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背骨圧迫骨折で長期入院中の患者が退院を見据え、ADL(日常生活動作)の維持・改善:安静度に応じた適切な援助と自立支援をテーマにウェルビーイング観点で入院を最適化する⑲

2024年後半に入り、はや一週間。七夕の日で星に願いをかけた翌日、「一年の計は元旦にあり」とは言いますが、ある意味、七夕の願いもその年後半をどう過ごしたいか、想いや願いにフォーカスする時と言えますね。

「ウェルビーイング観点で入院を最適化する」テーマで毎日NOTEしていますが、入院が1か月を過ぎたあたりから「そろそろ、退院して家に帰りたい」を連日口にするようになり、その勢いは日に日に強くなってます。

そこで今日は、その体験と入院患者の想い・願いにフォーカスして、
背骨圧迫骨折で長期入院中の患者が退院を見据え、ADL(日常生活動作)の維持・改善:安静度に応じた適切な援助と自立支援をテーマにウェルビーイング観点で入院を最適化したいと思います。

ADLってなに?


どこの界隈でも、略語は使わる傾向がありまして💦
家族が緊急入院となり、その説明を受けたときに「ADL評価することで、患者さんの退院状況を見極めます」???

医者さまは頭が良すぎて、もうわけわかめでした笑
日常生活動作と言われていて、ADL(Activities of Daily Living)とは、日常生活動作のことを指します。

具体的には、以下のような基本的な日常生活を送るために必要な動作や行為を含みます:

  1. 食事

  2. 排泄

  3. 入浴

  4. 整容(この言葉も馴染みがないのですが、「身だしなみを整える」ということです)

  5. 更衣(更衣室でおなじみ、音だけきくとピンとこなかったのですが、なんてことない「衣服の着脱・着替え」のことです)

  6. 移動・歩行

  7. 起居動作(寝る、起きる、座るなど)

ADLの評価

患者の自立度や介護の必要性を判断する上で重要な指標となります。
医療や介護の現場では、FIM(💦あたりまえに、「FIMで判断する」と言われました💦💦💦「Functional Independence Measure」の頭文字だそうです。このスケールを用いてADLを評価することがあります。

2つの概念

ADLには、基本的ADL(BADL)と手段的ADL(IADL)の2つの概念があります:

  1. 基本的ADL(BADL):身の回りの動作や移動動作を指します。

  2. 手段的ADL(IADL):より複雑な動作(買い物、調理、洗濯、電話、薬の管理、財産管理、乗り物の利用など)を指します。

ADL評価の活用

具体的に、下記シーンで活用されます。

  1. 入院患者の状態評価と退院計画の立案

  2. リハビリテーションの効果測定

  3. 介護保険サービスの必要性の判断

  4. 高齢者の自立度の評価

ADLの維持・向上は、
特に高齢者や障害を持つ方のQOL💦(Quolity of LIFE=生活の質)を
保つ上で非常に重要だそうです。

医師からの説明に連射されてくる”頭文字攻撃”も、アタマのなかにハテナ?が浮かびますが笑、なぜ重要かについて、あっさり流されそうでしたので、聞いてみました。

ADLの維持・向上が高齢者や障害を持つ方のQOL(生活の質)を保つ上で非常に重要な理由:

「リハビリ病棟にうつり、それくらい看護師さん・ヘルパーさんやってくれていいのに・・・」と入院患者にしてみると思ってしまうことも多くなります。でも、患者が退院後、入院するまえの生活レベルにスムースに復帰するためには、極力、「自分でできることは自分でやる」これが重要なのです。


  1. 自立性と尊厳の維持:
    ADLを維持・向上することで、日常生活における自立性が保たれます。
    周りが助けていると、おそろしいことに、「自分がどうしたいか」をおろそかどころか、考えなくなってしまいます💦
    これにより、他者への依存度が減少し、自尊心や尊厳が守られます。

  2. 社会参加の促進:
    基本的なADLが維持されることで、外出や社会活動への参加が容易になります。
    リハビリ病棟では、食事を食堂風味の場所で一堂に会して食事をします。
    食後、そのままその場所に残り、大画面でテレビをそのまま見て、寝たきりを回避し、入院同期とコミュニケーションをとることもできます。

    これは孤立を防ぎ、生きがいや楽しみを見出すことにつながります。

  3. 身体機能の維持:
    ADLを継続的に行うことは、筋力や柔軟性、バランス能力などの身体機能の維持・改善につながります。これは転倒予防にも効果があります。

  4. 認知機能の維持:
    日常的な活動を自立して行うことは、脳の活性化につながり、認知機能の低下を遅らせる効果があります。

    アトポーシスという言葉を聞いたことがありますか?
    生物全般の話ですが、使わない機能は”自殺”してしまうのです。
    脳にもアトポーシスは”萎縮”というかたちで起こります。
    これは脳萎縮または大脳萎縮と呼ばれ、加齢や疾患によって脳の体積が減少する現象が発生します。

    天から与えられた才能・機能は使いましょう笑

  5. 介護負担の軽減:
    ADLの自立度が高まれば、家族や介護者の負担が軽減されます。
    これにより、より良好な人間関係を維持できる可能性が高まります。
    油断すると、おそろしいくらいに自身で判断することをしなくなります。
    これはほんとうに恐ろしいことです。

