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ソファーの上でロマンスを

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2004~2006 Novels Archive 大澤誉志幸さんの音楽から想起した物語。
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#仔猫

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こんにちは。幸坂かゆりと申します。 こちらは更新、案内ページです。このマガジンは2004年頃から同タイトル『ソファーの上でロマンスを』という拙ブログにて書いていた短篇を纏めています。当初、敬愛するアーティスト、大澤誉志幸さんの曲名を小説化して書くという目的を持っていたのですが、あまりにも曲が膨大なのと自分で聴き込んでいないもの、難しいと感じるもの等が多くなり、当時は毎日のように更新していましたが書けないまま放り出した形になってしまいました。 けれど、大澤誉志幸さんのタイト

完璧なエゴイスト

 僕はファンシーな物は受け付けない。  待ち合わせている彼女は僕の苦手なその類の物が好きだった。最初は……恋のせいで瞼を閉じてしまったのだ。けれど時が経ち彼女の好きな世界が判った頃、ついて行けないと思った。好みの問題だから彼女のせいじゃない。ただ僕には無理だ。合わせられない。だからそれぞれの道を歩むしかないと思い、今日こうして彼女を待っているという訳だ。それにしてもうるさいカフェだ。  店内を見回してみる。いかにも彼女が好きそうな犬も同伴できるログハウスで、ぬいぐるみが至る所