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特別無料長文記事:交通事故通院あおりに絡む、従前からの「医療従事者の慰謝料の考えかた」を今こそ変える理由:医科・柔整共通事項

今回は、SNS系いくつかに同時に投稿をしています。


交通事故においては民事損害賠償で対応されるために「慰謝料」というモノがあります。

この「慰謝料」という言葉・・・実態というか、事情も深く考えられずに扱われている・・・というのが、私が医療界全体を見た感想です。

今回は、文化の日に合わせて
「医療界の交通事故知識をアップデートする!」
というスローガンから、この慰謝料に関して無料記事を書いてみたいと思います。

なお、私の情報発信は
・対面勉強会
・オンライン勉強会
・YouTube

にて行っています。

勉強会に関しては https://primecare.co.jp/workshop-info/ を参照ください。

近々、今後も行っていく勉強会においての改訂をまた行います。

発端は、先のニュースになりました柔道整復師国家試験問題漏えい事件になります。

私は、ある程度の意識を持って、社会人学生を経てから免許を取得しています。

それまでの社会人として経験した事と照らし合わせても、「医」と名が付く業界・・・とくに免許を有する人への印象は、入ってみて変わりました。

あえて辛辣に歯に衣着せないで申し上げると・・・少し、何でも自身の解釈が価値基準にしすぎなところありませんかね?って、思うときがあります。

「卒業後は○○に入りなさい。
免許取った後の新人のあなたたちが患者さんの身体を触らせて貰えるのは、療養費があるおかげであって、患者さんは本当は触らせたくない。
そもそも療養費を受領委任出来る様になったのは○○のおかげだ。
だから入るべき。
そもそも自分の欲を優先させて仕事はしてはいけない。
最近では法人化する接骨院も増えているが・・
あれは儲けたいから法人化するんだ!」

これ、私の学校の卒業試験後に残らされた後に、あるお偉いさんが当時の私たち学生に言っていたこと・・・

まぁ、その発言した人は今回の逮捕者にはいませんが、少なからず近しいわけです。

この内容が、どれだけ世間離れしているか?は、冷静に判断出来る方ならば分かるわけです。
この話を聞いて10年以上になるわけですが、「儲けたいから法人化する」の意味は、今でも分かりません。
 
そんな思考が・・・類似したレベルで力を持って暴走しての今回の漏えい事件。

身勝手すぎる。
こんなのが上にいて、コントロールしてようモノなら、世間ズレは改正されません。

ならば、自分が知っている事は伝えて行きたい。
自分たちが見えること、知りたいことだけが、自分たちにとって全てじゃないよ・・・と。

例えば、今年4月には個人情報保護法が改訂され、世間は企業を始めとして対策・整備に追われました。

治療家業界は?

例えば、これまでのように患者さんの症例を学会で発表するのも憚る時代になった訳ですよ。

そのこと伝えている人、見たこと無いのですが・・・いると信じたいですけどね。

この様な、自己都合解釈による世間ズレってあります。


でも、あまり言われない・・・それは「先生」と言われる職業への日本人の悪しき習慣でもあります。

「先生であれば間違っていない」「先生には指摘できない・・・」
こんなの単なる「裸の王様」でしかありません。

先生業であれば、先生としての責任として勉強はするべき。

「一生勉強」とか言いながら、自分のしたいことだけ勉強って・・・そんなのは勉強では無くて趣味でしかないと思います。

勉強とは「したいしたくない」ではなく「大事な事は全て逃げないで学ぶ」ことだと思っています。

なので私が出来る「勉強」を提供したいので、発信しています。

先の漏えい事件から鑑み・・・未来ある若者への、正しい交通事故を扱う方法を知ってほしいのもあるので、今度の勉強会の改訂ではそこを柔軟に出来る様にしたいです。

さて・・・その自己都合解釈。

ハッキリ言って、医療従事者は交通事故損害賠償における「慰謝料」を、歪曲して捉えすぎる点があります。

大きく分けて2点。
①慰謝料をエサにした通院ビジネスは続かない
②慰謝料は「あぶく銭」で、医療従事者はそれにより乱用されているのか?

として展開させて頂きます。


①慰謝料をエサにした通院ビジネスは続かない

勉強会や交通事故の事をやっていると、こういった質問があります。
「慰謝料って、4,200円掛けることの・・・って、あれがよく分からないんですが・・・」

私は医療従事者が知識不足の中で交通事故の扱う事での弊害や、患者さんへの不利益を是としないので「正攻法」をお伝えしています。

決して稼ぐなとは申していません。
経営ですので利益は結果です。
目的とするとおかしくなるので、そこは分けて説明しています。

「我々の仕事は、患者さんの回復のお手伝いのはずですよね?消極損害に分類される慰謝料を患者さんに教える必要があるんですか?」
と返したことは何度もあります。

受講者「いや・・・聞かれるからです」
・・・一瞬にして呆れてものが言えなくなるのですが・・・

「私たちは、治療・施術が専門ですので、専門外の事を間違ってお伝えする訳にはいきませんから、ググった方が確実ですよ・・・と回答したら良いんじゃ無いですか?」
と回答するようにしています。

