【本書の紹介ガイド No.03】
『若きアントレプレナーに贈る 独立・起業の序破急FINAL ー新しい自分の形への挑戦ー』は、著者の50年に及ぶ事業の成功と失敗から、事上磨練(実際の行動や実践を通して知識や精神を磨くこと)のもと書かれた本であり、これから起業する人にとって必ず「生きた教材になる」ものと確信しております。2回、3回と読み直してみることをお勧めします。
本書に寄せられた読後の感想文をご紹介させていただきます。実際に自らが起業し、それぞれ多方面でご活躍されている方々のことばを参考にしていただけると幸いです。
塩原勝美 様
拝啓
『若きアントレプレナーに贈る 独立・起業の序破急』を拝読させていただきました。恥ずかしながら「序破急」の言葉は初めて見ました。現役時代は某社長が「守破離」と言っておりましたので、その印象が強く残っております。
全編にわたって、若きアントレプレナーに熱く語りかける一言ひとことが塩原様の体験から湧出された実践に基づく理論であり、緊張感をもって読ませていただきました。
小生も社労士仲間と「医師の働き方改革」に関する勉強会を立ち上げ、2018年に一般社団法人を設立。6名の社労士理事の構成で何となく理事長を務めることになりました。
1名は経理に詳しい社労士、1名は数冊の病院の人事制度に関する出版をしている理論家の社労士等で発足したのですが、顧問先は私立大学付属病院のみで2年後には休眠会社としました。
塩原様の本書でふれられている「独立・起業のワナ『リスクその1 パートナー選び』」そのものを体験しました。
発足後1年目に「言い訳が多く、責任感が乏しく、時間的観念がない人」が辞任。その後は「口先三寸、口舌の名手で日頃の会話において誠実さに欠ける人」が辞任。
2年目に頭脳明晰であるが、協調性のない理論家がフェードアウトという形になり、解散の憂き目となりました。士業という一匹狼の集団を維持することの難しさを痛感しました。
『序』の章では、士業や専門性の高い業務の独立・開業とりわけ下町生まれのおきゃんな方の仕事をする上での信条の12項目に同感です。
『破』の章では「独立・企業のワナの3つのリスク」、『急』の章では「諸規程の導入はより慎重に」の項目に同感しました。
現在小さな病院と老人施設を有している医療法人の就業規則や賃金規程等の諸規程を見直す仕事に関わっております。規程はある程度整っているのですが、打ち合わせを重ねているうちに規程と運用実態に大きな乖離のあることが判明し、その対策に頭を痛めております。
医療機関はどちらかというと労務管理面ではやや杜撰な面が多く、この見直し作業をする必要がありますが、小生の体力面からもこれ以上の関係先を増やす余裕もありません。
365日24時間稼働している医療機関の医師の方々の献身的な長時間労働にも驚いておりますが、医師以外の医療従事者の方の労働環境は決して恵まれているとは言えず、何とか是正しないと日本の医療は崩壊するのではと危惧しております。
塩原様のライフワークである若き起業家を「生み・育てる」活動の集大成の本書には大いに刺激を受けました。貴重な書物をご恵送いただきありがとうございました。
敬具