見出し画像

「交通事故の事はなんでも相談してください接骨院」を絶望させるために無免許・無保険バイクに突っ込まれる事案を解説してみる

今回は、あくまでも、こういうことについて知識をもって、それで患者さんに教える・・・という知ったかぶるレベルの業務を推奨しているわけではありません。

世の中には、患者さんの役に立ちたいと思うのでしょうけど、語れるのは多少の慰謝料とかその程度のことであって、実際は大変なことが多いのに「知っていますというフリ」で集患に繋げる・・・もしくはコンサルから無責任な提言でそのように告示しているのかもしれませんが・・・

下手に知っているアピールしない方が良いんじゃ無い?
これぐらいは最低限でも即答できるようになってないと・・・といったことで記事を上げていこうかと思います。


まずは表題にあるとうり、SNSであげられた無免許無保険バイクに突っ込まれたという話。

以下、Threadsにあげられた投稿を箇条書きにて、まとめます。
・息子が単車女2ケツに突っ込まれる
・相手はパトカーに追われ一時停止を無視していた
・相手は無免許・無保険
・息子の車両は中古のために車両保険の加入なし
・現場に駆けつけた相手方身内は刺青出して警察とケンカする様な輩


この上で「こういった無免許・無保険のケースに遭った人居ませんか?」と意見を求めていました。

・保険会社弁護士はOKか?「まかせておけば大丈夫」
・「スジを通してください」と話せば大方話通じると思う
・「大丈夫です。コチラの保険を使ってアチラへ請求してくれます。刺青してようが法律に触れることは出来ない」
・「自分ではしないで、警察と弁護士に任せておけば大丈夫です」
・自分の保険屋が修理代や怪我の治療費立て替えて分割で相手に請求する方法もある


とこのようなコメントが上がっています。
私はその後、この投稿に対して追跡をかけていないのでその後がどうなったか分かりません。
ただ、交通事故表も裏も見てきた立場からすれば、一筋縄ではいかないから大変だろうなと思うところは多々あります。


このあげられたことの中から、いくつかピックアップして解説して行きたいと思います。
①事故の発生状況における問題
②相手方親族状況などを含めた補償能力の問題
③自身の補償内容における問題
④弁護士に任せれば大丈夫なのか?問題
⑤費用の立て替えなど保険会社が、立て替えてくれるのか?問題

の5本でお送りします。

①事故の発生状況における問題


医療従事者はとかく、自身の患者さんが一番の情報ソースなので、患者さんから「事故で被害にあったの」と言われてしまえば、民事損害賠償における過失割合でも「過失0」と思ってしまいがちです。

蓋を開けてみれば、実は「30:70」の事故とか、患者さんにも過失があったりするケースがあります。

今回の事故で、文面を見る限りでは、後方なのか?側方なのか?前方なのか?・・・どっちの方向かわかりませんけれども、一時停止を無視して衝突してきたということなので、ありがちなT字路とかの一時停止無視による衝突を参考にすると「20:80」とかになるのかな?と考えたりします。

文面では、怪我など人身事故に対する記載はないのですが、物損においても当然ながら過失割合は関係してきます。


この過失割合が怖いのは、双方にとっての損害を責任で割り振るので、相手の損害に対しても20%の責任を負わなくてはいけない・・・これが過失割合による相殺の怖さです。

このところは医療従事者が細かく知るところではないので、ここまでにしておきますが・・・

患者さんが事故にあったとしても、すべて被害者で白か黒かってわけではありませんので、そこは念頭に置いておくべきなんです。

②相手方親族状況などを含めた補償能力の問題


刺青をしているとかありますが、社会的にそれなりに地位がある人でも最近はタトゥーを入れていたりしますので、それだけでは判断できなかったりします。

ただ、相手方はまず保険入ってないだろうなというのを想像しています。
私がチェックするのは警察官に食ってかかっているところですね。
そもそも、自身に非がない場合は変にムキになったりはしません。

自分自身側の責任を、少しでも軽減したい場合において無駄な騒ぎを起こすというのは、よくあることです。

社会的リテラシーがあって、まともな常識が通用するような家族であれば、何かしらの保険に入っています。
保険はお金がないから入るのではなくて、何買った時の責任をきちんと果たそうという思いから加入する事が多いです。

あ、何気に金持ちは保険入ってないと思われがちですけれども・・・意外に保険に加入されていたりします。

それは人生のマイナスの出来事に対して自分の財を出す・・・という考え方が、ネガティブなことだと考えている方がそこそこいます。

悪いことに対しては自分の財から直接出すのではなく、保険という制度を返して支払うという考え方を持ってる方が意外に多いです。

とにもかくにも、こういった相手方の場合は補償能力はまずないと・・・ゼロであるぐらいの覚悟は必要かと思います。

だから、私が保険の話する際は「人にくれてやるということではなく、自分自身を守るために保険入るという観点で検討ください」
とよく申し上げています。

③自身の補償内容における問題


今回も入っておいてよかったな・・・と保険屋として傍観しながら見て思ったのは、弁護士特約ですね。

コメントに上がってる中には「無保険車特約があるんじゃ無い?」と書かれていますが・・・


ここから先は

2,256字

FBページから始まった「半ばブラックボックス化された交通事故対応方法」の医療従事者向け勉強会。 ・勉強会に足を運ぶことが、なかなか叶わない…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?