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迷走台風にゲリラ豪雨・・・治療院の火災保険における水災で確認しておいてほしいこと


私の情報発信は、交通事故だけではなくて、治療院経営に関わる保険関係もお伝えしておりますので・・・

しかし凄いですねえ・・・2024年台風10号(サンサン)。
海水温がかなり高まっている日本の周辺でいきなり発生して、短期間に強力なまでのエネルギーを吸収して、いろんな要因も深まってあっちこっち迷走状態。

台風から離れた場所でも、強力な雨雲を吹き飛ばしてきて、あちらこちらに水害を・・・

本当に被害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。

西日本豪雨や、台風19号など、近年では凄まじい災害がひっきりなしですけれども・・・それに伴い当然ながら保険会社の方も対応が大変なわけです。

こと損害保険会社においては、自動車にしても火災にしても、私が保険屋さんになってから例を見ないほど、短期間の間にしょっちゅう料金改訂を行っています。

単純に言えば、とにかく支払いが多くなって保険会社の利益を圧迫しているということです。

私もことあるごとにいっていますが、保険会社に対して実情をたいして知らない人間が無責任に発信する情報の一つに「営利企業であるので一円も払いたくない」というような話がありますが、私に言わせればそうでもなく、本当に払いたくないだけで払わないでいたら、金融庁から業務改善命令を何回も受けることとなり、最終的に営業停止に至る可能性もあるわけです。

この営業停止というものは、一般の方からの想像をはるかに超えるダメージを受ける形になります。

飲食店が食中毒を出して、数日間営業停止になる・・・これだって大きなダメージになりますけれども、金融機関である以上ことお金の事に関しては許されない範囲が広く、関連会社を含めて、とんでもないことになりますので・・・想像だけであまり物事は語らないほうがいいという典型でもあるわけです。

さて話を戻しまして今回の台風によって・・・ニュース等を拝見しておりますと、やはり保険の見直しというのは大事だなと思うところが何回かあるわけです。

「そんなことは当然であって、大概は保険に入っているから大丈夫なはずなんだから、お前が偉そうなこと言うな」・・・確かにそうではありますが、保険屋さんでもある私がこういった話題をするときは、ちょっと何かの意図があるわけです。

今回は「水害を受けたのに払われないって?」ということは少なくありませんので、そのことを解説したいと思います。

1・保険における水災の定理を確認します



該当するのは損害保険の商品のうち、ジャンルは火災保険です。

火災保険は読んで字のごとく、昔は「火災」「爆発」「落雷」「破裂」という、火事につながることだけが補償範囲ではありました。

しかしながらそれだけでは、いろいろな災害に対応できないということで、さまざまなリスクに対応する保険が出てきました。
風災もそうですし、水災もそうです。

この「水災」は水の災害になりますが、基本的には下や横からの水になります。
つまり氾濫を基本としていて、集合住宅等の給排水管からの災害では有りません。

では、原因が河川にしろなんにしろ、氾濫であれば必ず保険金が支払われるのでしょうか?

答えはNOになります。

今回この話題を出したのは、皆さんの勤務先・・・特に開業されている方であるならば自分の城である治療院ですね。

ここに水害が来て被害を受けてはいるんだけれども、火災保険の約款上、支払われなかった場合があるので、保険内容を確認していただきたいのです。

まず多くの火災保険における水害の場合、支払要件が
・再調達価額の30%以上の損害を受けた場合
・床上浸水または地盤面から45cmを超えて浸水した場合


となります。再調達価額は保険用語ですが、これは設定した保険金額でざっくり思えばとりあえずはいいです。正確には実損払い・時価払いの区別等がありますが、今回は割愛します。

要は「スンゴイ被害になる」か「床上まで浸かる」までいかないと、保険支払いには至らないということが問題だと私は思っています。
ここで「あれ?」と思われる方がいたらその方はとても勘がいいかたです。

そう・・・

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