なぜ今「AR×SaaS」に取り組むのか?PretiaのSolutionチームが作るARの未来とは
こんにちは、Pretia Technologies代表の牛尾です。
プレティアにはARを活用したSoftware-as-a-Service(SaaS)を開発・提供するSolutionチームが存在します。Solutionチームは、ARのユースケースを増やし、みなさんにARが有用で身近なものとして感じてもらえることを目標にしています。本記事では、実際に「どんなことをしているのか」を紹介します。
書いた人:Pretia Technologies Inc. CEO 牛尾湧(Yu Ushio)
「ARのSaaS」?Solutionチームが作っているプロダクト
Solutionチームでは現在2種類のプロダクトを手がけています。
1.MetaAssist
製造業向けの遠隔顧客サポート支援ツール「MetaAssist」を開発しています。ZoomやMeetのようなビデオ会話越しに相手側の空間を認識し、視覚的な指示を送ることができるサービスです。
具体的には、上記の写真の例のように、ビデオ通話を行いながら実線を描いたり、指示者の手を透かすことで円滑な指示を行うことができます。いわば「手取り足取りをリモート化」するサービスです。
MetaAssistによって、顧客の課題がテレビ電話をつなぐだけですぐに解決でき、実際に企業のだれかが足を運ぶという物理的な時間を短縮することができます。
サポート担当の時間あたりサポート件数の増加、1件サポートあたりの平均所要時間は短縮等、サポートする企業・される顧客の双方にメリットをもたらすサービスです。対象顧客としてはメーカーの顧客サポート部門や品質保証部門などが挙げられます。
2.EC向けSaaS
コロナ禍でEC市場は20.1%成長する(※1)等、大変な活況を見せています。プレティアは、そういったEC事業者、特にアパレル企業向けにARを活用した
例えば家具販売領域では、ARを活用した試し置きサービスをWebサイトに導入したところ、コンバージョン率が8%増加した(※2)というデータもあります。
本サービスはまだ一般公開前の段階のためここでは具体的に語れないのですが、面接にお越しいただければもう少しお話できます。ぜひカジュアルに応募ください。
現在は以上の2つのプロダクトを取り扱っていますが、ARを活用したサービスは中長期的にはさまざま立ち上がる可能性があります。市場の成長や各産業の受容度に合わせ、プレティアでも取り組むドメインを増やしていく可能性はあると思います。
※1: 公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)「通販市場、20.1%増の 10.6 兆円市場へ」https://www.jadma.or.jp/pdf/2021/20210823press2020marketsize.pdf
※2: Vertebrae Inc.「CORT takes shopping for online furniture rental to new heights with 3D & AR」https://www.vertebrae.com/customer-stories/cort/
なぜAR×SaaSに取り組むのか
あらゆる領域・産業向けのSaaSが乱立するなか、なぜプレティアがAR×SaaSに取り組むのでしょうか。
まず1つに、プレティアのミッションを実現するためということが挙げられます。
これまでプレティアはエンタメをはじめとし、誰でも簡単にAR開発ができるARクラウド「Pretia」をリリースしたりと、コンシューマー向けのプロダクト・サービスを多くリリースしてきました。一方で、「共に達成する喜びを届ける」というミッションを成し遂げるためには、コンシューマー向けプロダクトだけではなく、職場活用等のBtoB領域でもARの恩恵を享受する人口を増やしていくことが必要と考えました。これによって、結果的にARクラウド「Pretia」の応用範囲が広がり、ARそのものや「Pretia」の広範な経済価値が証明されることにつながります。
公私さまざまな場でAR活用がすすむことで、ARがより有用で身近なものとなり、「共に達成する喜び」を多くの方に届けられます。
2つ目はビジネスモデルの観点で、再現性の高い収益基盤を得るためという理由が挙げられます。2022年5月現在の資本市場では大きく株価の調整が入っているとはいえ、Recurring revenue(継続発生する売上)重視の企業経営は相対的に資本市場から信頼を勝ち得ていると言ってよいと思います。また、MicrosoftのOffice事業、SONYの金融事業のような安定的なビジネスを持つことが、結果的にエンタメやプラットフォームで大きなチャレンジを続けていく足場となるという考えもあります。SaaS事業が立ち上がることが、プレティアのエンタメやプラットフォームを飛躍させる土台となるということです。
3つ目はケイパビリティ観点で、「プレティアの強みとマッチする」という理由です。
プレティアのひとつの強みは、エンタメ領域で培った有名IPを擁する大手版元とのコラボ実績や、誰もが知る大企業との業務提携を通して確立したBtoBコミュニケーション能力です。
実際にとある製造系大手企業のご担当の方と一緒にお仕事をさせていただいたときも、「プレティアはお若い方が多いのにコミュニケーションがしっかりしていますね」と言われたこともあります。
またエンタメのUI/UX構築力がBtoBプロダクトでも活きることも実証済みです。これもプレティアがエンタメを通して培った独自の強みにマッチしているといえます。
Solutionチームの体制
Solutionチームは、複数事業がある中での新規事業という立ち位置でした。こうした小規模のスタートアップとしてはチャレンジングな状況で、どのようにチームを運営してきたかをご紹介します。
