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# 7「あなたの目指す産業保健の理想像は-よーた編」

産業保健もやもやハレハレ

この番組では、産業保健についてモヤモヤするけれど、身近に語れる人がいない!そんな孤独な産業保健職と一緒に、現場にありがちなモヤモヤを3人のパーソナリティと共に深掘りしてみます。

「よーたの目指す理想の産業医像は?」のもやもや🌥️

いが:今回は「よーたの目指す理想の産業医像は?」と言うことで,パーソナリティの、ひととなりを知ってもらおうという企画です!

よーた:はい笑

いが:そういうわけなので今回はよーたさんではなく僕が司会を務めていきます

よーたの経歴〜産業医を始めるまで〜

いが:まずは今までのキャリアを“短ーく”喋ってもらってもいいですか?

みずえ:いつもよーたさんが話すと長くなるから、いがちゃんが釘刺してる笑

よーた:なんかいがさんの司会新鮮だね笑 

みずえ:だねー

よーた:僕は元々沖縄で総合内科をやってて,そこではうつ病の人たちをあまり診れなかったから心療内科を学び始めたのね。で、そこで働いている人がそういった症状を持っているっていう現状を知って、しかもそこで初めて産業医の存在を知ったの。医師7年目で笑

いが:へぇ!

よーた:それで興味持って、産業医の講義を受けに行ったら、師匠である浜口先生と出会っちゃったのよ笑 そこから勉強会に誘われて,産業医の世界にノコノコ入っていった感じだね

みずえ:誘われたんだ笑

よーた:講義が楽しかったからついつい質問しにいっちゃったのよね笑

いが:なんの質問したのよ笑

よーた:なんの質問をしたかはもう忘れちゃった笑 かれこれ何十年も前だからね

みずえ:それがいわゆる“伝塾”ですか?

よーた:伝塾になる前の集まりだったかな

よーたの経歴〜産業医を始めてから〜

いが:次は、産業医を始めてからi CAREまでの道のりを“短く”お願いしてもいいですか?笑

よーた:はい短くね、わかりました笑 当時は産業医の作業がすごーーい非効率に感じてたのよ. メールとかExcelのセルの結合とか,すごい働きにくいなと思ったのよね笑 そこで電子カルテみたいなのを最初はiCAREで作りたかったのよ まぁ頓挫したけどね

みずえ:それはまた別の機会にね笑

よーた:そうそう笑 で、その時はちょうど病院経営もしてたのよ だから半分半分って感じだったかな 朝は浦安で潰れた病院の再建をやって,午後はiCAREの仕事をやって、、みたいな

よーたの描く理想の産業保健

いが:iCAREの創業の話はまた別の機会に聞くとして笑 今はビジネスというかヘルスケア領域で関わっておられるよーたさんですが,産業保健についてどんな理想像を持っているかということを話していただきたいです!ここは長くてもいいですよ笑

よーた:いちいち茶々入れてくるよね,この司会者は笑

働くことで健康を害している事実

よーた:10年前産業医をやってた時は,浜口先生のおかげもあってどんどん成長していくからそこが楽しかったのね で、iCAREを始めてからは、「社会の課題ってなんなんだろう」っていう目線で見るように変わっていったのよ

いが:ほうほう

よーた:“働いてる人ってみんなが思ってる以上に健康を損ねてるんだ“ってファクトに直面したのよ。死亡原因の第四位って労働関連死なんだよ? これはWHOとかでも出てるし、“働くって世界中で健康を損ねている証拠“なのよ。もし死んじゃったとして、死因が1〜3位の脳卒中とか心臓病なら加齢もあるから、悲しいけど、まぁよく頑張ったよねみたいになるじゃん。でも25歳で職業関連死したらどうよ。もう憤りだよね 

補足)
①虚血心疾患900万
②脳卒中600万
③COPD(閉塞性肺疾患)300万
④労働関連死300万
⑤感染症260万 という計算

みずえ:確かにそうだよね、、

よーた:この領域にはそういうロジカルではなくエモーショナルな部分があって、だから働くことで健康を損ねないようにしたいってことでiCAREを作ったのよね

いが:その目的には近づきました?

よーた:13年やってるけど、まだまだ遠いねぇ やっぱ健康って“幅広い“のよ

健康について本人が“納得“できているかは重要

よーた:僕らはWHOもそうだけど、精神的・身体的・社会的に満たされるのが健康ってよく言われるじゃん。そうなんだけど、さらに本人たちが「納得」できてる上で満たされてるかが「健康」だと思うんだよね。だから押し付けるんじゃなくて、“働く環境をどう変えていくことで健康を作りますか“というのが求められている気がする

いが:最近ではウェルビーイングという考え方も出てきてますけど、この13年間で考え方は変わりましたか?

