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1年
昨年4月から長男が通い始めた保育園。
その園長先生が、昨年10月31日、天国へ旅立った。
10月はじめの運動会には元気でいらしたのに。
なんなら、亡くなる数日前にも園庭の草を取りながら「長男くんおはよう!」と声をかけてくださったのに。
持病があったわけでも、事故に遭われたわけでもなく、突然のご病気だったそうだ。
「大切なお手紙が入っていますので、すぐに確認してください」
担任の先生にそう言われ、隣で「園長先生がしんだんだよ」と騒ぐ長男を「なんてこと言ってんの!」と叱りながらその場で開けたお手紙には、本当に園長先生が亡くなられたという旨が綴られていた。
その日がすぐにお通夜、そして次の日の土曜日が告別式だった。
急だったが話しやすい保護者たちと相談してお通夜に行って、お別れの挨拶をさせて頂いた。
まだ50歳にもなっていなかった園長先生。
娘さんたちが就職して、さあこれから!第二の人生を楽しもう!という矢先のことだったそうだ。
とても大勢の方がお別れにきていた。
そして告別式が執り行われた翌日は、とても良い天気だった。
そんな悲しいお知らせを受けてから、もう1年が経った。
園長先生のことはきっとみんな忘れていないけど、その気持ちを形にしたくて、淡いピンクをメインに、やさしかった先生のように暖かい雰囲気のお花をアレンジメントにしてもらって、持って行った。
何て言って渡すべきかな、と考えて行ったのに、言葉にならなくて。
副園長先生に「あの、これ、明日、あの、すみません、飾っていただけますか?」しか言えなかったけど、きちんと伝わったようで有難かった。
副園長先生と少し、お話をさせて頂いて、2人で泣いた。
「キンモクセイの香りがすると、あのときのことを思い出して…」と言葉を詰まらせた副園長先生。
「きっと今も、お空から見てくださってると思うから」と仰っていた。
「長男君、今日はニコニコで来れたね」
「弟くんも3歳になったら待ってるよ」
そんな声掛けをよくしてくださった園長先生。
車いすの祖母のために運動会の席を用意できなかったことを、当日の朝まで心配してくださったことも、思いやりにあふれる園長先生らしいご配慮だったなと、今でも深く感謝している。
子供が登園する時間にはだいたい園庭の草を取ったりお花に水をやったりと、いつも忙しく動き回りながら、それでも園児と保護者皆にやさしく声をかけてくださった。
1年経っても、そんな園長先生が大好きで大好きで、思い出すと悲しくなって。
先生、もううちの子は泣かずに保育園に行けますよ。
来年は次男も入園しますよ。
先生、見てますか?
みんな大きくなりましたよ。年中さんだった子たちは来年、小学生になります。
園長先生がいなくなってからも、先生方は笑顔で毎日子供たちに愛情を注いでくださっていますよ。
子供たちも元気に、楽しく毎日過ごしています。
きっと先生が見守ってくださっているからですよね。
ありがとうございます。
もし会えたら、そうやって伝えたいことや言葉がたくさんある。
でも本当は、長男も次男も、先生にこれからもずっと成長を見守って頂きたかった。
一緒に卒園式したかった。
それはもう、叶わないけど。
私はずっとずっと、忘れない。
生き続けていく人間には、忘れないことしかできないから。
そんなことを思った1日だった。
お花はご自宅に届けて頂けるようだ。
先生が、喜んでくださるといいな。
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