株式会社篤農/森岡多絵さん
2023年7月28日&8月4日放送
今回のお客様は、香南市夜須町で高級メロン【一果相伝マスクメロン】を栽培している「株式会社篤農」の森岡多絵さんです!
▶ 導かれるようにメロン栽培へ
南国市の兼業農家に生まれた森岡さん。会社勤めの傍ら、米や野菜を作る忙しい両親を見て育ち、中学卒業後は高知農業高校へ進学します。…と聞くと「将来は農業の道に進みたくて」と思ってしまいますが、ご本人曰く「家から近かったこと」と「勉強が楽そうだったこと」が決め手だったとか。中学生の頃から生け花を習っていてフラワーアレンジメントにも興味があったので園芸科を選びます。
花に興味があって園芸科に進んだ森岡さんですが、花の勉強は花卉農家の子どもが優先だったこともあり、不本意ながら果実の専攻へ。しかしそこで出会ったのが、香南市夜須町で親子三代にわたってメロンをつくる農家に生まれ、将来は家業を継ぐことが決まっていたご主人の健児さんでした。紆余曲折がありながらもメロン栽培の仕事へと導かれていく訳ですから、人生って分からないものですね。
▶ こだわりの一果相伝マスクメロン!
結婚を機に就農し、3人の子どもを育てながらメロン栽培に取り組んできた森岡さんご夫妻。メロン農家が激減する中、このまま衰退していくのか、それとも規模を拡大して勝負に出るのか、という難しい選択を迫られます。栽培面積を広げるならば自分たちだけで栽培することは出来ないので法人化をする必要がある。しかしそれでやっていけるのか?
悩んだ挙句、森岡ご夫妻が出した答えは…「農業法人化して、従業員を雇い、栽培規模を拡大すること」でした!こうして、2016年に「株式会社篤農」を設立。国内最大級のメロン栽培拠点への道を歩み始めるのでした。
農業法人化を選んでからは拡大路線を採ってきた「株式会社篤農」。現在は11棟のビニールハウスで年間10万玉以上を生産しています。マスクメロンは少しずつ時期をずらしながら年間をとおして栽培しているので、10日に一度収穫があり、一回に3千玉を収穫して全国各地に発送しています。
栽培方法の最も大きな特徴は一本の蔓に一玉だけ実らせること。一つの果実に栄養と愛情をしっかりと行きわたらせています。学問や芸事などを自分の子どもの中の一人にだけ伝えるという意味で『一子相伝』という言葉が使われますが「株式会社篤農」でも《一本の苗に一玉だけ》という栽培方法で作っているので、一つの果実という意味で『一果相伝』というブランド名を付けています!まさに、エリート中のエリートのメロンなのです。
また優秀な種にもこだわっていて、夏の暑さに強い種、日照時間の短い冬でも育つ種、そして寒暖差のある春・秋向けの種の3種類を蒔いています。
さらに土にもこだわり、油かす、骨粉、魚粉、発酵菌などの厳選した素材と稲わら堆肥&山土を混ぜ合わせて作る自家製有機肥料を使った健康な土壌でメロンを栽培しています。
そしてメロンの生育に適した環境を作り上げるために徹底したデータ管理も行っていて、灌水量、温度・湿度、二酸化炭素濃度をコントロールしながら、一玉一玉に愛情を込めて栽培しています。
ここまでこだわった『一果相伝マスクメロン』を是非ご賞味ください!
▶ 美味しく召し上がっていただくために
お届けした『一果相伝マスクメロン』を、いちばん美味しく召し上がっていくための準備も抜かりはありません。
メロンは収穫してからの積算温度によって追熟が進むので、完熟の一週間ほど前に発送しています。逆に言えば、届いたメロンをどういう状態で保存するかによって食べごろをコントロールすることが出来るのです。
例えば、暖かい場所に保管しておくと食べごろが早くなったり、寒い場所で保管すると食べごろが遅くなったりします。こうして食べごろをコントロールし、お好みの柔らかさになったら冷蔵庫で冷やして食べるのがいちばんの食べ方なんだそうです。
「株式会社篤農」では、お送りするメロンに食べごろを知らせるカードを同梱しているほか、YouTubeチャンネルで「食べごろの見極め方」をお知らせしています。最高のメロンを、最高の状態で食べていただく。それが『一果相伝マスクメロン』のこだわりなのです。
『一果相伝マスクメロン』は「篤農オンラインショップ」で注文できるほか、高知市追手筋の日曜市や、自社の直販所で販売しています。
★産地直送通販サイト「食べチョク」では、果物部門で2年連続第2位!
直販所は、基本的に毎週月曜・水曜・土曜日に営業しておりますが、収穫状況によっては営業していない日もあります。営業日はインスタグラムやブログでご案内していますので是非ご覧ください。
『 一果相伝マスクメロン直販所 』
【住 所】 香南市夜須町出口766番地1
【お問合せ】 050-5527-1650
▶ 加工品の製造・販売も!