健康を押し付けたくない

よーた:僕は、変わったものと変わらないものがあると思うのよ

いが:ほうほう それちょっと聞きたいね

よーた:変わらない考え方で言うと、僕は「健康を押し付けたくない」のよね

みずえ:ずっと言ってるよね笑

よーた:過去に、糖尿病の患者さんに対して褒めまくったら何回も来てもらえたっていう経験があったり、逆に糖尿病はこうだって決めつけてダメだったっていう失敗した経験もあるし、だから健康は本人の価値観の中にあって、それは専門家が口出しする問題じゃないと思ったのよ。でも、口出した方がいい時ももちろんある。その人が変わりたいとか知りたいって言った時とか、働くことで健康を害することがあればそこは介入すべきだと思う. でも健康は価値観っていうのは変わらないかな

いが:なるほど

よーた:変わってきたものは、年取ったからかもしれないけど、本人が頑張って健康を作るってのに対して諦めてるって感覚かな笑 

いが:ほう??笑

よーた:昔は本人が頑張って行動変容させるようにすっごい頑張ってた自分がいた笑 でも、今はそういう一人一人の個人の行動変容よりも集団とか組織がどういうふうに変わっていけるのかっていうふうに変わっていった気がする

いが:それはつまり、目指すべき産業保健の理想が、働くことで健康を損ねない世界をつくることはそうなんだけど、、、なんだろうね、諦めっていうワードが笑

みずえ:諦めっていうと言い方悪いけどね笑 でもポジティブな意味だよね

山の登り方が違うだけ

いが:距離感が本人の決定を尊重しながらって意味なのだと思うけど、じゃあ産業保健としてどういって関わるのが理想なんですか、よーたさん的には

よーた:これは山の登り方と同じだと思っていて、例えば組織活性という方向からより、ワクワク働けるようにしたいってことでもいいし、製造業とかで安全第一というところからスタートにしてもいいし、一般的に臨床から始めた人とかは安全衛生委員会、面談、職場巡視みたいなところから始めたらいいんじゃないの?とは思う でも、ここまでやるべきみたいな“べき論“は持ってないかな。登り方が違うだけ

みずえ:ほう?

よーた:例えば、健康保健の事業に関わってもいいし、両立支援にも関わってもいいし、健康経営とかに関わっても別にいいのよ。だから、やれる範囲って自分に制限をかけない限りどんどん広げられる

全部が健康をつくっている

よーた:僕は、そういったこと全部が健康を作ってると思うんだよね だから僕自身はそれを応援していきたいかな。そうすれば働く人がより健康になっていくと思う だからSDHだよね Social Determinants of Health(健康の社会的決定要因)

みずえ:個人の努力じゃなくてね

よーた:うん 環境要因が多いと思う

みずえ:「そこも産業保健としてやってもいいんだ!」っていう視野の広さを持ってる人ってあんまりいないから新鮮でした

よーた:産業保健師さんで「もう少し人事やりたいです」っていって人事部になってる人もいたよ

みずえ:現場でやってると組織構造の問題かなって思うのは多いけど、その問題にアクセスしたいなって思うとマネジメントとか人事の話になってくるから人事に行きたくなるのかもしれないね

よーた:それこそコンサルとかにもなってくるよね だからべき論で決めつけるんじゃなく、状況に合わせて健康という山をどういう登り方でいくかって考えろってことだよね

いが:産業保健という同じ山でもいろんな登り方があるってことですね

理想を実現するための現実的な課題とは?

いが:産業保健が目指す世界を実現するための課題とかギャップは、特にどこら辺にあると思ってるんですか?

よーた:現実的な話をすると、逆説的に産業保健の専門性とか資格が必要かどうかっていう議論にもなっちゃうんだけど笑

いが:ほうほう?笑

産業保健職に可能性がある!

よーた:せっかく資格としてあるものを最大限活かそうとしても、バイト感覚でしている産業保健職の先生の影響もあって価値を下がっちゃってるというのかな? 別に非難しているとかではないんだけどちょっと可能性を潰しているような感じがして勿体無い感じがするかな。。。

いが:ふむふむ…

よーた:そこに可能性あるんだよっていうのは僕自身としても提案していけたらなとは思うけどね。これが課題かな

いが:理想的には、全員健康で僕らみたいな産業保健職が必要ない世界が理想ではあるんだけど、現実は専門家がいないとそうはならないし、その一方でその産業保健職の人材の質とか量がまだ足りてない、追いついていないっていう話ですかねー?

よーた:そうそう、そんな感じ。まとめてくれてありがとうございます笑

みずえ:大体よーたさんの世界観が見えた気がする笑 リミッターをつけるなってことだよね

よーた:でもこれってコンフォートゾーンにいる人からすればきっとうざがられていると思うんだけど、でも本当に可能性はあるのよ!笑

「よーたの目指す理想の産業医像は?」のはれはれ🌞

いが:じゃあ最後にモヤモヤがハレる言葉を言っていきましょうか 聴いてくださってる方によーたさんからメッセージとか、このモヤハレをやっている動機を喋ってほしいなと思います よーたさんの想いをね❤️‍🔥

よーた:これがいわゆるぶっ込みってやつね笑

みずえ:いつもよーたさんがやってるやつですよ笑

産業保健職はもっと活躍してほしい!

よーた:この業界って飽くなき知識が幅広くあるから、1人でやってると限界が来るんだよね笑 だからネットワークであったり、COEDOHみたいな切磋琢磨する「場」がこの領域においてとても大切なんだよね で、そういう場所に入るとちゃんと勉強し始めるのよ そして勉強したことを周りにGiveして、そうしたらもっと輝き出すし、専門性も高まり、場合によっては報酬にもつながるし笑 それをラジオという形を通して「みんな輝いてほしい」、「もっと活躍してほしいんだ」って伝えようと今回の収録も臨んでいます 

いが:いい話ですねー!!

みずえ:じゃあこれで締めますか笑 今回でよーたさんの人となりを知ってもらえたでしょうかね笑 ではまた次回もよろしくお願いします〜!

音声ソース

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