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〜禅呼吸&瞑想〜


1.「禅」は誰が始めたの?

「禅」という言葉は、もともとサンスクリット語の「ディヤーナ」を中国語に音写した「禅那(ぜんな)」の略です。禅と普通いう時には、”座禅”や”禅宗”を指します。

禅那とは、精神を統一して真理を追求するという意味です。


2.「ダルマさん」?

「禅」の起源は古代中国で、始祖は「菩提達磨(ぼだいだるま)」というインドの仏教僧で、お釈迦様の28代目のお弟子さんです。

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「だるまさん〜だるまさん〜にらめっこしましょ〜笑うと負けよ あっぷっぷ〜」で日本でも馴染みのあるだるまさんですが、5〜6世紀の人で、中国に渡って、「禅那」=ディヤーナを広めました。

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やがて日本に伝えられた「禅」は、臨済宗、曹洞宗などの禅宗五家に別れて行きました。


3.「禅」って?

禅とは、座禅を組んで行う瞑想(禅定)という仏教の修行法です。紀元前500年頃のお釈迦様の時代にはもうすでに禅定を行なっていました。


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お釈迦様が、菩提樹の下で、禅定を行なっているときに、悟りを開いたことは、よく知られています。(その中身は、また…)




4.日本にはいつきたの?

「禅」の思想が日本に入ったのは、飛鳥時代だと言われています。広がりを見せるのは、鎌倉時代に入ってからです。


鎌倉時代に、日本に禅を広げたのは「栄西(えいさい)」と「道元(どうげん)です。


5.「栄西」はどんな人?

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栄西(1141年〜1215年)は宋に渡って、南宋禅の教えを持ち帰って「臨済宗」を開きました。栄西は幕府や朝廷の庇護を受け、禅宗の振興につとめました。


「臨済宗」の特徴は、「公案」を用いて考えながら座る「看話禅(かんわぜん)」です。

「公案」というのは、修行者が悟りを開くため、研究課題として与えられる問題のことで、優れた修行者の言葉や事績から取られており、日常的思考を超えた世界に、修行者を導くものです。


6.「道元」ってどんな人?


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道元(1200年〜1253年)も宋に渡り、中国曹洞禅の教えを持ち帰り、「曹洞宗」を開きました。こちらは、道元の死後も、全国へ広がりました。


「曹洞宗」の特徴は、「只管打坐(しかんたざ)」といって、何も目的を持たず、何も考えないで、ただ座るという修行です。


7.有名な禅宗の和尚様

●一休宗純(いっきゅうそうじゅん)

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「とんちの一休さん」のモデルとなった室町時代の臨済宗の禅僧です。当時の仏教の権威や形骸化を風刺したりして、江戸時代「一休のとんち話」という本も出され、死後も大衆に広く知られました。


●沢庵宗彭(たくあんそうほう)


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安土桃山時代から江戸時代前期にかけての臨済宗の僧です。禅の教えを身近なものにたとえて親しみやすく教えていたので、人気があり、多くの人々から慕われていました。


生涯弟子を取らず、また無欲の人でした。「たくあん漬け」は沢庵が作ったことが由来と言われています。


●白隠慧鶴(はくいんえかく)


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江戸中期の臨済宗の禅僧です。栄西の系譜は早くに途絶えましたが、白隠が体系化した臨済宗は現在に続いています。


禅の教えを大衆にわかりやすく説き「内観」という瞑想法を紹介する「夜船閑話(やせんかんわ)」など、たくさんの書物を残しました。


●良寛(りょうかん)


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「良寛さん」として江戸時代後期に親しまれた曹洞宗の禅僧です。優れた詩や書を残した詩人であり、書家でもありました。

「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」を座右の書とし、尊敬していた道元のように寺を持たず、清貧をとおしました。


8. 現在の「禅」は?

2500年前のお釈迦様の時代から、座禅を組んで瞑想する修行が行われていました。そして、現代の日本でも、一般の人でも参加できる座禅会が全国各地の禅寺で開催されています。



私のお世話になっていたお寺さんは、曹洞宗で、壁に向かって座禅をします。そして、和尚様の「正法眼蔵」の講義もあり、時代を超え、現代人にも必要な智慧が満載でした。



そして今やアメリカで生まれた「マインドフルネス」という、仏教の思想の側面を除いた「ZEN」として、企業研修に取り入れられたりして、世界に広まり、日本にも逆輸入され、広がっています。


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