怒りの最終処分場
「その...三人とも話して、本当にすまないと思っている...だからさ、どうか俺を許」
「四股よっ!四股っ!こんなの絶対離婚しかありえなムググーッ!?...いえ、別れたのなら許すわ...」
奇妙!鬼神の形相で夫に詰め寄っていた妻は、突如口から黄色い物体をムリムリと吐き出し、不気味な程に平静を取り戻した!床にへたり込む彼女を尻目に夫はリビングを後にする...
この男、堺壮馬は半年前、他人の「怒り」を質量化し取り出すという異能に目覚めた。これを利用し彼は我欲のままに暮らしてきた。が、彼はそれだけに飽き足らない。
「こいつは歴代最高クラスのデカブツだなぁ、しかし...」
スマホ大の大きさの「怒り」を片手に、壮馬は自室に入りクローゼットを開く。目に入るのは一面の黄色。ほぼ隙間なく積み上げられた、今まで奪い取った「怒り」。
「はてさてこれを、一体どう活用してやろうかな?」
【続く】
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