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一つの実り、次の一歩へ

「そろそろ寝た子を起こさないといけないね。」
秋分の日を前にいつも鑑定をお願いしているH先生からいただいたメッセージ。

もともと「美と豊かさの循環」を目指して3年前にジュエリーや香りをベースにした会社「P.F.B.フォンテーヌ ・ブロー」を設立しましたが、いろいろなご縁が繋がって全く想像すらしなかった「神社仏閣、歴史的建造物の修復、美観再生、管理」に携わることとなりました。最初は「フォンテーヌ ・ブロー」の一部門としてその事業を行うつもりでしたが、2年前に「HIMEMIYA」として独立させ法人化し、それからは自分の時間と能力(思考力)をほぼ「HIMEMIYA」に注力してきました。

神社、お寺、御神輿など、この仕事をやっていなければ手に触れること、足を踏み入れることが許されなかったような場所でお仕事させていただくことは、それだけ尊い、身に余るようなことだという感謝、未知の分野で「現代の名工」を始め、多くの方々のサポートをいただきながら進めていく仕事にもちろんやりがいも感じておりました。

ところが今回「延命魂」のお仕事を無事に終えたときに、ふっと肩の力が抜けたような気がしました。

「ここまで来ることができた。ここまでの仕事を許された。」という思いと、それを達成したのは実は私ではなく、圧倒的に「現代の名工」の人間力、技術力、精神力と大いなる愛があってこそだったのだと感じたのです。

また同時に、おかげさまで受注やお問い合わせもコンスタントにいただくようになり、いわゆる「軌道に乗った」という小さな安堵感と、自分が目指してきたビジネスモデルのベースが完成を見たというちょっとした達成感と微かな自信も芽生えました。

すると今度はずっと抱えてきた「HIMEMIYA」の仕事に自分は本当に必要なんだろうか・・・という思いも頭にチラつくようになりました。

いやいや、まだ目指したいところはある、目標の数%しか達成していない、もっと見てみたい世界がある。そんな強い思いもありますが、それをH先生の一言が整理してくれました。

こちらも確かに尊いお仕事ですけどね。やっぱりどこか『人のため』なんですよ。名工のため、お弟子さんのため、職人さんたちのため。それはあなたの慈愛が支えてきたものなんです。でもね、あなたががんばらなくてもできるレベルになったんです。あなたがいなくてもできるところまで来たんです。

そしてH先生は続けます。

あなたにはまだ他のお役目がある。どちらかというとそちらの方がピッタリハマりますしね。
美しいと思うもの、感覚的に好きなもの、高貴で品の良いもの。
そちらにもっとあなたの能力を生かしてください。

ジュエリー、香り、身につけるもの、口にするもの・・・・
いくつかのヒントとともに、H先生は「あなただからできるんですよ。」と大きな笑顔を向けてくださいました。

「寝た子を起こす。」
自分の中に眠らせていたのか、眠らされていたのかは分かりませんが、「パレス ・フォンテーヌ ・ブロー」もそろそろ動かしていかねばなりません。
HIMEMIYAと違って、こちらは「現代の名工」的な執事(笑)はまだおりませんから、ビジネスとして成り立たせていくには、一つずつ積み重ねていく必要もあります。ですが、おこがましいのですがゼロから立ち上げたHIMEMIYAのお仕事が「こうありたい」「こんな形にしたい」という目標に向かって道が切り拓かれ、多くの方々が関わってくださるようになったこの2年の歩みを考えますと、何も恐ることはないと思えます。

一つ大きく違うことは、自分の趣味の領域なのでビジネス的視点で捉えられないということでしょうか(笑)

多くの人が集い、美しさ、豊かさを分け合う空間にしたいと願って名付けた「パレス ・フォンテーヌ ・ブロー」。その名前にそぐわぬように、大切に心を込めて育てていこうと思いを新たにしております。

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