか聞いてみたいものだが、僕は「ネット上の美少女に勝手な期待をして妄想の世界でシコシコしてただけでしょ?それが中身がオッサンだったからと言って、その人に対して「騙された!俺たちのシコシコを返せ!」と責めるよりも、「これまで楽しませてくれてありがとう!」と思う方が人生楽しくない?」と返信すると、そこからかなりややこしくなった。

自分が行う事には常に責任が伴う。
他人を信頼するのも自分の決断なので、その上で投資契約や商品の購入などをするというのであれば、「この人にだったら騙されててもしょうがないな」と思えるレベルまで到達するまで慎重になるべきだ。

過去に色々な事で詐欺の話が降りかかってきた経験があり、これは絶対に大丈夫!と信じた投資案件で数千万円の損失を被った経験から到達したのが、この境地である。

最後に、「最後に信じられるのは自分だけ」という誰かの言葉を残しておく。


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