    プライドの塊のような人が、
    なにも判断しなくなるのを見ました。

    入院前の状況にもどすためにも、自身でできることはすべてやるように
    周囲もサポートできれば、と思います。

  6. 合併症の予防:
    長期臥床などによる二次的な合併症(褥瘡、肺炎、深部静脈血栓症など)のリスクを減らすことができます。

  7. 精神的健康の維持:
    自立した生活を送ることで、達成感や自己効力感が得られ、うつや不安などの精神的問題のリスクを低減できます。

  8. 生活の質の向上:
    食事、入浴、排泄などの基本的なADLを自立して行えることは、日々の生活の質を直接的に向上させます。

  9. 医療費の削減:
    ADLの維持・向上は、入院や施設入所のリスクを減らし、結果として医療・介護費用の削減につながる可能性があります。

  10. 生命予後の改善:
    ADLの維持は、全体的な健康状態の維持につながり、生命予後の改善にも寄与する可能性があります。

これらの理由から、ADLの維持・向上は高齢者や障害を持つ方のQOLを保つ上で非常に重要であり、医療や介護の現場では、ADLの評価結果に基づいて適切なケアやリハビリテーションを提供し、患者の自立支援を行っています。

自主性をもって、本人が退院がgoalではなく、退院後に入院前の生活にもどす道を進むべく、七夕の願いをきっかけに、その年後半をどう過ごしたいか、想いや願いにフォーカスする時です。

具体的に背骨圧迫骨折で長期入院中の患者が退院を見据え、
ADLの維持・改善を目指す上で、本人と家族がすべきことと、そのマインドセットについて:

本人がすべきこと:

  1. リハビリテーションへの積極的参加:

    • 医療チームの指導のもと、安全に配慮しながら積極的にリハビリに取り組む。

    • マインドセット:「一歩ずつ前進することで、自立した生活に近づける」

  2. 日常生活動作の練習:

    • ADL室などリハビリスペースなどを活用し、自宅環境を想定した動作練習を行う。

    • マインドセット:「練習を重ねることで、自信と能力を取り戻せる」

  3. 痛みの管理と自己理解:

    • 痛みの程度や変化を医療スタッフに伝え、適切な管理方法を学ぶ。

    • マインドセット:「自分の体調を理解し、適切に対処することで生活の質を向上できる」

  4. 栄養管理と食事:

    • 骨折の回復に必要な栄養摂取を心がける。

    • マインドセット:「適切な栄養は回復の基礎であり、健康的な生活につながる」

  5. 精神的健康の維持:

    • 不安や心配事を医療スタッフや家族と共有し、前向きな姿勢を保つ。

    • マインドセット:「前向きな気持ちが回復を促進し、充実した生活につながる」

家族がすべきこと:

  1. 患者の自立支援:

    • 過度な介助を避け、患者の能力に応じた自立を促す。

    • マインドセット:「見守りと励ましで、患者の自信と能力を引き出せる」

  2. 家庭環境の整備:

    • 退院前訪問指導を活用し、安全で使いやすい環境を整える。

    • マインドセット:「適切な環境づくりが、安全で快適な生活の基盤となる」

  3. 介護技術の習得:

    • 必要な介護技術を学び、適切なサポートができるよう準備する。

    • マインドセット:「正しい知識と技術で、患者と自分の負担を軽減できる」

  4. 医療チームとの連携:

    • 退院前カンファレンスに参加し、退院後の生活プランを共に考える。

    • マインドセット:「医療チームと協力することで、より良い支援体制を築ける」

  5. 患者の精神的サポート:

    • 患者の気持ちに寄り添い、励ましと理解を示す。

    • マインドセット:「心のつながりが、患者の回復と生活の質向上を支える」

これらの取り組みを通じて、患者と家族が協力しながら、身体的・精神的・社会的ウェルビーイングを目指すことが重要です。退院後の生活を見据えた準備と心構えを整えることで、入院生活を最適化し、スムーズな社会復帰につなげることができます。

また、外出・外泊訓練を活用して実際の生活環境での課題を把握し、それを入院中のリハビリテーションや準備に反映させることも効果的です。これにより、より現実的で実践的な退院準備が可能となり、患者と家族の自信と安心感を高めることができます。


~ご参考~
日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000184198.pdf

高脂血症治療薬と ADL の関連についての研究
https://www.hospital.iwata.shizuoka.jp/media/20200421-093730-7419.pdf

https://www.kango-roo.com/word/3584

https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/adl.html

https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/adl.html

入院中の日常生活動作能力低下の原因分析:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/34/5/34_645/_article/-char/ja



私たちが提供する情報が、
背骨圧迫骨折で長期入院中の患者の方々の退院とその後の生活の質を向上させる一助となることを心から願っています。



一人ひとりの生活の質を高め、自立した日常生活を送ることができるよう、
私は今も続く、家族の入院の際の気づきや学びから、
明日が少しでもよくなるウェルビーイング観点で入院を最適化することにつながるものを
引き続き情報を提供し、サポートしてまいります。

皆様の健康と幸せを願って。

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