🇦🇺戦争の英雄、実は戦争犯罪者と判明／World Socialist

#オーストラリア 　の「戦争の英雄」がアフガニスタンの民間人を殺害した #戦争犯罪者 であることを裁判所が認めた。

by Oscar Grenfell
2023.06.01

昨日、連邦裁判所は、オーストラリアで最も名誉ある生存中の兵士であるベン・ロバーツ・スミスを戦犯とする爆発的な判決を下した。

裁判所は、ロバーツ・スミスがアフガニスタンに派遣された際、民間人を殺害し、その他の戦争規則や国際法の違反行為を行ったことが証明されたと判断した。

オーストラリアのSASR Corp.2011年11月15日（火）、ロンドンのバッキンガム宮殿にて、ベン・ロバーツ・スミスとエリザベス2世。[AP Photo/Anthony Devlin, pool].

最も注目すべきは、ロバーツ・スミス自身が起こした訴訟で判決が下されたことだ。

彼は、2018年に殺害やその他の犯罪を詳述した記事をめぐり、ナインエンターテインメントの出版物であるエイジ、シドニー・モーニング・ヘラルド、キャンベラ・タイムズを名誉棄損で訴えていた。

各紙は、自分たちの記事にロバーツ・スミスが戦争犯罪者であるという当てつけが含まれていることを認めていた。

しかし、彼らは真実の弁明を採用し、疑惑は正確であると主張した。

数年にわたる裁判で、裁判所は、特殊空挺連隊（SASR）でロバーツ・スミスとともに戦った兵士を含む数十人の証人から証言を得た。

その証拠に基づき、アンソニー・ベサンコ判事はロバーツ・スミスの損害賠償請求を棄却した。

ベサンコは、ロバーツ・スミスに対するすべての非難が証明されたとは認めなかった。しかし、最も重要なもののいくつかは、次のようなものだ。

新聞は、「...最も重大な申し立て...申請者が支配下または封じ込めにあった #アフガニスタン 人男性を殺害した、または殺害に加担し責任を負ったというもの」の「実質的真実を立証」したのだ。

2009年、ロバーツ・スミスは他のSASR(特殊空挺部隊連隊)兵士に高齢のアフガニスタン市民を処刑するよう強要したことが立証された。

これは「ブラッディング」の一環で、SASRの上級メンバーによる超法規的殺人や殺人を新兵に紹介する慣行だった。

同じ任務で、ロバーツ・スミスは身体障害者のアフガニスタン人を殺害し、拘束したまま機銃掃射して死亡させた。

ロバーツ・スミスはこの男性の義足を戦利品として持ち帰り、他の兵士にその義足で酒を飲むよう勧めた。

2012年9月、ロバーツ・スミスは非武装のアフガニスタン市民アリ・ジャンを殺害し、彼を崖から蹴り落とした後、部下に命じて無防備な村民を射殺させた。

確認された殺人に加え、ロバーツ・スミスがアフガニスタンの民間人や囚人を殴打した3件の事例が支持された。

これらの事件は、その野蛮さと非人道性において、間違いなく衝撃的なものである。

米国とオーストラリアを含む同盟国が、アフガニスタンに「民主主義」と「人権」をもたらす取り組みとしてパッケージ化した戦争で、連合軍は野蛮人として行動した。

昨日の判決以降の報道の多くは、これを「悪いリンゴ」「不正な要素」などに帰結させている。

実際には、戦争に関与したすべての連合国が犯した戦争犯罪は、その捕食的で新植民地的な性格に直接起因するものである。

2001年、アメリカは、9月11日に起きた、ほとんどサウジアラビア人による犯行という、まだはっきりしない事件を利用し、長い間計画されていたアフガニスタンへの侵攻と占領を正当化した。

その真の狙いは、地政学的に重要なこの国とその実質的な物質資源の支配権を確保することだった。

このような作戦は、必然的に全住民に対する戦争という形をとることになった。

ベトナムと同様、アフガニスタン国民が支配に圧倒的に反対していたため、米国の協力者以外、ほとんどすべての国民が、占領軍から実際の敵、あるいは潜在的な敵としてみなされ、扱われることになった。

戦争中、SASRと他の豪州特殊部隊は、アフガニスタン南東部のウルズガン州を米軍主導で支配していた。

彼らの現地パートナーはマティウラ・カーンだった。カーンはこの地域の警察署長であると同時に、政敵を殺害することで知られる軍閥、犯罪指導者、麻薬密売人であった。

特殊部隊は、重要なカンダハル州でも重要な役割を果たした。

SASRはさまざまな「反乱軍」作戦に参加した。

2010年から11年にかけて、ジュリア・ギラード首相のオーストラリア労働党政権が、占領に対する抵抗を鎮めることを目的とした米国オバマ政権のアフガニスタンでの「サージ」を支持したことで、これは強化された。

これには、抵抗勢力とされる指導者の暗殺リストに基づく「捕獲または殺害」作戦へのSASRの参加強化が含まれていた。

ロバーツ・スミスが世間から注目されるようになったのは、まさにこのような作戦のためだった。

2011年、彼はオーストラリア最高の軍人賞であるヴィクトリア十字章（VC）を授与された。

オーストラリア戦争記念館のウェブサイトに掲載された引用文には、2010年6月の「タリバンの上級司令官を狩る作戦」で中心的な役割を果たしたとして、ロバーツ・スミスにVCが授与されたと記されている（強調）。

