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多くの弊害を生む「自賠責保険はたいして審査しない」という謎の都市伝説を考える
いろいろな話を聞いていたり、SNSの投稿を拝見したりしていると、どうも医療従事者の方々の自賠責保険に対する解釈として
「たいして審査もしていないから、請求どおりに出るっしょ!」
的な解釈がされているのに驚くことがあります。
私の方で幾度となく、患者さんのためになるようで逆に追い込むことがあるとして否定している「被害者請求スキーム」も、ここから発展されていることなのではないだろうか?というふうに最近は考えるようになりました。
無料領域のところで先に申し上げますけれども、2015年くらいから拡大し始めた
「相手保険会社の任意一括請求対応を切って、自賠責保険に対して被害者請求を行う」
というスキームは、これって私が知りえる交通事故で本当に実力がある弁護士さんとかが、推奨して行っている様子を見受けることができません。
私が知らない方がやられているのかもしれませんが、判例を持っている実力者弁護士は、それなりに存じ上げておりその範疇の限定されたことだとは思いますが、制度・法律・実態がわかっていれば、安易に手を出すことではないということは明確なのですよね。
それを商売にされている方も居ると思いますけれども、私は断言できますよ!
安易に被害者請求スキームを出して交通事故を語るような方は
・木を見て森を見ていない
・無責任にお金が入ればそれでよくて事故被害者の事なんか知ったこっちゃない
のどっちかじゃないですかね?
事情があってやらざるを得なくてしている・・・まあその分魂売ってるんですか?と、私は理解しています。
私の被害者請求スキームに対する否定に対して批判があるなら、いくらでも受けて立ちます。
法律制度に則ったエビデンスでもって批判に対応して差し上げます。
そのときは、ぜひ事故被害者さんを目の前にして、どちらを選択するか決めてもらいましょうね!
それぐらい私、根拠あって否定していますから。
で、この被害者請求スキームという根本には、自賠責保険が支払われる際に、どういったバックボーンでもって請求審査が行われているか?ということが欠落していることが、多々あります。
今回はこの奇妙な都市伝説のことを取り上げてみましょう。
①いったい誰が都市伝説を言い出したのだろう?
②実務で目にする対応を考えてみれば、都市伝説に根拠がないことがよくわかる
③これから知識を得るべく人を、ごまかしの中でカモにしていると思わざるを得ない実態
この三本で構成して行きたいと思います。
①いったい誰が都市伝説を言い出したのだろう?
・自賠責保険はたいして審査もしていない
の発展形の一つだと思いますけれども、私が目にして「そんなわけ無いっしょ!」と思ったのが
・120万円までは医師の経過観察も要らない
というもの。
私は交通事故の現場を裏からも表からも見てきてますので、実際に目の当たりにした事実こそが真実と思っている人間です。
今でこそ、その件数は減ってますけれども、根拠もわかっていますが現時点でも、現在の保険会社の実務処理の実態を、よくわかってます。
これは保険代理店という立場のメリットであり・・・いや正直なところ私も保険屋さんになってから20年以上になってますけれども、当然ながら20年前と業務の処理方法はだいぶ変わっていますし、進化しているところもあればシステム発展がゆえに業務を拡大して対応しなくてはいけないことも増えまくっています。
そもそも10年以上前から、手書きの汎用申し込み書自体が存在しなくなってます。
つまり堅牢なシステムが出来上がっているので、殆どがオンライン作成になっています。
これにより、事故があった後に手書き保険申込書を作成し「実は事故の直前に入っていた」という不正はまずできません。
これでわかることは、書面上のやりとりがかなり減っているということです。
私が交通事故専門医療コーディネーターの業務の中で、弁護士から
「お手数をおかけしますがどの保険会社でもいいので、自賠責保険の支払指図書を数部手配していただけますか?」
と依頼があったので、某保険会社の損害サービスの中でも、自賠責専門の部署に行ってきました。
ここは私の保険代理店としての職権です。
自分も業務として補充したかったし、正式な募集人をもって代理店登録していますから、全くもって問題ありません。
その当時はそこまで意識しなかったんですけれども、そこに入った瞬間に2秒ほどフリーズしました。
そこにあったのは・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1718261650027-LGo5aG7NvV.jpg?width=800)
このような書類の束が、いくつもあったものです。
当然ながら写真は撮れていないので証拠はないのですけれども・・・
そこの建物のフロアはテニスコート一面分ぐらいあったのかな・・・そこにいくつも机があるんですが、テニスコート半面分ぐらいになるわけです。
その机の上には、書類、書類、とにかく書類!
写真では雑然に見えますが、もっとファイリングされ整理された書類が、ズラ~っとあるわけで、圧巻でした。
聞けば首都圏中の、自賠責保険請求書類が一旦ここに集まって、整理されてから調査事務所に発送される・・・とのことでした。
これで15年ぐらい前の話です。
現在でもこれがあるか?たぶん当時の光景は多分ありません。
現在ではまず・・・
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医療従事者のための交通事故・療養費・保険勉強会
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