代償
救いを求める手に
慈悲も無く手を取らなかった君には
あからさまな自己への庇護欲しかなくて
笑ってしまいそうになる
救いを求めた人へのせめてもの贖罪にと
自由を謳歌することが
回り回って助けになるのだと信じ
生き抜いてきた君への
救いの手は必要ないのだろう
季節は巡る
巡り巡って君の番
君には何がある?
君は何を持ってきたの?
人生をたどった末に見えてくる
唯一無二の君のその自信が
誰かを傷つけていることに
なぜ気づかないのか
しかしながら
君がたとえ気づいたとしても
たとえ救いの手を差し伸べていても
たとえば底なし沼に沈みかけている小鳥を救う手立てにはなりもしないように
誰かを救うにはすでに遅すぎる
君は
黙って
見ていることしか出来やしない
偽善から生まれた善に
羽が付き飛び去っていく様を
ただ指を咥えて見ているがいい
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