保険会社へ人身事故にしないようにして?!警察官に余計なことを言われ混乱が生じた話
師走になると、やはり損害保険としては事故は増えます。
特段、何かあるというわけでは無いのですけどね・・・世間全体が、1週間程度の休暇にもなる正月をこなすために、産業が慌ただしくなります。
結果的に事故も当然ながら増加するわけです。
そんな師走の最中に、事故の第一報が私の携帯を鳴らしました。
フリート契約と言われる、10代以上車両を保有している、法人顧客の従業員さんからの直接の連絡でした。
・事故があったので連絡をしました
・今相手の人と警察官と一緒にいるんですが、保険会社の方で人身事故にしないでほしいんですけども、そのようにしてもらえませんか?
・警察官は、保険会社は、物損でも対応してくれるはず、そういう制度がある、と言ってます
ええと・・・ちょっと待ってくださいね・・・
第一報の開口一番でそのような内容ですと、まずこちらも意図を理解するのが一手間なんです。
この記事を読んでくださっている方にも、整理しがたい・・・よく言われるような人身と物損の取り扱い。
そして、この場で警察官が言ったことがさらに混乱を深くしたと言う・・・
本来は民事不介入でありながら「あなたがそういうことを言って、本人を混乱させないでください」と私が諫めることになったこともご説明したいと思います。
それにより、この辺に関する知識の整理にもつながれば幸いです。
①そもそも人身事故は、どうやって決まる?
②運転されていた方は、何を恐れていたから、物損にこだわった?
③警察官が巻き起こした混乱の元を整理してみる
の3点で、今回は整理していきたいと思います。
①そもそも人身事故は、どうやって決まる?
そもそも論から始まっていますけれども、物損なのか、人身事故なのか?
決めるのは、警察というのがデフォルトになっていますが、前提としてあるのが人的被害が生じているかどうか?になります。
その上で決めると言うよりも、状況として判断するということが正しくはなってきます。
事故が起きて、すぐに救急車を呼ばなくてはいけない、誰がどう見てもケガ人が出ているの・・・と言う状況であるならば、問答無用で、人身事故として取り扱わなくてはいけません。
ただ、その場において出血や骨折などがない場合、一旦物損で取り扱う場合があります。
いわゆる、事故処理が終わってから、どんどんと体の異変が目立って、通院に至る・・・そんなケースです。
これは私のときの事故もそうでした。
これで受診により怪我が診断され、診断書が上がってきた場合・・・警察は人身事故に切り替えて処理を始めます。
人身事故になった場合は、実況見分を取り行わなくてはなりません。
いわゆる、事故現場で交通捜査官が、交通整理しながらメジャーもって距離を測定したりするアレですね。
当日、翌日であるならば、いざ知らず、日付が経過すれば経過するほど、警察は嫌がります。
なぜか?
一言で言えば、めんどくさいから。
とにかく事故後の処理が手間だし、場合によっては、刑事処分を決める検察に送致しなくてはいけません。
なので、目立った怪我がないのであるならば、警察側としても人身事故にしないで、物損のまま処理されるのが楽なのです。
また、何かしらのキャンペーンが貼っていたり、目標設定がされていた場合、死者や怪我人は上部組織に数を報告しなくてはなりません。
お役所仕事的な問題なのは、ここで、とにかく数字が上がらないほうが治安が保たれた・・・的に評価されるのです。
ここまでは形骸的な事ですが、怪我が出てない場合、次に選択肢を委ねる相手があります・・・それが被害者です。
被害者が「別に物損事故のままで処理してもらって構わない」と言うのであるならば、いわゆる「三方良し」と言う、みんなが楽ならそれでいいじゃないか!となるのです。
しかしながら、このちゃんちゃん解決的なやり方を1番危惧して「やるべきではない」と警告を出すのは・・・
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