改正する個人情報保護法は治療家にはそんなに縁が無いのか?いや・・・・

このマガジンは、主に治療家と呼ばれる方々からの購入がメインになります。

ただ、今回は無料開放部分は、一般の方にちょっと気にして頂きたい事も書きます。

実は3月の13日・16日はオンラインセミナー形式にて「柔整あはきのための改正:個人情報保護法対策セミナー」を行います。

柔整あはきとは

・柔道整復師

・鍼灸師

・あん摩マッサージ指圧師

の3つの免許所有者の略称になります。
それぞれが守備範囲や業務内容、そして勉強する内容が全くもって違います。

座学的には、柔整師が整形外科的な西洋医療寄り、鍼灸・あマ指師が東洋医療そのものの傾向であると、私個人は思っています。
(※ただし、東洋医療としても解剖学・生理学や臨床学などの一般的な西洋医学で発展した知識習得は行う)

国家資格と言われますが、正確には厚生労働省大臣からの免許を所有し、本来は資格よりも厳格であると私は認識しています。

ただ、同じ厚生労働省からの免許である医師・看護師を筆頭とする医科よりも研修機会が自助努力によってなんとか維持されていることから、イヤがおうにも関係法規やそれにまつわるコンプライアンスにおいては、少し後発気味なところは否めないのが正直な所。

今回の個人情報保護法に関しても、ちょっと留意点がいくつもあります。

まず、個人情報保護法は3年ごとの見直しがされることになっており、今回は令和2年改正個人情報保護法となるのですが、それ以前の2017年改正が大きい変化でした。

それは、それ以前が個人情報保護法は、1箇所あたり5,000人以上の顧客が該当する事業所だったのですが、1人から・・・なので全ての顧客を扱う職種に関して該当する事になったのです。

したがって、ご多分に漏れず柔整あはきも該当します。

しかしながら、2017年改正の時期以降に
「なにか、個人情報に関する周知や勉強を受けた事はありますか?」
との問いに、ポジティブな回答を得たことがありません。

そしてそこから数年が経過して2回目の改正になるのですが、今回も全くもって注意喚起が成されていないようなのです。

なので、個人としてセミナーを行う事としましたが、あまり参加人数が伸びないのが現状です。


さて、そこまでの個人情報保護法に関する習得の必要性を語りますが・・・具体的には、柔整あはきの現場において問題となる個人情報保護法に抵触すると思われる行為を少し羅列したいと思います。

コンプライアンスレベル(CL)として重要度を1~3で記載したいと思います。

①患者さんの見える場所に、個人情報が目に入る CL:2

→一番盲点は、受付の机の上の中身が見えて、そこから患者さんの情報が他の患者さんに見えてしまう

何気なく「○○さんからTEL 返信希望 090-○○○○-××××」といった付箋をPCの角とかに貼って、それが丸見えなど

②カルテ等々の棚に施錠がされていない CL:1

→現在の開業時には、カルテ棚には施錠義務があり、保健所の立ち会い検査の時は施錠状況を見られますが・・・夜間等の無人状態の際に、施錠が出来ない場合はNGになります。

ただ、施錠しておいても賊に侵入された・・・という事情で盗まれても、個人情報保護法的には「被害者であると同時に加害者」として責任が発生してしまうと言う実態があります。

私も保険代理店として、この業界で毎年「車場荒らしにPC盗まれた事件」が全国で数件起きているのを毎月行っているコンプライアンス研修で聞いていますが・・・保険募集人は当然ながら、かなり責任を問われています。

被害者でも・・・です。

ちなみに、現行の個人情報保護法におけるもっとも適切なデータ管理は「○○○○保管」しか結局は無いと、教わりました。


患者さんの情報を後に第3者に提供してしまう落とし穴  CL:2


→今回の改正で「仮名加工情報」関しての責任が明確化しました。

一番ひっかかるのは、症例などの報告です。

この難しい名称において患者さんとのやりとりで行われる可能性が高いのが「症例等々を院の外に出す可能性がある場合、本人に許可をとらなくてはならない」
と、いうことです。

これは医科でも同様なのですが・・・最初は普通に施術で通院していた。
その際は何も確認が行われていないが、後に症例を集めて治療家自身が所属する団体等での症例報告会。

そこで「Aさん ○○歳 性別 症状」といった、だれか分からないように「仮名加工情報」としても、今度の改正では本人の了承が必要になっています。

HP等で施術の感想を寄稿している・・・などは、本人了承されているとは思いますが・・・これが盲点なのですよね。

これは過去遡及までなってしまうので、昔は確認してない場合でも、使用する現在で連絡して使う旨の連絡を取らなくてはなりません。


④電話等々で転院患者の情報交換やりとりをしてしまう   CL;3

→良くある話なのですが、転居や仕事の事情で転院という事がたまにあります。

その際ですが、患者情報のやりとりを転院前後の院同士がTELで行ってしまう・・・と言うことがあります。

これは昭和から平成初期なら許されてしまっていますが、個人情報保護法的にはアウトです。

「こんど転院の予定の○○さん・・・この方・・・という症状で、これまでは・・・という施術していました。予後としては・・・です。あ、あと家庭の事情として・・・と言った点は気にしてあげて下さい」
みたいなTELがされてしまう場合があります。

この場合、TELをかける方もそうですが、受ける方も患者さんからの了承を得ていることを『患者さん自身から』確認しなくてはなりません。

もちろん、患者さんがOKならば問題ないですが・・・そのOKを確認・・・と考えると作業が必要になります。

しかしながら「同じ所属会だったら問題無いだろ?!」という、個人情報保護法の理解が進んでいない方も、たまにおられます・・・


⑤交通事故事案で保険会社から「個人情報に関する同意書」が送られてこないにもかかわらず対応してしまう。   CL:3

→信じられないかも知れませんが、保険会社担当の中には「接骨院には同意書要りませんよ」として、患者さんから取り付けるべく同意書を接骨院分をどういった意図かは不明ですが、送付してこない方がおられます。

実際、この手の相談は何回も受けた事があります。

さらにそこから・・・同意書を受領して無くても、対応してしまっている院もあります

完全にアウトという事を、仕事先で個人情報の扱いをされている方は、ご理解が分かると思います。

こればかりは「あ・・・無くてもいいんだ・・・」という勘違いをした治療家に問題があります。

交通事故に遭われた方は、あの同意書が無いと損害賠償の経過として請求作業が出来なくなりますので、保険会社から「同意書」が来たら記載して送付しなくてはいけませんが・・・

その際は、接骨院の分も返送しているか?も確認して欲しいと思います。


さてさて・・・一般の方にも分かりやすく、柔整あはきへの個人情報管理にまつわることを羅列してみました。

良くある5つを出しただけになります。

ちょっと気にしていただくと、きちんと管理している院かどうか?の指標になると思います。

特に、会社にお勤めで個人情報管理の一般を把握されている方なら「うんうん、当然だよね」的な項目と思います。

さて・・・私のマガジンは、当人である治療家の方に購入を多くして頂いていますので・・・ここからの有料ゾーンは、治療家向けに少し解答を補足したいと思いますね。


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