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3/5昼 死体になりました

昼過ぎから緊急帝王切開の準備
オペ室に移送されるので
もう夫の立ち合い出産は叶わない
これが今生の別れだと思った

移送からオペ室を出るまで、ずっと号泣していた

煌々と明るい手術室で、全裸にされ
冷たい麻酔が入ってくる
寒さと恐怖で全身がガタガタ震え、歯が鳴る

助産師さんにずっと手を握ってもらい
会話をしながら気を紛らわせてもらう


「赤ちゃんの名前は決まってますか?」
「お父さん似かな?お母さん似かな?」
「今、赤ちゃんを取り出すルートが完成しました」等
オペ中に意識がはっきりしているのが一番恐ろしい

もう12時間以上水を飲む事を禁止されているのに
オペ中もずっと泣いているので、拷問のように喉が渇いてきた
どんなに乾燥した場所に行っても、こんなに辛かった事はない

鼻が詰まってきてこれもまた地獄
(腹圧をかけられないので、鼻をかむ事ができない)

永遠のように感じる1時間が経過
赤ちゃんが取り出され
ほんの一緒だけ手を握った次の瞬間にはNICUに引き離された

転院前の病院では、バースプランに絶対カンガルーケアを入れたいと思っていたし、出なくても初乳を口に含んでほしかった

本当に、何も叶わない出産だった

身体の感覚が何も無いまま
出産した実感も無いままに
入院する病室に移送

私は死体になったのだと悟った

オペ後は3時間、給水禁止だと言われていて、それはさすがに一思いに殺してくれと思った

飲み水を口に含ませてくれる、夫か母の到着をひとり冷たい身体で待つものの、NICUの説明等があったようで、待てども待てども会えなかった

こんな祝福のない出産は、本当に悲しい


親友からのLINE
「そうだよね、妊娠中の産後イメージと180度違うことが起きたもんね

みんながみんな、巷で見聞きするような出産とは限らないから…

NICUに入っちゃったけど、べびは細胞レベルでママのことはちゃんと分かってるから、愛情形成はゆっくりで大丈夫だよ

でも、せっかく死ぬ思いで産んだのに抱きしめられないのは歯痒いし辛いよね」

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