アフガニスタンの抵抗勢力とされる陣地への攻撃について説明した引用文には、「捕獲または殺害」作戦と明確に記述されている。

その引用文には、ロバーツ・スミスによって複数のアフガン人戦闘員とされる人物が至近距離で殺害された凄惨な光景が、耐え難いほど詳細に描写されている。

2011年2月8日のオーストラリア議会で、ギラードと当時の野党党首トニー・アボットは、ロバーツ・スミスの行動とVCの受賞を称えた。

「ベン・ロバーツ・スミスは英雄、伝説、模範と呼ばれていますが、彼はこれらすべてを兼ね備えています」とギラードは宣言した。

「しかし、彼は人間であり、夫であり、父親でもある......」

VC受賞後、ロバーツ・スミスは「国民的英雄」として国民に押しつけられた。

彼は、オーストラリア軍の「アンザックの価値観」の模範として紹介された。

ロバーツ・スミスは、元英国女王エリザベス2世を含む外国の要人の前でパレードされた。

ギラードやアボット、マスコミが見せた、アフガニスタンの戦闘員とされる人物を殺害したことだけが有名な、身長2メートルの陰気な兵士に対する熱意を、一般の人々が共有している様子は微塵もなかった。

むしろ、ロバーツ・スミスの地位向上は、軍国主義を推進する政治体制によるキャンペーンと結びついていた。

これはアフガニスタンでの「急増」を正当化するためだけでなく、2011年にオバマ大統領が発表した、中国との戦争に備えるためのアジア太平洋地域での大規模な米軍増強計画「アジアへの軸足」とオーストラリアが一致することになったのである。

特殊部隊が戦争犯罪を犯したことは、10年以上前から知られていたことだ。

超法規的殺人は、2011年8月の「フォー・コーナーズ」番組で初めて記録され、「捕獲か殺害か」の襲撃で民間人が殺害されたとされる事例が紹介された。

2017年には、オーストラリア放送協会が戦争犯罪のさらなる証拠を詳述した「アフガン・ファイル」を発表し、その後、2018年にはロバーツ・スミスに関連する「ナイン・エンターテインメント」が発表された。

何年も何年も、公式の対応は隠蔽であった。

オーストラリアン紙の注目すべき2018年の記事は、特殊部隊の戦争犯罪について公式調査が開始されたことを指摘している。

そこには、ロバーツ・スミスの同情的な写真が掲載されていた。

記事は一時期、見出しを付けていた：「手を引け：SAS批判者に警告」

現在はタイトルで表示されている：「ベン・ロバーツ・スミス、首相は判断を急ぐことを警告している」

という記事が記載された :

「戦争犯罪の疑いで秘密裏に行われている調査が、一部の元ディガーに対して告発を勧告するという期待が高まる中、

オーストラリアのアフガニスタン戦争への参加を監督した4人の首相は、特殊空挺連隊に支援を投じている。」

この4人は、自由国民連合のジョン・ハワードとトニー・アボット、労働党のケビン・ラッドとギラードである。

記事はその後、こう報じている：

「ケビン・ラッドは、『居間の快適さ』から戦争を見ていたオーストラリア人は、アフガン紛争の残酷さに気づいていないと述べ、

労働党の後継者ジュリア・ギラードは、軍の『奉仕と犠牲に対する深い感覚』について語った。」

ブレトンレポートと呼ばれる公式調査は2020年11月に終了し、特殊部隊が39人のアフガニスタンの民間人と捕虜を殺害し、その他の戦争犯罪を犯したという「信頼できる証拠」があることが判明した。

この調査は何年も続き、秘密裏に行われた。

とりわけブレトンレポートは、各国政府や軍司令部が、特殊部隊がアフガニスタンの人々に何を与えていたのか、まったく知らなかったと断言している。

ブレストン・レポートは、殺人事件を記録する報道が増えたことによる被害対策だけではなかった。

アメリカの対中国戦争準備の中で、オーストラリアがますます中心的な役割を果たすようになった状況下で、軍のイメージを一掃し、刷新することも目的だった。

官界では、過去の戦争犯罪が、将来さらに大きな犯罪を起訴する際の妨げになることを恐れていたのである。

今週、そのことが強調された。

アンガス・キャンベル国防部長は、水曜日に上院の評価公聴会で証言し、2021年3月にアメリカ大使館から手紙を受け取り、アフガニスタンでの戦争犯罪が、人権侵害で訴えられた外国軍への米軍の支援を禁止する「リーヒ法」として知られるアメリカの法律を引き起こす可能性があると警告したと述べた。

このような法律が存在することは、米国が主導する違法な戦争で残虐な扱いを受けている世界中の何百万人もの人々にとって驚きであろう。

米軍と米情報機関は、オーストラリアの戦争犯罪を何年も前から知っていたはずである。

米当局が懸念を表明したのはブレトン報告書の後だけで、殺人の公式確認は軍事協力の深化を阻害する恐れがあったからだ。

アフガニスタンでの戦争犯罪は、決して異常なことではなく、新植民地主義的な作戦の真の姿であり、その立役者は決して裁かれることはない。

アフガニスタンの人々に対して行われたことは、帝国主義大国がロシアや中国との攻撃的な対立の中で、世界的な規模で準備していることの警告である。

（了）

引用元

Court finds Australian “war hero” is a war criminal who murdered Afghan civilians