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子どもと大人が感想を共有する舞台芸術に向けて

子どもと大人が共に問い、発見のある場を、劇場で実現する!

こんにちは、コネリング・スタディです。
コネリング・スタディは「大人と子どもが舞台芸術を見て、感想を共有する方法」を、3年かけてさぐる実験・研究のプロジェクトです。これまでも子ども向け、大人向け、と対象を分けた公演は多くありますが、子どもと大人が共に問いや驚きを共有できる場はとても限られています。

この学びへの転換がどうすれば子どもたちへうまく伝わるのか。コネリング・スタディでは、その方法を参加していただくみなさんとともに考え、探求したいと考えています。

さまざまな年齢・個性の子どもと大人が一緒に舞台芸術を見るには、いろんな人のいろんな「ふるまい」を受け入れ合う必要があります。じっとしていられる子とそうでない子、静かにしていられる子とそうでない子など個性は様々です。そして、コネリング・スタディでは、じっと静かにみているだけではない、積極的な観劇スタイルが、学びへと導いてくれる可能性についても考えたい。そのためには、子どもはもちろん、大人の協力が不可欠です。私たちは今、どうすれば 舞台芸術を鑑賞するみなさんに協力してもらい、お互いを受け入れ合う客席・劇場をつくることができるか、その方法を考えています。

将来は、全国・全世界の劇場やフェスティバルでコネリング・スタディの取り組みが行われ、多様な芸術作品が大人と子どもに開かれていくことを夢見ています。KUMON式や絵画教室に通うように身近な感覚で劇場に親子で通う未来を想像しています。

その未来に向けて、みなさんの参加した実感がヒントになります。ぜひ、活動に参加し、モヤモヤしたことも含めて教えていただきたいのです。

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▲ 9月21日 Aokid『地球自由〜!』にて、遠くからAokidにこちょこちょをする子どもたち


仮説と問いを立ててみる!

コネリング・スタディの目的は「子どもと大人が舞台芸術を見て、感想を共有する方法をつくること」です。この目的は子どもをめぐる上演環境への問題意識から生まれました。

たとえば、未就学児の場合、子どもの入場が禁じられていることも多いです。小学生であっても、集中して見られないのではないか?と不安で連れて行きづらいことも多いと聞きます。劇場に託児サービスがあったとしても、「託児所に預けられるなら劇場に行きたくない」と子どもが言い出すという話も耳にします。

こうしたことを問題と捉え、「どうすれば子どもと一緒に舞台芸術を見られるか?」を考えるようになりました。この課題を検討するにあたって、3つの仮説を立ててみました。

仮説1:「子ども向け」でなくても、子どもが楽しめる要素を持った作品がある
仮説2:子どもが作品を楽しめるかどうかは、作品を見るまでの文脈による

仮説3:子どもの多様な行動をアーティストと観客が相互に受け入れることができればよい

この仮説を検証するために、以下の3つの問いが立てられました。

問い1:舞台芸術における「子どもも楽しめる要素」とは?

問い2:子どものためにどのような「文脈」を、どのようにつくればよいのか?

問い3:子どもと大人同士がどうすれば多様な行動を受け入れあえるのか?

私たちは今、これらの問いをめぐって議論をしながら研究プロジェクトを進めています。

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▲8月25日『チェルフィッチュといっしょに半透明になってみよう』にて
「半透明になる実験をしている」と子どもたちに説明するチェルフィッチュの俳優たち

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▲8月25日『チェルフィッチュといっしょに半透明になってみよう』にて
テニスボールと一体化することを試みる少年


具体的にはこんなことを試しています。

たとえば、アーティストのAokidさんとともに取り組んだ『地球自由〜!』におけるコネリング・スタディでは、以下の仮説を立ててプログラムをつくってみました。

仮説1
:Aokid作品における言葉、動き、音楽、歌は子どもの遊びと通底するものがある

仮説2:Aokid作品を見るために「ダンスの作り方を、みて、動いて、つくって研究する」という実際のアーティストの思考や行動をなぞって復習できるような文脈をつくることで、能動的に鑑賞できるようになる

仮説3:「しゃべってOK!動いてOK!参加したくなければやらなくてOK!」という声かけをすることで、安心感をうみだせる

しかし、このどれも、実際にやってみると大小様々な「想定外の事態」が起こります。これらに柔軟に対応するには、参加者のみなさんの協力が不可欠です。

Aokid『地球自由〜!』の実験公演では、ご参加いただいたみなさんは面白さやモヤモヤをたくさん感じられ、本番後にさまざまな楽しみや葛藤をめぐるご意見をいただきました。

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▲9月21日Aokid『地球自由〜!』にて、アーティスト・Aokidによるパフォーマンスに注目したりしなかったりする子どもたち

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▲9月21日Aokid『地球自由〜!』にて、ライトを使ったパフォーマンスを再現する子どもたちとファシリテーター・臼井隆志


このような実験と対話を繰り返し、みなさんとともにあらたな劇場の風景をつくりだしていきたいと考えています。これからこのnoteでは、コネリング・スタディで行なった実験の様子や気づきを更新していきます。この活動で得られた知見をみなさんに知ってもらうと共に、たくさんの意見がコネリング・スタディという試みに集まってほしいと思います。

これからどうぞよろしくお願いします!


山吹ファクトリー コネリング・スタディ
助成:公益財団法人セゾン文化財団
撮影:加藤和也、臼井隆志

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山吹ファクトリーとは?
「山吹ファクトリー」は、新宿区山吹町にある広さ約130平米のフリースペース。まっさらでだだっ広い空間に身をひたすと創造的な気持ちが湧きたちます。”創る”を充実させるために、食べること、学ぶこと、遊ぶこと、出会うことなどの用途で活用できる場であることも重視しています。


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2003年設立。チェルフィッチュ、ニブロール、岡崎藝術座などのプロダクションを企画制作。 従来の常識を覆すような演劇、コンテンポラリー・ダンス、パフォーマンス・アートの最前線を取り扱い、日本における身体表現の新しい輪郭を模索している。http://precog-jp.net/
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