すみれの花の砂糖づけ
すみれの花の砂糖づけ
冷静と情熱のあいだが有名ですね。江國香織さんの詩集です。
この人の感性は、正直です。人間らしくて、女性らしい。
一つだけ詩を紹介します。
真実
朝 一人で飲むコーヒー
雨の日は雨の日の味がする
曇りの日は曇りの日の味がする
雪の日は雪の日の味がする
晴れの日は晴れの日の味がする
あの一杯のコーヒーのために 生きているような気がする
この詩が好きで、飲めないコーヒーの淹れ方を覚えました。
それにコーヒーも甘くてミルクがいっぱい入ったコーヒーだけど
自分で入れて飲むようになりました。
嬉しいことも 悲しいことも もやもやした感情も 自己嫌悪も
全部短い言葉で ちゃんと余韻と一緒に言語化されていてなんか落ち着きます。
全然かわいくないところが、すごく好きです。
それでいて、なんか人の感情の真理を突いている気がします。
こういう詩は 言語化できない気持ちをうまく心に落としてくれます。
読むタイミングで いいなと思う言葉も 感じることも変わる気がします。
自分の気持ちがうまく映るような 詩集です。