本当に、そんなのネット上に幾らでも転がっているし、本来の業務じゃありません。

そもそも、損害賠償に関わる事を金銭対価の関係である、医療従事者と患者の間でやりとりすれば、たとえ相談料を取っていなくても「非弁行為に該当する」と日弁連から回答を私は貰っています。
(書籍「医療従事者のための交通事故取扱説明書:接骨院編」を作成時には、あらゆる関係各所にTEL確認を行っています)

さて・・・常識的に考えれば「なぜ患者が慰謝料の事を聞くか?」となります。

これには2つ要因が考えられます。
1・通院慰謝料を目的とした患者が、とりあえず聞いている
2・通院をしてもらいたい医療従事者が「馬にニンジンぶら下げる」ごとく通院慰謝料をダシにしている

これを見る限りは、とても健全な事とは思えないのは共通している事です。

1に関しては「ついでだから聞ければいいや」的に患者さんが発言している可能性がありますが・・・
こう言った方の中には、ちょっと事項が間違っただけでも
「アンタはあの時にこういう風に言ったじゃないか!」
といきなり何かのきっかけで瞬間湯沸かし器のごとく怒鳴り混んでくる可能性も秘めています。

言葉は良くないですが、依存性が高い性格も秘めている可能性もあります。
私は被害者だ!しっかりと賠償される権利があるんだ!といった感じです。

それでいながら、有料で得る知識に対しては拒絶をしやすい可能性がある。

この場合
「交通事故の患者さんは自賠責保険が使えるので、治療費は0円です」
にも釣られてきている可能性もあります。

つまり「タダなら何でも使う」もありますが恐いのは「なんでもタダでやらせて当たり前」でしょうな・・・
※筆者の交通事故専門医療コーディネートの経験からになります

でもまぁ、大概は2じゃないですか?

療養費以外の自費系の収益を模索して、交通事故事案での収入を増やしたい場合は、通院頻度は大きな影響になります。

「時間が取れるなら、毎日来た方が良いです。通えば通うほど、慰謝料も入りますし身体も楽になる!一石二鳥ですよ!!」
なんてことを言っているのが、簡単に想像できます。

そして、この時点で損害賠償や自賠責保険の制度を理解していないのが分かります。

上記には、よくある
「浅はかな接骨院の交通事故患者を誘導する典型的文言」
が2点あります。

0円治療:

これが成立するには条件があります。
自賠責保険における「治療に関わる損害」が120万円以下であることと、過失が0であること。

過失が患者さん側にあれば、患者さんには本来であれば、自分の治療費用や慰謝料もその割り合い分は負担しなくてはなりません。

ただ、自賠責保険が付保する120万円までは、過大過失でない限りはそれが無いだけ。

最終的な人身における人身への賠償額が120万円を越えれば、最初の1円から過失負担が発生します。

これ、賠償の基本中の基本。

しかし、それすら知らずに「0円ですよ」・・・そりゃあ、医療従事者側は過失による負担は無いですから、裏で患者さんが負担していても知らん顔な訳です。

通えば通うほど慰謝料:

そもそもそのように設定されていません。
期間が延びれば延びるほど、自賠責保険基準を超えたときの「任意保険基準」や「地裁(弁護士)基準」は単価逓減がかかります。

肝心の自賠責保険の4,200円×ことの・・・
あれ簡単に言えば「1ヶ月最大で126,000円しか出しませんよ」ということ。月に15日を超えれば、それ以上は増えません。

こういった勉強をしないで適当知識でもって患者さんの通院を誘導・・・
まともな感覚では「おかしい」となりますよね?

保険会社側は、こういった知識はちゃんとあります。
なので、上記文言で集患しているような院は
「患者をダマシてまで、我欲の為に通わす輩」
として写るのです。

いい加減にやめた方が良い時代ですよ。

そして正しい知識を持って対応する事と、それを後進に伝えて来なかった先人達を批難すべきです・・・していいんです。

そういった事への不満を整理することは、次に自分達が勉強会して正しい事をするキッカケになるのです。



②慰謝料は「あぶく銭」で、医療従事者はそれにより乱用されているのか?

