マンガやアニメ
マンガやアニメが好きだ。
グッズを買い込むほどではないが、好きなアニメを毎週録画してみるくらいには好きだ。
Youtubeでオープニング映像を繰り返し見るくらいには好きだ。
「もしも私がこの物語の中のキャラクターとして参加するなら」と妄想する程度には好きだ。
マンガやアニメは現実に起こらないことが起きるから好きだ。
登場人物はたいてい美男美女だし、長身イケメンでイケボだから好きだ。
かといって、3次元に魅力がないとは思わない。
むしろ逆だ。
私は現実の男が好きだ。
佐々木蔵之介が好きだ。
斎藤工が好きだ。
渡部篤郎も好きだし、瀬戸康史も好きだ。
間宮祥太朗も風間俊介も清原翔も味方良介もみんなみんな、イケメンというイケメンはたいてい好きだ。
そこら辺を歩いているイケメンももちろん好きだし、電車で目の前に座ったイケメンと脳内で恋愛して結婚して家庭を築けるくらいには、想像力も爆発していた。
もう結婚して家庭もあるおばさんなので特に浮気や不倫に興味も無ければする気もないが、それでもいい男は好きだ(ちなみに美女も好きだ)。
だからイヤなのだ。
下手にドラマを見ると、イケメンを好きになってしまうから。
たとえば少し前に、佐藤健のドラマがあった。
佐藤健は特に好きでも嫌いでもない、興味のない俳優だった。
それが一気に佐藤健大好きになり、LINE友だちになり、Sugarなるアプリをダウンロードしたりして、私の佐藤健大好きボルテージはマックスになった。
着信履歴に「佐藤健」とあればドキドキした(アプリの仕様なんですけど)。
田舎に住む30代既婚子持ち在宅勤務の分際で、下手に実在してしまうと、「佐藤健といつかどこかで出会えるのかもしれない!」と一縷もない望みを抱いてみたりもした。
こんなに佐藤健に思いを馳せたのだからドラマが終われば「ロス」になるだろうと腹をくくったが、実際は2週間もすれば「あぁそんなイケメンもいたな」とスっと気持ちが冷めていった。
元来私は熱しやすく冷めやすい性格で、ドラマを見るたびに燃え上がり、その気持ちがスッと覚めてしまう、そんな自分を繰り返し見るのもイヤなのだ。
そして先日の某お金ドラマ。
きっとドラマが完結していたら、彼が生きていたら。
私は三浦春馬に恋をしただろうとハッキリわかる。
いやもしかしたら北村匠海だったかもしれないが(若すぎるので恐らくあり得ない)。
とにかく動くイケメンを見れば心がときめき、実在すると出会いたくなり、そしてそんな画面の向こうで人々を魅了するイケメンや美女と同じ人間なのに自分は…日々何してんだと幸せなはずなのに比較して落胆するのがイヤだったりもする。
そう思うと、やっぱりマンガやアニメは良い。
イケメンはずっとイケメンだし、強いし、変な技を繰り出すし、鬼やら呪いやらと戦い、謎に複雑な家庭環境だったりして、ありえねーだろ!みたいなことまでやりたい放題なのも良い。
もちろんマンガやアニメでも感動はするし、キャラクターが負傷したり亡くなったりすれば悲しくもなる。
鬼滅の刃の20巻あたりでもボロッボロに泣いた。
が、基本的にマンガやアニメは、情緒が不安定気味な30代主婦私でも、比較的平和な気持ちで読んだり見たりできる。
そう、無駄に心を揺さぶられないから、私はマンガやアニメが好きなのだ。
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