「株式会社篤農」では【一果相伝マスクメロン】を使った加工品、その名も【完熟マスクメロンピューレ】を製造しています。
熟度と糖度を見極めたメロンをそのまま丸搾りし、急速冷凍で風味を閉じ込めました。甘味や香料を加えていない完熟マスクメロン100%の味わいは、一般的なメロン加工品とは全く違います。そのままジュースとして、また半解凍でシャーベットとしてお楽しみください。
▶ 直営店舗も運営しています!
さらに、香南市夜須町のヤ・シィパーク・やすらぎ市では、直営店舗の【VEGE FRUTTA(ベジフルッタ)】を運営しています。
フルーツトマト農家の西内農園と提携して運営しており、農園で収穫したばかりのマスクメロンやフルーツトマト、そのほか地元の新鮮な野菜などをとおして、お客様と直接コミュニケーションができる貴重な場所です。
【VEGE FRUTTA】では、一果相伝マスクメロン100%ジュースや、西内農園のフルーツトマト100%ジュース、香南市野市町産のイチゴや田野町産のブルーベリーなど素材にこだわったフレッシュジュースのほか、アイスクリームやシャーベットも販売。夏の時期は、バニラアイスと一果相伝マスクメロン、ミレービスケットで作ったかわいいパフェ【くまちゃんのメロンタイム】がオススメです!ぜひお立ち寄りください。
『 VEGE FRUTTA(ベジフルッタ) 』
【住 所】 香南市夜須町千切537-90
【営業時間】 午前10時~午後5時
【定休日】 毎週火曜日
▶ メロン栽培の技術を世界へ!
親子三代45年にわたってメロン栽培に行ってきた森岡さんご夫妻は、全国的にメロン農家が激減している中、次代を担う生産者の育成にも取り組んでいます。
メロン栽培には設備同様、それ以上に高い栽培技術が必要であり「メロンを育てる人を育てる」ことが何よりも大切です。最も大切にしているのは、作物を育てるための感覚を磨くこと。作物にとって適正な温度・湿度を皮膚感覚ですぐに察知し判断できることや、作物の声を感じ取るようにじっくり観察する力など「五感で感じる力」が必要だと考えています。
「株式会社篤農」ではその感覚を養うために、練習用のトレーニングハウスを使ってメロン栽培を行っていて、ときには失敗も経験しながら五感を使った実践練習を積んでいます。
また7年前からは外国人労働者の雇用にも取り組んでいて、現在はベトナム、インドネシア、カンボジアの3カ国から実習生を受け入れています。若くて、真面目で、やる気がある彼らには、メロン栽培のみならず農業全般で役立つような知識を習得してもらうほか、日本語検定の取得や、パソコン操作の習得にも取り組んでもらい、母国に戻ってからも活躍できる人材を育成することを目標にしています。
コロナ禍前は、森岡さんがそれぞれの出身国に出向いて実習生のご家族のもとを訪れ、彼らが熱心に頑張っていることや、雇用主である自分たちはこんな想いで彼らに接していることなどをお話ししていたそうです。もはや、「株式会社篤農」全体が一つの大きなファミリーのようですね。
▶ 今後の夢は?
ご主人との二人三脚で生産規模を大きく広げ、現在は主に販売面を担当している森岡さん。お客様に【一果相伝マスクメロン】のファンになってもらえるよう、どうしたら喜んでもらえるかを常に考えています。真心を込めたサービスが、リピーター獲得の原動力になっているようです。
《 決断力・判断力・行動力 》のご主人・健児さんと、《 真心・気配り・サービス精神 》の奥様・多絵さん。ナイス・コンビネーションですね💗
最後に森岡さんの今後の夢を伺いました。
① 日本の農業を元気にしたい!
衰退気味の日本の農業をもう一度盛り上げ、若者が希望を持てるようにしたいと考えています。なりたい職業ランキングに農業が入ることが夢です。
② 販路を拡大したい!
【一果相伝マスクメロン】をより多くの人に召し上がっていただきたい。そのためには国内のみならず、海外にも販売していきたいと考えています。
③ いろんな国の人と働きたい!
今はベトナム、インドネシア、カンボジアの3カ国ですが、もっといろんな国の人と一緒に働いて、彼らの母国へ行ってみたい気持ちがあります。
異国で働く海外実習生にとっては「日本のお母さん的存在」の森岡さん。実習を終えて母国に帰る若者たちからは「将来、結婚式に来てください!」と言われるほどの信頼関係を築いています。
「株式会社篤農」のチームワークの良さが、美味しいメロンを生み出しているんだと思います。まさに「一家総出で一果相伝」。これからも美味しいマスクメロンをたくさんの方々に届けていってください!!
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