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MONSTERS in 大正 第59話 再開(終)

 「チヨーッ!」
 「四郎さん!」

 崩落した浅草凌雲閣、若草色の死骸の海を背に朝霞四郎と渚チヨの二人は駆け寄り、そして激しく抱擁し合った。戦いは終わった、未だ震災の混迷晴れぬ帝都を突如襲った食人怪物共はいま殲滅されたのだ。傷の痛み、友を失った悲しみを胸に秘めながら、二人はただ互いの鼓動と体温をいつまでも感じ合うのであった。

 ――二人の傍、瓦礫の下で怪物の産みつけた無数の卵が妖しく蠢いている事も気づかずに。

 【終】



 



 

 「む?この瓦礫の下で妖しく蠢く無数の卵はなんだ?」

 あっ今気づいた!ついでに四郎は自分が二日近く何も口につけておらず、とても空腹であった事を思い出す。すぐさま彼は卵の一つをヒョイと拾い上げ、片手で割り中身を口に入れた!化け物の卵の中身を!

 「うまい!」

 意外!

 ☆長らくの間ご愛読ありがとうございました、次号より後日談的スピンオフ『朝霞さん家の化け物ごはん』が連載決定!


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