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詩:ひたる

砂利と靴とのこすれる音で
わたしはここにいるのだと知る
静まり返った寒さの中で
見上げて星の瞬きに陶酔する
そんなとき
わたしはたまらなく空しくなる
視界に広がる星空から
目一杯に光を浴びてなお
この一瞬でさえわたしという存在が
光るということはない
磨けども磨けども
研磨しつくしたとしても
あの星の光を反射することもできないだろうと

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