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DMK136を守れば安泰?それは免許持った医療従事者の考えじゃ・・・

ないよね!っていうのが今回の記事の趣旨になります。

さてあえてご存知の方も多いと思いますけれども、このDMK136

D:打撲→1ヶ月
M:ムチウチ→3ヶ月
K:骨折→6ヶ月

症状に対してこの期間までのであるならば、保険会社はとにかく言わずに治療期間として認めるものであるという目安と言われています。

しかしながらこの内容は、一部エビデンスがあることを根拠にしていることではありますけれども、たまに使いかたを間違えて把握している場合があるので、今回の記事にあげさせていただきました。


①少し医学的根拠を持った視点でもって考えてみる

②目安はあくまでも目安

③盲目的に信じて○○のためだけという視点しかないのであるならば、免許返納して街中で揉み屋やってりゃいいじゃん!


の3点で展開して行きたいと思います。




①少し医学的根拠を持った視点でもって考えてみる

この説が出てきているということは何かしらの根拠が最初にあったから、この用語が出てきたのだと思われます。

D:打撲→1ヶ月
ここに関しては、患部となる場所に外力が加わり、打撲としての症状に至った・・・これは非常にわかりやすいと思います。

でなぜ1ヶ月なのか?といえば、外傷医学の基本として・・・

1次創傷の治癒においては、3週間という医学的なエビデンスがあります。

つまり、軟部組織に対して外力が変わり、該当する組織に損傷があっても、人間の治癒能力からすれば、おおむねその期間を目安として治療が完結されるはずであるというもの。

もしもそれ以上に、治療に対しての期間がかかるようであるならば、別の内的要因があったり、ほかの組織への損傷も懸念しなくてはなりません。

そして先に
K:骨折→6ヶ月
これも、骨折となった部位によって、骨自体の癒合は「グルトの骨癒合」を見て頂ければ分かる様に、期間が変わります。

指の骨で2W
大腿骨頸部frで12W
これらは国家試験の勉強の時にも、皆さんも経験があると思います。

当然ながら骨融合された=治療期間が終了ではないとのことなので、その後の周辺の関節や組織のケアが必要として、プラスアルファでリハビリ期間が必要となっているわけです。

実際に大腿骨の頚部骨折に至っては、長期臥床を強いることになり、年齢等にもよりますが、人体の回復力のみで治療するのではなくて、プレートやインプラントを使うことにより、早期回復を促す手術が行われます。

なので個人的には、骨折の6ヶ月というものは、単純に骨癒合期間というよりも「骨折って大変だよね」というレベルの感覚で出てきた理論なんじゃないかなと個人的には思っています。

だってそもそも、グルトの骨癒合を見たとしても2Wと12Wって相当の開きですよね?

あと事故被害者である場合の患者さんの、一般人の感覚として「骨折?俺やばいじゃん!」という感覚がある事は否めません。

さて問題はむち打ちなんです。


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