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「保険会社は払わないのが仕事」が本当なのか?考えてみた

いろんな所の記事や話を聞いていると「保険会社は営利企業である。当然ながら株式会社は株主の利益を優先させるため、払わないようにしている」とか聞きます。

なるほどね・・・確かにそういう傾向をしている損害課のスタッフ対応を見る事はあります。
こういった事の積み重ねが、いわゆる「保険なんかに入るより、貯金した方が良い」という保険不要論を増長させるキッカケにもなるのかな…?

ただ、私も保険屋さんとしてお客さんに事故があって、いざ支払い・・・という現場に遭遇はすることはそれなりにあります。

最近でも数件の事故処理はしているんですけれども、その場合においての支払いに関しては、よく巷で言われるような「保険会社こうやって払わないようにしている」といった非常にネガティブな対応ではありませんでした。

医療従事者の皆様方においては、保険会社が非常にネガティブな対応をするというような印象は強くお持ちだと思いますが・・・これに関して語りだすと非常に長くなってしまうんですけれども、今回は「本当に払わないのが仕事なのか?」というポイントに絞って説明をして行きたいと思います。

先に申し上げますが・・・私は保険会社の手先でも何でもありません。
募集人という立場上、お客さんとの間で板挟みになることだってあります。

その場合、保険会社に非があった場合は、それなりの(トッチン責めを混ぜることもある)対応をすることはあります。

ある意味中立的に、きちんと真実になぞらえて今回の記事にしたいと思います。

①実際に杉本が最近あった支払い事例

②保険会社はどういった考えで仕事に対応しているのか?

③「払うとき」と「払えないとき」は「払わない」とは違うという事。

④払ってもらうための共通項とは・・・

の4つで構成したいと思います。

①実際に杉本が最近あった支払い事例

単純な支払いというよりも、これいけるかな?と私でも一回は確認したくなるような事例を持ってきたほうが情報共有になると思うので、そちらの方を紹介したいと思います。

事故内容:子どもが民宿をしている知人の家に行った時に、その家の子とトイレでふざけていた。子供がトイレのドアが建付けもあって、うまく開かなくなってしまったときに、扉を乗り越えて脱出しようとした際に、水栓バルブに足をかけてしまい破損させる。

何が請求で問題だったか?
→こういった場合は「個人賠償」もしくは「日常生活賠償」の保険にて対応することができます。
しかしこういった保険は単体保険ではなく、どちらかというと何かの保険におまけでつける特約の場合が多い。既に加入しているという意識が低かったもので、事故が起きて一年以上経ってから請求することが出来る事を知った。

経過
・すでに修理を完了していて、修理代3万円お支払い済み
・ただ当時現金で払っていて、しかも領収書をもらっていたわけではない
・修理の時の見積もり書は貰っていた
・遠方の民宿であることから、書類が必要となってもすぐ対応できない
・かつ、今更先方に書類をお願いするのも気がひけた
・ただし幸か不幸か壊したモノそのものは写真を撮っておいた

結果
・満額支払いOK
・支払った証拠は用意できない場合は「示談書」だが、遠方で事情鑑み「確認書」を請求者が書く事でOKになった
と、代理店の私から見てもかなりの、温情措置というか・・・まぁ、よかったなぁと思える事案でした。

支払いOKとなったポイント
・1年もの時間が経過している事は問題とならなかった。約款に記載がありますが、多くは2年ほどの請求期限が設定されています。

ただ、本来であれば発生して「使う・使わない」が決まっていなくても、事故報告はしておいて欲しいというのが、保険会社としての本音です。
最終的に使わなかったら「ノークレーム」という扱いにしておくだけですから。

・損害課の担当からすれば、実際の現場がどのようになっていて、どれくらいの損害が発生していたか?といった情報は、行ってみないと分からないのが本音です。

なので判断としては出てくる書類や資料に頼らなくてはいけません。

(これは手前味噌ですが・・・)第一報として事故報告を上げる際、私はそれなりに気を遣って文面を考えて提出します。
これは勉強会において、施術証明書の書き方などでも応用されているテクです。

コンクリートに囲まれた部屋の中で、少ない情報だけで判断しなきゃいけない担当に対して、なるべく判断しやすい情報を提供する。
最初の時点からこれができていることで、向こうに対しての精神的なバリアが少しでも剥がれます。

②保険会社はどういった考えで仕事に対応しているのか?

正直な所、受けた代理店としても「これ・・・損害課はめんどくさがるだろうな・・・」と少し心配でした。

今回は私も注釈的な説明を付け加えて、慎重に対応します。

コレは、色眼鏡を持ってもらわない様にする為にいくつかポイントがあることです。

そういった代理店作業において、時間が許される様であれば、私はけっこう損害課の担当の方と話します。
どんなこと?世間話を交えて、先方の考えや昨今の損害課事情を鑑みるための情報収集の為。

ここで私が踏まえておいているのは「相手に不利を与えない『人たらし』であれ」。
こういう時に、横で家内がTELを聞いていてよく言うのは「本当に、アンタって人の所に入っていくよね・・・スッと・・・」
最高の褒め言葉ですね(笑)

で、この時の担当さんの話で改めて勉強になったのが・・・「はい・・・仕事においての支払いで心がけているのは・・・


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