1. 少数精鋭チーム
Solutionチームは、人数規模でいうとシードスタートアップくらいのサイズで運営しています。
参考にしているのはSalesforceで、創業期のエンジニアの合言葉に「速く、簡単に、最初から間違いなくやろう」というものがあります。プレティアのSolutionチームもこの合言葉にならい、チーム発足当初から少人数精鋭のチームながらアーキテクチャやコード品質、他の事業部との技術スタックの共通化にこだわった開発を進めてきました。
もうひとつ重要な視点がドキュメントです。スタートアップだと、どうしても目の前の業務にとらわれてしまい、ドキュメント類は後回しにしがちですよね。しかしプレティアの企業文化にはすでに「継続的なドキュメンテーション」が組み込まれています。Solutionチームも例外ではなく、メンバーがいつ増えたり入れ替わったりしても製品品質や開発スピードが落ちないよう、ドキュメント類も初期から手を抜かずに充実させています。
また、社内の他チームで当初導入したときには苦労していたScrumですが、今では安定運営のノウハウが蓄積されており、SolutionチームでもScrumを利用しています。Solutionチームのコアチームメンバーがエンジニアとして成熟していることもあり、最初から安定運用ができています。現在もFull-stack Engineer(香港人)、UI/UX Designer(日本人)、Product Manager(日本人、というかCEO牛尾)の少数精鋭でスピード感をもって進めています。
2. 提携先と密にコミュニケーションを取る
プレティアの強みは、技術力によって、エンタープライズとアライアンスを組めていることにあります。もちろん大手企業の要求品質は一般的に厳しいですが、そのぶん一番厳しい要求に合わせた製品の高速改善が出来ます。スタートアップでも珍しいであろう体制で進める事業からは、個人的にも学ぶことが多く、成長実感を得ながら業務に取り組んでいます。
3. CEO自ら営業にコミット
プレティアは、それぞれのチームが10名にも満たないリーンな体制ながら、SaaS以外のエンタメ、プラットフォームの開発はほぼ各チームProduct Managerへ一任しています。代表である私は、ゼロイチ段階が得意な起業家として、新規事業に自らコミットしつつ、全体に対しては経営方針やプロダクトビジョン、ロードマップの公表によって方向づけをおこなうという体制になっています。
少人数チームで、どのように複数プロダクト運営の難しさを克服するか?
たくさんのプロダクトを同時に取り扱うことは、1企業内に2〜3つスタートアップを抱えるようなものです。もちろん人的・金的リソースは限られていますから、普通のやり方では失敗すると考えます。プレティアでは下記のとおり工夫しています。
1. 競争環境を見定める
わかりやすくは「誰でもすぐに真似してきそうな領域には手を出さない」ということです。
プレティアの特徴のひとつは研究開発能力であり、コンピュータビジョンの博士が複数在籍し、アルゴリズムから作れる専門性を持つメンバーが集まっています。この研究開発能力がプロダクトのコア価値につながっているほか、経営層にも耳を傾けてもらえるような提案能力に活きていると考えています。”競争環境が激しくないうちにシェアを伸ばし、市場成長期に波に乗る”という考え方を重視しています。
2. 全社でナレッジを共有する
まったくの更地からすべてを立ち上げるのではなく、”巨人の肩に乗って”事業推進するため、すでにステージの進んでいる事業部のテンプレートを借りたり、ベストプラクティスに関するナレッジを交換したりしています。先述の「ドキュメント文化」にも繋がりますが、プロジェクトがひとつ済んだら、機能をモジュール化しておき、ドキュメントを付記して整理しておく、という習慣を全社で構築しています。
またこのようにナレッジ共有を進めることで、他部門のプロダクトに関する理解度・解像度が高まり、プレティア内のプロダクト・サービスを抱き合わせで売っていくこともできます。例えば「小売業のバックヤード業務部門にも製造業向けプロダクトが刺さる可能性があるので、持っていこう」等です。すべては全社横断の惜しみないナレッジ共有があってこそ成立します。
3. 採用・育成にコミットする
プレティアをマルチプロダクト経営する意思決定をしたとき、「各事業部・チームに強いリーダーがいれば成立する」と見立てました。そのため各チームをひとつの会社のように捉え、「CEO-COO-CTO」に相当する”経営チーム”を作ることを意識しています。
強い事業リーダーを採用することも大切ですが、リーダーが社内育成されるパイプライン構築も必要です。上でも述べたとおり、少人数で事業運営しているからこそ、よく言えば自身の裁量が大きく担当できる領域範囲が広いため、自然と全体最適的に考える人=経営人材が育ちやすい環境であるといえます。
長期的には、企業の競争力たり得るリーダー育成パイプラインが確立されることにもつながります。
最高のチームで「共に達成する喜びを届ける」
プレティアは、AR専門企業としての物珍しいイメージに頼るのではなく、ひとつの企業としてExcellent companyを目指しています。企業運営・人材の質・成長スピード、あらゆる側面において最優の会社となろうとしています。
これまでもご紹介しましたが、プレティアの強みは、エンタメ・SaaS・研究開発と、まったく異質なカルチャーを持った人材同士の相互理解の深さと、それが土台となり思いがけないアイデアの組み合わせが誕生している点です。表面上の多国籍さだけでなく、専門性を越えた相互理解が、プレティアの多様性の次元を引き上げています。チームの代表として、今プレティアが持つ「BtoC-BtoB-R&D」という強みを、守り育てていきたいと考えています。
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