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西島秀俊さんの作品鑑賞記録

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ファンである西島秀俊さんの映画やドラマの感想を書き連ねています。新旧など順番は不同です。Twitterのモーメント機能に書いていたものをこちらに移しました。
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2023年8月の記事一覧

2003年ドラマ「ダムド・ファイル シーズンII」『もうひとりの友人・渥美郡』感想

2003年ドラマ「ダムド・ファイル シーズンII」『もうひとりの友人・渥美郡』(監督/萩生田宏治)鑑賞。 ローカルの深夜枠で放送され、今でも根強いファンを持つ、1話30分ほどのホラーシリーズ。西島さんが出演したシーズンⅡ『もうひとりの友人』はホラーと言うより物悲しく、幽霊でもなんでもない普通の青年の役でした。ただ、どこか孤独だった。だからこそ、この物語の軸になるヒロインの病弱な友人に気に入られ、取り込まれてしまったのだろう。それが良かったのかどうかは判らない。けれど誰も文句

1999年映画『ニンゲン合格』感想。

1999年映画『ニンゲン合格』(脚本・監督/黒沢清)鑑賞。 少し遡って、西島さんの若い頃の作品を。 物語そのものは命の奇跡でもあるのに、目覚めた豊も周囲もあまりにも淡々とした描かれ方で進行するので困惑した。そして漠然と穏やかではない。家族を含め、彼と関わる人間たちがみんな、心が子供のままで退院した豊のそばにいる訳ではなく豊の許を行ったり来たりして地に足が着いていないから。 14歳は、様々な媒体で描かれるように表情が豊かな訳でもなく、素直でもない。小さなことに苛立ち、意地を

2020年映画『サイレント・トーキョー』感想。

2020年映画『サイレント・トーキョー』(監督/波多野貴文)鑑賞。 何とか爆発を止めようと奔走する刑事、世田(西島秀俊さん)は首筋に過去の事件で受けた大きな傷が残っているがそれについての説明は、ほぼない。この物語の登場人物のほとんどの関係は伏線として散りばめられるだけで詳細は描かれない。しかし後半ものすごいスピードで点と点が繋がる。 作中、言葉としても出て来るが、まさに戦争だと思った。 私個人は学校で習ったり、本やテレビでの情報でしか戦争を知らない。ただこの作品を観た日付