「交通事故被害者は3度被害を受ける・・・」と勉強会では話しています。
1回目は事故受傷。
2回目は治療を受ける先の医療従事者の理解不足により差別・ハラスメント・・・はては賠償の不成立を招きます。

交通事故は民事損害賠償なので、民法709条が根幹にある事から、受傷に関しては医療従事者の証明でその行く末が変わります。

極端な事を言えば、医療従事者が
「この交通事故患者はモンスターだから気に入らない」
などで、適当な書類作成や意趣返し的な事をすれば、患者さんは賠償請求出来ないので、費用を自己負担する事に至る事も出来ます。

しかし、それが極端に行われてし過ぎると、保険会社も事故の事象に対しての支払いが出来なくなるので、別問題にもなるのです。

な・の・で・・・そこそこに、そういった医療従事者の賠償としてはグレーな書類は、ほどほどに通すように動くのです。

だけど、決定的な賠償を成立に至りずらかったりするので、後遺障害等級の認定が本来の症状が立証出来れば通るモノが・・・通らない・・・


そう・・・確かにモンスターの様な患者はいます。
多いとも思います。

でも・・・全ての患者さんがそうなのですか?

「これだから交通事故患者は・・・」という経験を多々していると、場合によっては確証バイアスになっている場合があります。

でも、指摘が無いのでそのままで時間が経過していく・・・
そう、先生業なので補正される事も無く・・・いつのまにか「その誤解による行為が、患者さんの人生を狂わす」と言うことになりかね無いのです。

もう一度言います・・・全ての交通事故患者はモンスターですか?

そしてそのモンスターっぷりは「そもそもの人間性」ですか?それとも「事故が人を変えていたりしませんか?」。

私自身の事故の時・・・これまた酷い「プシコ」っっぷりだったそうで(笑)

今では笑い話にしあえる整形の先生の話ですが
「でも、症状がよくなってきたら、杉本さんは解決に邁進していたよね~」
そう・・・事故が人間を変える事もあるのです。

症状がキツイと、それだけ人間もおかしくなるのは、不思議な事でもありません。

で・・・その人間を変える要因が「カネ」と・・・それが発展して
「どうせ慰謝料目的だから・・・」
という医療従事者のフィルターにもなっています。

確かにいるんですよ、
でも・・・ちょっと待ってください。

慰謝料って何を目的としているか?考えた事はありますか?
患者側も、損害賠償する側の視点も・・・

ここで1つ質問です。

交通事故においては慰謝料は2つあります
「入通院に対する慰謝料」

「後遺障害に対する慰謝料」
です。
この違いはなぜあるか分かりますか?

前者は治療の実績状況で、後者は等級によって、払われる金額が違います。

ちなみに後遺障害は「後遺症」とは違います。
審査を含めて症状評価の後遺症とは違うのです。
その上での2つの慰謝料です。

後遺障害が該当すれば逸失利益も認められるので、先の生活における不安も軽減します。

先の文章で、私が事故を解決する前は「いい感じなくらいのプシコに至っていた」と書きました。

これは、これは身体のダメージによるもの・・・そして、先の不安・・・

「自分のカラダはどうなっているんだ?この先どうなっちゃうのか?」
ホルモン分泌もあって、正常な状態を維持するのは難しくなります。

そこに「解決出来た」として評価される「慰謝料」貰うことは、そんなに卑しいことですか?

職種によっては後遺障害が認定されることで失職する場合もあります。

また治療中であっても「完全に回復するまでは復職は出来ない。休業補償は事故なのでしない」と会社に言われる人もいます。

でも、保険会社は容赦なく切ってきて、補償はしないと来る・・・家族もいる・・・どうしよう?とドンドンと追い込まれる・・・

心がおかしくなっても不思議では無いです。

何を言いたいか?
交通事故患者のお金は、不正が無い限りは「痛い思いをした上での金銭」です。

何も無くて貰うわけでは無いです

そして、それに関しては医療従事者は余計なフォルターもバイアスもいりません。

そして・・・保険会社側の慰謝料に対する考え・・・あまり知られていない事を書きます・・・
それは
「症状固定後で、この先もかかるであろう治療費の先払い」
という趣旨もあるのです。

私の知っている保険会社側の人間は、同じ認識が多いです。

損害賠償上においては、そのような記述では無くても、慰謝料が2つになっている時点で繋がりませんか?
通常の通院慰謝料に、症状が深刻な場合の「後遺障害慰謝料」

・・・私も事故受傷から10年以上経っており、神経症状はだいぶ緩和してきても発作的に起こることもあり、今でも自費で対応しています。

費用は?・・・慰謝料が先払いしていますからね・・・

「単にカネを貰うってだけで利用されたくない」
は、人によると思って下さい。

「だったら症状固定後も治療すればいいじゃないか?」
と言う意見・・・その費用はどこから捻出しますか?
損害賠償上のルールで、いつまでも治療は出来ません。目安は6ヶ月です。

慰謝料・・・「降って湧いて遊ぶためのあぶく銭」という場合じゃ無いときもあります。
家族を支え、自分が社会復帰するための準備金でもあります。

まずは「慰謝料」への考えの視野を広げて欲しい・・・2次加害者になることは避けて欲しいために、今回は慰謝料の側面を書いてみました。

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FBページから始まった「半ばブラックボックス化された交通事故対応方法」の医療従事者向け勉強会。 ・勉強会に足を運ぶことが、なかなか叶わない…

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